ピアノ教室 アトリエムジカ

  Atelier Musica♪(徳島県鳴門市) ART in YOU!! アトリエムジカ。

トラベラー まだ見ぬ地を踏むために 国立国際美術館

2018年02月10日 | エキシビション(展覧会)


 楽しみにしていた国立国際美術館の開館40周年記念展。
 「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」
 
 エスカレーターで地下へ降りていく。
 まず<大阪シンフォニー>という音だけの作品。
 大阪のいろいろな音をとらえている。自然の音がしたり、なにかの
 部活だなって音、職人がたくさんいる工場のような音。
 次々と流れてくる音風景を、自分の脳内だけでぼんやり映像にしていく。
 なかなかにおもしろい旅のスタートだ。

 
 
 ロバート・ラウシェンバーグ <至点>

 
 第一部が「多層の海」、第二部が「時をとらえる」という2部で構成
 されている。

 第一部で印象に残った言葉がある。
 「旅とは遠い異国や未来だけではない。私たちのいる場所や、
 これまで歩んできた道をたどることもまた、驚きと発見に満ちた
 旅なのである」と。

 ラウシェンバーグの作品を見て、その次から未知なる旅だった・・。
 カリン・サンダーの<見せる>という作品。
 ヘッドホンをして、音声を聞いていく。
 ただただ真っ白な壁。近寄ると、小さな文字で番号と名前が
 ずらーっと並んでいる。
 最初はよくわからないから、番号順に丁寧に聞いていく。

 チンパンジーについて、
 心の風景について
 糸の声を聞く
 文句無しの芸術作品
 ジョンケージ4分33分
 山水画
 終わりなき日1949
 結界
 鳥のさえずり
 誰かいませんか
 土の声
 エリックサティ
 見るということ
 第5楽章

 2分くらいの音声の行列・・・・・・
 143もある!!
 143×2分=286分!!
 嫌がらせか(笑)
 気づいた頃にはめっちゃくちゃ時間が経ってた・・・・。
 そして疲れていた(笑)
 まだ4つ目の作品なのに・・・・。
 短くてもすべての番号のボタンを意地でも押す強情な山本。
 最後の方はもう修行だった。

 「聴く」ことで想像を膨らませ、何かを「見る」。
 脳裏に浮かんだイメージの集合体がもう一つのコレクションだと。
 カタログに書いてあった。


 
     大竹伸朗 <時憶>

 自分も自分の時憶作品作ってみたいな〜なんて思ってしまった。

 みんなが書いた落書き帳ででもやってみようかな(笑)

 


 そして・・・思いがけず出会ったのが<フローラ>
 ヴェネチア・ビエンナーレのスイス館のために制作された作品。

 30分ある映像作品で、途中から座ってみはじめる。
 なんと登場人物はジャコメッティの恋人、アメリカ人彫刻家の
 フローラ・メイヨの息子だ。

 2017年のジャコメッティ展、今年観たジャコメッティの映画、
 そして今回のジャコメッティの不在をテーマにしたスイス館の作品。
 言いようのない親しみをジャコメッティに感じてしまうわー。


 

 観るのが(聴くのが)すごく大変で、長時間かかったけれど、
 本当の旅のように、終わってみればほんの一瞬だったとも思える。
 
 きっと人生もそんなものなんだろうなーと。
 思う。
 


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