書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

猪遂良・雁塔聖教序(653)

2006-07-21 07:28:39 | Weblog

インドから戻った三蔵の為に太宗が自ら与えた序文、
猪遂良が筆を取った。
虞世南、欧陽洵を飛び越えたと言っては語弊があるだろうか。
虞世南、欧陽洵、そして従来の猪遂良をも越脱した書に思える。
修行、研鑚を尽くした上での自由奔放とでも言おうか、無の境地すら感じるのだ。
優雅繊細な趣の中に強烈な意思の力が底に有る。
見掛けは大らかで優しいが、気力を尽くして書いたに違いない。
今、尚、大雁塔の正面を飾る。