3月23日の日経MJに「縮むマック、晴れぬ視界、17年ぶり3000店割れ、売上高はピークの7割、跡地で他店に客流出、新顔登場で競争激化。」という、日本マクドナルドの記事が掲載されていた。その中に次のような話があった。
引用開始
『この日本市場の方針転換に符合するように昨年7月、米マクドナルドは日本市場の位置づけを見直した。
米国以外の市場は収益性が高い「国際リード市場」、ロシアや中国など成長が見込める「高成長市場」の2つに大別する。だが日本はそのどちらにも属さない「基礎的市場」に分類。成長より安定を求めるもようだ。
「基礎的市場に入ったということは日本は大きな利益も見込めず、急成長も期待できないというレッテルを貼られたということ」。ある日本マクドナルドOBはこう解説する。』
引用終了
この記事を見て、ボストン・コンサルティング・グループのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを思い出した。この手法では次のような4項目に分けられる。
・花形(star)
市場の成長率が高く、占有率も高い。高い収益性が見込めるが、成長に合わせて投資額も大きい。産業のライフサイクルでいえば、成長期から成熟期(or勃興期から成長期?)にあたる。
・問題児(problem child)
市場の成長率は高いが、占有率は低い。成長のために大きな投資額を必要し、成功すれば花形製品になる可能性がある。産業のライフサイクルでいえば、勃興期から成長期にあたる。
・金のなる木(cash cow)
市場の成長率は低く、占有率は高い。市場が成長しないため追加投資があまり必要でなく、収益性は高い。産業のライフサイクルでいえば、成熟期から衰退期にあたる。
・負け犬(dog)
市場の成長率が低く、占有率も低い。事業の撤退が検討される。産業のライフサイクルでいえば、衰退期にあたる。
マクドナルドが日本を「基礎的市場」と位置付けたということは、日本市場はまだ占有率は高いが成長は期待できない「金のなる木」から「負け犬」の間とみなされているのだと思う。TOBで完全子会社化されたスターバックスは別として、日本のシャック・シェイクはサザビーリーグが、日本のバーガーキングもバーガーキング・ジャパンがバーガーキングコーポレーションから日本での権利を得て店舗展開している。米モンデリーズ社は山崎パンとの製造・販売ライセンス契約を解消して自社販売するが、製造は山パンに依頼したという(「オレオ」「リッツ」から手を引く山崎パンのプライドと勝算 2016年3月1日 ダイヤモンドオンライン)。日本に製造工場を所有するような大きな投資を行うつもりはないのであろう。外国企業にとって日本市場は魅力的なものでなくなっているのだと思う。
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