前回の価格設定のミスですが、思った以上のミス設定でした。
販売した茶道具は、頂き物の古い建具を再利用して製作したものです。
建具を頂いた当初、手にした感触とパッと見で、スギの銘木だろうな〜と思っていました。
でも、その個性的すぎる姿が正直なところ私には気味が悪くて、早く使いきってしまいたいと思っていました。
虫食い欄間
こんなこと言っちゃいけませんが背筋がゾクッとするのです。
なかなか使い道が思い付かず、半年以上も放置して、ようやくアイデアが浮かび材料を切り始めたところ、何とも言えない強い香りが漂いました。
あれ?まさかね、と思いました。
そして削り始めて、やっぱりあれか?と思いました。
私の記憶が正しければ、これは屋久杉の香り。
よく見れば、年輪の細かさといい、木目といい、油の含み具合といい、香りといい、見れば見るほど嗅げば嗅ぐほど屋久杉っぽい。
ただ残念なことに、屋久杉を扱った経験が少なすぎて確証が持てない。
そこで、屋久杉をよく扱っている方に見てもらうことにしました。
お見せした結果、屋久杉っぽいとは言われましたが、やはり断定はできないようでした。
ちなみに、樹齢によって地杉とか小杉とかあるんですね、初めて知りました。
確証が持てないので、販売時には無難に「スギ」と説明することにしました。
元はただで手に入れた中古品ですし、傷みもあり、しかも苦手な姿形なので早く手放したい気持ちもあり、かなり弱気の価格設定をしてしまいました。
案の定、スギとして販売したにも関わらず、私にしては珍しく飛ぶように売れました。
スギだとしてもかなりのお買い得価格ですが、もしも屋久杉だったら本当に破格。
しばらくして、購入してくださった方々からメッセージをいただきました。
『屋久杉みたいな木目でキレイですね。うれしいです。』
『とてもこのお値段で手に入るものではないと思います。』
ん〜、誰が見ても屋久杉なのか・・・
やはり、おかしな価格設定だったのか・・・
でも、皆さんに喜んでいただけて何よりです^^
特に『お稽古をしたくなりました』というメッセージはとても励みになり嬉しかったです。
見出しの写真の木材は、今回販売したものとは関係なく、正真正銘の屋久杉です。
これも頂き物です。
とても小さいけど面白い形なので、何を作ろうか、と考えるだけでワクワクします。