投資家の目線

投資家の目線89(ナカウラ本店閉店と家電量販店の再編)

 1月21日、秋葉原にあるナカウラ本店が閉店した。隣接するアソビット・キャラシティとともにシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズに55億円で譲渡され、改築後は地下1階から地上3階までラオックスが賃借すると同社HPある。
 ラオックス秋葉原駐車場など、ラオックス・コンピューター館のある区画の御茶ノ水側の一帯ではシャッターを下ろした建物が多い。また、本年秋に市川・カンブンドー・ヤマギワ共同ビルに入店を予定しているソフマップも1店舗もあり、それらと一体開発すれば、比較的規模の大きなものができるように思われる。
 ここもとビッグ・カメラとエディオンの資本・業務提携(将来的には経営統合も)など家電量販店の再編が相次いでいる。販売店が巨大化することで、メーカーに対して「買い手の交渉力」を強化できる。ラオックスは新潟の家電量販店の真電と資本・業務提携していたが、真電は同業のノジマと合併することになった。ヨドバシカメラ開業以降、「ロケット」や「サトームセン」のような秋葉原の他の家電量販店は店舗網を大幅に縮小しているように見える。今期予想連結売上高806億円のラオックスが、今後新たな提携などなくして家電量販店を続けるのは難しいように思うが。
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・ 東京鋼鉄の大阪製鉄による完全子会社化提案が否決された。ヤフーファイナンスの掲示板を見ると、子会社化発表直後からPERや配当利回りなどの観点から東京鋼鉄株主にとっては不利な条件であるとして、反対する意見が多く出ていた。研究熱心な株主が多くなったのだろうと思う。
・ 2007年2月22日の日本経済新聞夕刊で、2006年の広島カープが黒字決算であったと報じられた。親会社やテレビの放映権料収入に頼らず、入場料やグッズの売上で経営が成り立つことは歓迎である。今年の放映権料収入は昨年よりさらに厳しくなりそうだが、球団の方々の頑張りには敬意を表したい。
・ 三洋電機の粉飾決算疑惑が報じられている。また監査法人は旧中央青山であるが、会計の問題を突き詰めていくと、このようなことはいくらでも出てくるのだろう。同社の場合はNASDAQにも上場しているため、米国の監督当局からも厳しい目で見られるのではないか?
 なお、2007年2月24日の日本経済新聞朝刊で、04年3月期は「一般事業会社に対する会計・監査不信は現在のように厳しく言われていない時期でもあった」とあるが、ライブドアで会計の問題とされているのはわずか半年後の04年9月期に関するものである。

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