楽しみにしていた国立国際美術館の開館40周年記念展。
「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」
エスカレーターで地下へ降りていく。
まず<大阪シンフォニー>という音だけの作品。
大阪のいろいろな音をとらえている。自然の音がしたり、なにかの
部活だなって音、職人がたくさんいる工場のような音。
次々と流れてくる音風景を、自分の脳内だけでぼんやり映像にしていく。
なかなかにおもしろい旅のスタートだ。
ロバート・ラウシェンバーグ <至点>
第一部が「多層の海」、第二部が「時をとらえる」という2部で構成
されている。
第一部で印象に残った言葉がある。
「旅とは遠い異国や未来だけではない。私たちのいる場所や、
これまで歩んできた道をたどることもまた、驚きと発見に満ちた
旅なのである」と。
ラウシェンバーグの作品を見て、その次から未知なる旅だった・・。
カリン・サンダーの<見せる>という作品。
ヘッドホンをして、音声を聞いていく。
ただただ真っ白な壁。近寄ると、小さな文字で番号と名前が
ずらーっと並んでいる。
最初はよくわからないから、番号順に丁寧に聞いていく。
チンパンジーについて、
心の風景について
糸の声を聞く
文句無しの芸術作品
ジョンケージ4分33分
山水画
終わりなき日1949
結界
鳥のさえずり
誰かいませんか
土の声
エリックサティ
見るということ
第5楽章
2分くらいの音声の行列・・・・・・
143もある!!
143×2分=286分!!
嫌がらせか(笑)
気づいた頃にはめっちゃくちゃ時間が経ってた・・・・。
そして疲れていた(笑)
まだ4つ目の作品なのに・・・・。
短くてもすべての番号のボタンを意地でも押す強情な山本。
最後の方はもう修行だった。
「聴く」ことで想像を膨らませ、何かを「見る」。
脳裏に浮かんだイメージの集合体がもう一つのコレクションだと。
カタログに書いてあった。
大竹伸朗 <時憶>
自分も自分の時憶作品作ってみたいな〜なんて思ってしまった。
みんなが書いた落書き帳ででもやってみようかな(笑)
そして・・・思いがけず出会ったのが<フローラ>
ヴェネチア・ビエンナーレのスイス館のために制作された作品。
30分ある映像作品で、途中から座ってみはじめる。
なんと登場人物はジャコメッティの恋人、アメリカ人彫刻家の
フローラ・メイヨの息子だ。
2017年のジャコメッティ展、今年観たジャコメッティの映画、
そして今回のジャコメッティの不在をテーマにしたスイス館の作品。
言いようのない親しみをジャコメッティに感じてしまうわー。
観るのが(聴くのが)すごく大変で、長時間かかったけれど、
本当の旅のように、終わってみればほんの一瞬だったとも思える。
きっと人生もそんなものなんだろうなーと。
思う。
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