書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

猪遂良・孟法師碑(642)

2006-07-17 08:10:02 | Weblog

孟法師碑(642)
48歳の作、
59歳の作の雁塔聖教序との余りの書体の違いに唖然とする。
書法の研究へのひたむきさが覗える。
欧陽洵の書に比べ横幅が若干広く若干の丸みも覚え、全体として余裕のある、
ゆったりとした温かみを感じる。
その中に何がしかの重厚味が漂う。

欧陽洵・九成宮醴泉銘(632)

2006-07-09 06:42:22 | Weblog

太宗が避暑に訪れた九成宮の一隅に甘美な湧水を見出し、
これを記念して建立した碑、欧陽洵76歳の書作である。
故宮址に原石が残る。
古来、「楷法の極則」と称される。
重厚な筆致で揺るぎ無い構築性を誇る。
前作、化度寺ヨウ禅師塔銘の一年後の作であるが、
突然変化とも言える変貌を遂げている。
これは書の目的に因るのであろうか。 

古今の名だたる書家でこの九成宮醴泉銘を完璧に臨書出来たと豪語した人は居ない。
まして、我々なんぞが何をかいわんや、だ。