ゆるっと回想展覧会3
ジョルジョ・モランディ 終わりなき変奏
Giorgio MORANDI
2015/12/8-2016/2/14 兵庫県立美術館
2016/2/20-4/10 東京ステーションギャラリー
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この展覧会が開催されていた時、世の中のファッションはミックス&マッチが流行していた。いろんな柄や色や素材を合わせている生徒に、モランディーの絵を見せて、こんなんにしたら??と冗談で言っていた。それから5年経った今、学生たちはベージュと白と茶のさまざまなヴァリエーションを着ている。羊飼いみたいだとからかうと、ラテコーデです!って怒られた。いや、密かにモランディーだろそれはって思う。
何年経っても、この間見たんじゃないかと思う展覧会がある。そのうちのひとつがモランディー。
パッと見た時は整然としていて、秩序正しく厳格な感じがする。だけど近づいていくと、想像もしなかったような揺らぎやブレ、歪みが存在する。それがホッとするところでもあり、モランディーワールドへの交信スイッチでもある。
激動の20世紀において、ピカソやマティスがさまざまにスタイルを変える中、「変わらない」世界をあえて選んだ人。
大きく変わらないけれど、わずかに変化するモランディー絵画と向き合っていると、美学や哲学の深奥に触れたかもしれないという喜びが、静かにこみ上げてきて、それがいつまでも身体に沈んでいく。
こんな画家、いない。
兵庫県立美術館であまりに感動したから、ステーションギャラリーでも観た。空間が違うと、また全然違う表情を見せてくれた。
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音楽はアルヴォ・ペルト の「鏡の中の鏡」
(インスタしか音楽ありません)
たった3音のドファラのアルペジオが静かに繰り返され、弦楽器がさりげなく入ってくる。その繰り返しの中に、無限の広がりを感じる。決して盛り上がることはない美しい音楽。自分の中でペルトとモランディは同じように自分の中に存在する。
こちらほヴィオラバージョンです。
ヴァイオリンやチェロもあります。
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