タモがこんなに個性的な匂いだなんて・・・
数ヶ月前にたくさん買ってしまった木材はタモです。
必要な量だけにすれば良かったのですが、ロシア産のタモはもう入荷できないということだったので、少々多めに買ってしまいました。
タモは素直な木目で硬さも充分あり、過去に勤めていた工場でよく使われていたので、木材の中では優等生のイメージがありました。
実際に自分がタモで作った家具が十数年経っても不具合がなかったので、印象は良かったのです。
それで、この程度の量ならスローペースの私でも1年かからず使いきれそう、と思っていました。
ところが
タモが材木屋さんから納品されてすぐ、
タモってこんな匂いだったっけ・・・?
と不思議に思いました。
臭いわけではなく、でも私の記憶のタモとはちょっと違いました。
まだ春のことでした。
早速、このタモで学習机を作りました。
組み立てまで終わり、何度か塗装をして乾燥させているうちに、季節は梅雨に入りました。
ある日、工房のどこからか、わずかに異臭を感じました。
気のせいかな、ぐらいの。
それが日に日に増していき、
絶対に何か臭いものが近くにある!と思うほど頻繁に強く漂ってきて、もう気になってしょうがないので匂いの元を探し始めました。
悲しいことに、それはタモの一部から放たれていました。
全部ではないのが救いですが・・・
3分の1くらいは匂いそう。
怖くて確認できてません。
芯の部分が酷いのかなぁ・・・
特に割れ目みたいな部分とその周辺が匂います。
なんというか・・・・・・クセの強い匂い。
納品時に感じた匂いとは明らかに違う新たな匂いでした。
学習机は芯を外して使っていた為か、難を逃れましたが、端材で作ったものがことごとく匂いました。
工場勤務時代にあれほどたくさんのタモを見てきたのに、1度としてこんな匂いのタモに出会ったことはありませんでした。
一瞬材木屋さんを恨みクレームを入れようかと思ったほどですが、ネットで調べたらタモの匂いについて悩んでいる人はけっこういて、タモってそういうものなのか、と諦めました。
せめてもの救いは、製品の販売前に自分で気づいたこと。
何年か経てば匂わなくなるようですが、匂いの感じ方は人によって違うので少々厄介です。
高温多湿で匂いが強まるようで、7月がピークでした。
工場にはタモの在庫。
自宅にはタモで作った製品の在庫。
かなりナーバスになりました。
8月にはさらに酷くなるかと思いましたが、感覚が麻痺したのか、7月ほどではなかった気がします。
9月に入り、乾燥して涼しくなれば匂いも和らぐはず、と期待していたら、やはり匂いは日に日に気にならなくなっていきました。
すでに肌寒い10月、タモの匂いのことなんてすっかり忘れていました。
さて来年の梅雨、またこの悪夢が始まるのでしょうか・・・
くれぐれも、すべてのタモが匂うわけではありません。
ごく稀に個性の強すぎるやつが登場するって感じです。