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ここ数日、涼しかった日は去り、今日はカンカン照りです。
8月15日、終戦記念日です。
70年前のあの日も暑かったそうです。
14歳だった親方は、焼け残った巣鴨の尼寺の境内で玉音放送を聴きました。
焼け跡にバラックを建て、空き地にサツマイモを植えて飢えをしのいだそうです。
小平の親戚に食料を分けてもらいに巣鴨から何時間も歩いていったとか。
よく、その頃の話をします。
3月の東京大空襲の時、焼夷弾の落ちる中を逃げまどった話。
戦争は残酷です。
下町で空襲に遭った友から、累々たる屍の重なる中を歩いて八王子の親類の家に
向かったという話を聞きました。
彼はまだ8歳でした。
なんと、むごいことでしょう。
ワタクシは中国大陸の新京で終戦を迎えました。
外地ですので玉音放送もなく、ただ、日本が負けたらしいという噂が飛び交って
混乱に陥ったことでしょう。
3歳だったワタクシの記憶は断片的です。
避難する時、ワタクシが日本人形を抱いていると、母が置いていくように言いました。
この先、なにが待ち構えているか分からない厳しい引き揚げの旅。
それこそ、生きて日本に帰ることが出来る保証はありませんでした。
母にとっては、人形どころではなかったはずです。
それなのに、ワタクシは人形を離しませんでした。
大きな日本人形は綺麗な着物を着せられて抱き起こすとママ~と泣きました。
その声に1歳の弟が怯えて泣きます。
渋々と置いてきた日本人形、あの黒い瞳をいまだに思い出します。
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クロアゲハ
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