超マイペースな女が一人で木工・家具工房を始めてみる。できるかな?

マイペースに木工・家具工房での日々を綴ります。
研修生時代~就職~リストラ~転職~復活~起業
ときどき趣味も。

ドイツ木工研修留学 53:最後の日

2020-01-09 00:43:45 | 木工1・研修
帰国間近の6月の日曜、同居人たちと一緒に、それぞれの友人を呼び、皆でアパートの裏庭でバーベキューをしました。
日本に帰りたくないな〜と思いました。


帰国の日、工房に挨拶に行くと、工房のみんなが書いてくれたメッセージカードをもらいました。
読んでないのに泣けてくる。

荷物の発送などであわただしく時間が過ぎ、あっという間にお別れの時。

あまりにバタバタしすぎて、大事なアパートの鍵を返し忘れました^^。
フランクフルトで郵便局に寄り、工房宛に鍵を送りようやく何もかもが終わりました。




日本に到着。
車窓から見る地元は何も変わらず、特に感慨深いわけでもなく、懐かしいわけでもなく、普通に、いつもの街並みでした。

師匠にもらった鉋がなければ「あれは夢だったのか…?」と思うくらい、あっさりと日本の日常に戻りました。



そして私は、かれこれ1年半の無職にピリオドを打つべく、就活を始めるのでした。

ドイツ木工研修留学 52:冬ソナ

2019-12-24 21:30:16 | 木工1・研修
ドイツ語講座で隣のクラスだった韓国人男性。
話しやすかったので、よく一緒に帰ったりアパートに遊びに行ったりしてました。
部屋は塵一つなく、すっきりピカピカ。
韓国の料理や、お手製のキムチをふるまってくれる女子力の高い人でした。
帰り際に、近くのレストランの垣根からバラを一輪折ってプレゼントしてくれたり、なんとも韓流ドラマティックな人でした。

ちょうど私の誕生日にアパートに遊びに来てくれたのですが、私がいない間におっさんが、私がいかにクレイジーなおばさんであるか、力説していました・・・。
私が戻ってもおっさんの話は延々と続き、そして夜も更けて、お開きとなりました。
あぁ~、夜景を見に行く計画だったのに・・・
おっさん、なんて余計なことを。

おっさん、というのは、この人です↓

帰国前日、これまでのお礼とお別れのあいさつのために訪問したのですが、別れ際、フラれました^^。
普通に、お友達同士のお別れの挨拶でいいのに、とどめを刺してくれるとは・・・
どこまでも韓流ドラマティックな人でした。
もう電子辞書をみなくても、フラれていることはわかりました^^。


いい思い出。


ドイツ木工研修留学 51:ベルリンの歯科医院

2019-12-16 17:00:50 | 木工1・研修
尊敬する師匠のベルリンの大仕事、それは、歯科医院の内装でした。

歯科医院の床の間

床の間の窓

個室

個室は入院用で、何部屋かありました。


個室の収納



飾り棚

箱庭(師匠の友人、庭師のキャベツさん製作)
(完成前なのでフローリングに段ボール敷きっぱなしですが・・・)


当時、研修仲間に借りた谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」。
日本の良さがいっぱい書かれていました。
ほとんど忘れている日本の美、というよりは、むしろ、知らなかった日本の美。
西洋と対比していて、興味深くて一気に読めました。
歯科医院などの病院を、砂壁の日本座敷にしたら患者の神経が休まるんじゃないか、と書かれていました。
なんてタイムリー。
昭和8年にそんなことを考えた人がいて、私が本を読んだ2005年、ちょうど自分の身近な所でそんなことをやっている人達がいて、それも異国で。なんだか、面白いと思いました。


ベルリンの歯科医院は、私の帰国後に完成しました。

師匠にしてもキャベツさんにしても、和のセンスが素晴らしいと思います。
ドイツでこんな面白い仕事を間近で見ることができて、私は幸せ者です。

この歯科医院の受付カウンターの製作をもって、私は無事、研修を修了できました。

ドイツ木工研修留学 50:修了製作

2019-12-12 20:10:00 | 木工1・研修
6月、ようやく完成した研修最後の3作品。

①移動式テーブル


②待合室のテーブル
幅の狭い板ばかりだったので、5枚を板ハギしてます。
ガラスの下は白い砂です。

どちらも製作中には写真を撮る余裕がありませんでした。
継ぎ手、頑張ったんですけど、全然写真が残っていません^^。
完成品の写真は、現場に行った研修仲間に撮ってもらいました。


③修了製作(卒業製作?)となった受付カウンター

受付カウンターの継ぎ手
これは塗装前ですが、オイルを塗った後は、美しい色になりました。
多少加工が下手でも、木目の美しさや色つやのおかげで、見栄えが良くなると気づきました。
Wengeなんてキライだ、と思ったこともありましたが、Wengeの美しさに助けられ、好きになりました。
納品前に帰国してしまったので、設置後の写真はありません。残念^^。


余談ですが、
私は結局、最後の最後まで、師匠のデザインで製作しました。
この頃はまだ、何を作りたい、とか、どんな機能をつけたい、などと、考える余裕が無かったです。

それに引き換え、美大出身の研修生は、研修開始から半年も経たないうちに自分でデザインして図面を描いて、強烈に角度だらけの「カッコイイ」椅子を作り上げていました。
この研修生が初めて工房に来た日、一目見た瞬間、こいつは只者じゃない!と思いました。その第一印象は正しく、とにかく羨ましいほどに規格外な男でした。

ドイツ木工研修留学 49:名字と印鑑

2019-12-10 19:15:16 | 木工1・研修
師匠の名字は、日本語に訳すなら「大麦山」。
日本にはない名字ですね。
個人的には「米山」さんや「米田」さんに近いイメージかな、と思ってます。
米とか麦とか、穀物つながりで^^。

ドイツにも日本にもある名字は「Bach」(バッハ)、「小川」さんです。

師匠のお友達には、「チーズ山」さんや「キャベツ」さんがいました。
「キャベツ」さんも日本語堪能でした。


師匠は「大麦山」を気に入っていたのか、印鑑を持っていました。

私が後に頂くこととなる研修の修了証には、この大麦山の印鑑が押されてしまうのでした。
サインだけでいいのに・・・。
ドイツ語で書かれた証書に、唯一漢字で大麦山の朱印^^。

なんともインチキ臭い修了証となりました^^。