最近、日本政府もオーストラリアやベトナムなどと資源外交を始めている。日本とは北方領土問題を抱えるロシアも資源国だ。春名幹男氏の「秘密のファイル CIAの対日工作」(共同通信社)や有馬哲夫氏の「CIAと戦後日本」(平凡社新書)を読むと、在日米軍基地(特に沖縄の基地)は太平洋戦争におけるアメリカ合衆国の戦利品と見たほうが良いようだ。沖縄返還も沖縄の米軍基地返還にまで至らないように実を取った政策だった。重光葵外相が旧ソビエト連邦と二島返還で国交回復をしようとしたとき、ジョン=フォスター=ダレスは、日本が国後・択捉を勝手にソ連に引き渡す(ソ連に対して便宜を図ることになる)なら、米国は沖縄を返さない(日本からは沖縄という便宜を受ける)という論理で介入した。普天間飛行場の辺野古移設は他の施設を含めた沖縄の基地機能の集約化に過ぎず、日本が米国に戦利品を与える状況が継続するものと見なされよう。それなら、戦勝国ソ連を継承したロシアも、北方領土という戦利品をもらってもいいと考えるのだろう。
ロシアの貿易相手国の中で、日本の順位はそれほど高くない(2009年日本11位、中国3位、米国8位)。だから、日本がヘソを曲げてもロシアはそれほど困らない。鳩山一郎元首相は周辺国との関係改善を、まず貿易を活発化することから始めようとしていたようだが、今の政府はどう考えているのか?
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・今年は統一地方選挙の年だ。築地市場の移転問題に注目したい。
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