投資家の目線

投資家の目線85(印刷業界も再編)

 昨年12月14日、凸版印刷の子会社の書籍印刷部門を完全分割し、図書印刷と合併すると発表した。日経金融新聞の06/11/29では、中堅印刷企業の株価低迷が伝えられている。出版印刷の受注単価が下落しており、業績不振が伝えられているためだ。最近、電車に乗ると以前に比べて雑誌(含むコミック雑誌)を読んでいる人は少なくなったように思える。むしろ携帯電話でメールをしている人が目立つ。キオスクでは雑誌とタバコの売上が落ち、それがプラットホームでコンビニエンスストアを展開する理由のひとつとなっているともいわれる。
 ヤフーでは、休刊したコミック雑誌の漫画を無料連載するそうだ。雑誌は売れなくても単行本は売れる傾向にあるので、雑誌の発行よりコストの低い電子掲載にすることで採算性の向上を図ろうという試みだそうだ(06/12/18日本経済新聞参照)。このような試みが増えれば、書籍印刷部門はさらに不振に陥る可能性がある。図書印刷ではコミックの電子配信事業支援サービスを開始するそうだが、書籍印刷の不振を補えるのだろうか?通信販売では20代向けはモバイルカタログのみにしようとしているところもあるし、電車の中刷り広告が電子ペーパーになる可能性もある。
 製紙業界に続いて、紙に印刷する印刷業界も事業の再構築が必要ではないだろうか。
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・現在、元イーホームズ社長の藤田東吾氏が書いた「月に響く笛/耐震偽装」を読んでいる。アパホテルグループで新たな耐震強度偽装物件が見つかったようだが、札幌市の浅沼物件など、耐震強度偽装は姉歯元建築士だけの問題だけではない。居住用はもちろんのこと投資用マンションを購入する前にこの本を読んでみてはどうだろう。マンションは大きな買い物なのだから。
・27日、三菱UFJ証券に業務改善命令を発動する方針と報道された。詳細な内容が気になる。
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