投資家の目線

投資家の目線440(イオンリート上場)

 11月22日にイオンリートが東京証券取引所に上場した。次の資料を見ると、資産運用会社のイオン・リートマネジメントはイオンの100%子会社で、役員もイオンの出身者(中途入社も含めて)だけなので、利益相反を懸念する報道が出るのもやむをえない面がある。

「不動産投資信託証券の発行者等の運用体制等に関する報告書」

イオンリート上場、初値9.5%高の11.5万円 - 小売初、内外店舗投資 (3) 13/11/22 Bloomberg

 また組み入れられる物件はイオンの商業施設だけなので、賃料収入を収益とするREITのリターンは組み入れられたイオンの店舗の業績にある程度は影響を受けるだろう。


 商業施設の証券化としては、マイカルの資産担保証券(ABS)を思い出す。そのABSはマイカルの経営破綻に伴いデフォルトした。この事件は法律家の間でSPVに支払われる賃料が更正担保権にあたるのか否かが大きな議論を呼んだが、それ以後に倒産隔離(真正売買の問題)に関する議論が進んだとはあまり聞かない。マイカル事件では共益債権とされてカットの対象にはならなかったようだが、日本では証券化の倒産隔離問題に関する判例が少なく、万一イオンが経営破綻したような場合にREITの倒産隔離が認められるのかどうか気にかけておく必要があると思う。

参考資料:「証券化の進展に伴う諸問題(倒産隔離の明確化等)」
証券取引法研究会研究記録第4号 財団法人 日本証券経済研究所 証券取引法研究会 2004年6月



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・21日に日比谷の野外音楽堂で開かれた「秘密保護法」の反対集会には1万人(主催者発表)が集まったとか。平日の夜にもかかわらず結構な人出だ。

・中華人民共和国がフィリピンに病院船を派遣するそうだ。以下の記事によると、フィリピン政府は中国からの支援を断っていたとされる。東日本大震災のときに、日本政府は中国の病院船の派遣を断っていたことが思い出される。

「フィリピン当局、被災者救済より政治優先、中国の医療隊派遣の申し出を断っていた―中国紙」 2013/11/19 毎日中国経済

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