投資家の目線

投資家の目線713(資産運用会社と接待)

 2019年3月7日のBloombergに『セールスに「そのランチの支払いは誰が」とGAM-ギフトも確認指示』という記事が掲載された。スイスの資産運用会社で贈答品や接待に関する社内規定を守らない社員がおり、同社のセールススタッフが、過去3年間に受けたもてなしの記録やコーヒーや朝食、昼食、ディナーの提供について確認、調査するよう指示を受けたというのだ。行き過ぎた接待は賄賂と認識される。

 これを公益社団法人日本証券アナリスト協会の証券アナリスト職業行為基準に当てはめて考える。もし接待を受けたことにより接待した業者に対して投資推奨や資産運用に関する業務で便宜を図れば、顧客の利益より自己の利益を優先しており忠実義務にも違反する。専門家として尽くすべき注意を怠っているので注意義務にも違反する。利益相反の問題から、行き過ぎた接待は公正かつ客観的な証券分析業務の遂行を阻害する要因とみられるので、その開示が求められよう。接待を受けた相手が証券の発行者ならば、発行者からの独立性と客観性を保持しなければならない。

 昼食会(ランチミーティング)やディナーミーテイングは豪華な贈り物になる可能性があるが、朝食会(ブレックファーストミーティング)はそれほど豪華な贈り物になることはないだろうに…。ミルクやオレンジジュース、コーヒーのお代りも賄賂と認定されるのだろうか。1票10万ドルともいわれる東京五輪招致の賄賂疑惑(【東京五輪賄賂疑惑】「1票10万ドルで20票が集められ、成功報酬は約2億3千万円」IOC関係者 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット) 2019年1月15日)とは比べものにならないほど小さな金額だろうが…。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「ファンド」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事