めんどりおばあの庭

エッセイと花好きのおばあさんのたわ言

黄色いバラ

2014-09-30 12:00:00 | 日記
                                   
                      

 数年前の春、黄色いつるバラの苗を買い求めた。
  イギリス生まれの苗で大輪の黄色いバラの筈だった。
  しかし、咲いたバラはこれ ブルームーンでした 

            
                  香りが素晴らしい

            

  黄色いバラには思い出がある。49年前、家を新築したとき、
  連れあいが家の周りに白い柵を作り、庭一面に芝生を植えた。
  私は花壇を作り、色々な花を育てた。
  お隣の家に行き来できる木戸が有り、その傍に黄色いバラを植えた。
  棘のない品種で黄色い花をたくさん咲かせた。

  遠くの親戚より近くの他人。
  小学生のお子さんがいらっしたお隣のご夫婦には随分とお世話になっていた。
  結婚したばかりで世間に疎い私たち夫婦に、子育て、近所づきあいなどアドバイス
  してくださった。
  ご主人は子供好きで、赤ん坊の娘を抱っこしては散歩に連れて行ってくださった。  
  そのご主人が五十代半ばで病に伏した。
  バラの咲く頃だった。
  「お宅の黄色いバラ、主人が好きなの。病院に持って行きたいので一輪下さいな」
  お隣の奥さまが遠慮がちにおっしゃった。
  私は喜んで沢山切って差し上げた。
  それからまもなくご主人は亡くなられた。身内を失ったように悲しかった。

  黄色いバラはいつの間にか絶えてしまった。 
  お隣との境にはブロック塀が立ち、奥さまは車椅子の生活になり今までのように
  気軽に行き来できなくなって久しい。
  
  我が家にはピンクのつるバラの40年物の古株がある。
  それは正木の垣根の陰になっているにもかかわらず丈夫で、元気につるが伸び
  垣根の上にたくさんの花を咲かせる。
  黄色いバラと一緒に植えた深紅のバラは20年ほど咲いていた。

  いままでも、何度か黄色いバラの苗を植えたが数年で枯れてしまう。
  手入れが悪いのと庭が混み合っているからであろうか。

  こんどは、鉢植えの黄色いバラに挑戦してみよう。


コメント (2)
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