先日、テレビで、怪獣映画 『ゴジラ』 の映画をやっていた。
1954年、初公開の 『ゴジラ』 だった。
宝田明、河内桃子、平田昭彦が出演していた。
そうだ、この映画、観た記憶がある。
中学生になったばかりの私、父と弟と観に行ったのであろうか。
家の近くの映画館で立ち観をしたことだけは覚えている。
もう、60年前のことだ。
映画館の前に貸本屋があって、私はよく出入りしていた。
大人の恋愛小説とは知らずに借りて、貸本屋のおばさんに怪訝な顔をされたのを
思い出した。
興味津々で読んだが、返す時、恥ずかしくておばさんの顔が見られなかった。
そう、そう、すぐ、側に洋画を上映している映画館もあった。
ジェームス・ディーンの 『理由なき反抗』・『エデンの東』 はそこで観たのだ。
ああ、懐かしい。
中学への入学を期に、厳しい祖母の元から名古屋の父に引き取られた頃だ。
父は寡黙で、子煩悩な人だった。
映画、観劇によく連れて行ってくれた。
その中で、チャップリンの 『ライム・ライト』 は思い出に残る映画だ。
なぜか、島倉千代子・コロンビアローズの歌謡ショーにも行ったっけ。
話が飛んでしまったが、今年はゴジラ生誕60年だそうだ。
ハリウッド生まれのゴジラ映画も公開されているようだ。
俳優、渡辺謙さんが大々的に宣伝している。
ゴジラと言えば東宝撮影所に行ったことがある。
30代後半からシナリオの勉強をしていた時期がある。
南青山(現在は北青山)のシナリオセンターに通い、新井一先生の講義を受けたり、
通信添削を受ていた。
シナリオラターを真剣に目指していた。
キッチンのテープルで、200字詰め原稿250枚をコツコツ書いては
シナリオの公募に応募していた。結果はいつも、二次通過止まりだったが。
そんな中で全国から、受講生が集まる夏の合宿に参加した。
講師に映画監督の大林宣彦氏、プロの脚本家を招いての講義がぎっしり。
持参した作品への厳しい批評、己を知らされた合宿だった。
講義の合間に砧の東宝撮影所を訪れた。
撮影所内に作られたプールと映画に使われたゴジラを見た。
イメージしていたより小さかったので拍子抜けした。
だが、あれほどの迫力ある映像を作り出す技術に感心させられた。
いつの間にか、シナリオライターへの夢は捨て去り (当然だ)、
段ボールいっぱいの原稿が残っている。早く処分しなければ。
『 ゴジラ 』 さまのお陰で、あの頃のことを懐かしく思い出した。