めんどりおばあの庭

エッセイと花好きのおばあさんのたわ言

金木犀の香り

2014-09-26 21:00:00 | 日記
                                   
 昨日はまだ堅かった金木犀の蕾み

   今日は 辺りに甘い香りを漂わせています

   金木犀 花瓶に一枝挿しました

   部屋の中にも秋


   柿の実は色づき 枯れ葉が舞い落ちています

   いつの間にか秋

   気がついたら秋
  
   秋の気配に
   
   人生の黄昏どきを重ねるワタシがいます・・・


   しかし 9月は 目まぐるしく去って行きます
   
   彼岸花・秋桜・金木犀を愛でている間に
   
   もう 10月 衣替え

   うかうかしてはいられませんね
  
   でも 慌てると ろくなことがありません

   のんびり 行くことにいたしましょうか






                      みずひきそう





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  60年前の運動会

2014-09-26 10:00:00 | 日記
                                   
                    
我が家の裏のMちゃんと親方はお友達だ
  Mちゃんは四年生の女の子。小さい頃から我が家に遊びに来ては、お絵描きしたり、
  折り紙したりして親方と遊んでくれる。
  時々、しっかり者の彼女に親方が叱られたりして・・・。
  今度の日曜日は運動会だそうだ。

 秋の運動会の思い出は色々ありますが、60年前のお話しを・・・ 

  私は10歳の時、2歳下の弟と祖父母の元に預けられていた。
  霧島山麓の自然に囲まれた町で3年間過ごした。
  戦前、外地で官吏だった祖父と薩摩藩士の血筋を口にする誇り高き祖母。
  親元を離れた孫たちに対する躾は厳しかった。お箸の上げ下ろしから礼儀作法、
  言葉づかい、常に祖母の目が光り小言が飛んだ。
  私がホット出来る場所は学校だけだった。
  しかし、その小学校でも叔母が教師をしており、気が抜けないこともあったが。
  私はクラスメートたちより、頭1つ分、背が高くひょろひょろと痩せていた。
  手足が長くあだ名はキリン。
  運動会ではいつもリレーの選手だった。
  「ユキ、真面目に走れ。何だ、その走り方は」。練習中に担任教師の檄が飛んだ。
  自分では、全力疾走しているつもりだが、長い足をゆったりと運んでいるように
  見えたらしい。
  友だちがしているように幅広の輪ゴムを足に着けたりしていたがいつも2着止まり。
  ある時、素足で馬糞を踏むと、馬のように早く走れるという情報を耳にした。
  当時、昭和27、8年頃、馬が荷車を引いて町を闊歩していた。
  さすがに町中には馬糞は見当たらなくて、農道でホヤホヤの馬糞を見つけた。
  藁の混じった茶色の丸い物体がどっさり。見ているだけで気持ちが悪くなる。
  担任の叱咤激励する恐い顔が浮かぶ。
  私は意を決して、まだ湿っているそれを踏みつけた。
  何とも言えない感触に私は飛び上がり、近くの小川へと走ったのだった。
 
  馬糞のお陰か、その年の運動会のリレーでは一等になった。
  賞品は数冊のノートだった。運動の苦手な弟と分け合った。
  私と弟はいつも一緒。運動会のお弁当も二人で食べた。
  校庭にゴザを敷いて、家族連れがご馳走の詰まった重箱を囲んでいた。
  私と弟は校庭の隅っこでお弁当を食べていた。
  「ユキちゃんとぼうや、こっちこんとね」
  家の近所のおばさんが声を掛けてきた。
  弟は坊やの愛称で呼ばれていた。
  声を掛けてきたおばさんの家は大きな農家で5人の子供がいた。
  私と弟はそこの子供たちと仲良しだった。
  「ううん、いいです」。私は断った。
  ご近所のおばさん一家とお弁当を食べ、ご馳走になったことを知った時の
  祖母の怒りが容易に想像できたからだ。
  祖母は運動会に顔を出したことがない。町内会の寄り合いなど、祖母の代わりに
  私が行かされることもあった。
  戦前、祖父母は外地で裕福な生活を送った。
  戦後、祖父は公職追放となり、質素な生活を余儀なくされたが、
  祖母の気位の高さは変わらなかった。
  私は子供心にもそのことを感じ取っていたのだ。
  しかし、祖母なりに私たち孫に愛情を注いでくれた。
  運動会のお弁当は卵のそぼろがぎっしりと詰まり、甘くて美味しかった。
  あの味は今でも、忘れられない。

  運動会と聞くと、60年前の校庭の様子が浮かんでくる。

  最後まで読んで下さいましてありがとうございます
 
 
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