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次の日、また上級生につかまってしまった。学校の帰り、数人が守を通せんぼした。
「また、会っちゃったな。昨日は、俺の怒りの5分の1……しかし、俺は暴力はこのまな
い、残りをお金で支払えるようにした。今日は持ち合わせがないだろうから、一週間待っ
てやる。じゃな」
そういうと、上級生と仲間たち(中学生みたいだった)はすれちがった。そのとき、ひ
とりが守の足に自分の足の爪先をちょっとひっかけた。
「あ、ごめん、俺の足がかってにやりやがった」
守は歩道の上でころび2回転ぐらいし、電柱に頭をぶつけとまった。
「大丈夫か」ちょうど通りすがったおやじがかけよってきた。
「やばい!」そういうとみんなは逃げて行った。
「まったく、何てことしやがる、餓鬼どもが」そのおやじは、そういいながら守を起こし
た。
「だ、だいじょうぶです」
「そうか、ちょっとこぶが出来ているが、出血はないようだから……めまいとか起こした
ら、すぐに医者に連れてってもらえ。内出血してたら大変だからな」
おじさんはそういうと、どっかへ行ってしまった。
守は家に着き、鍵をあけ、中に入るとテレビのスイッチを入れようとした、しかし、目
の前が暗くなりソファーで横になった。
「なんで、こんなところで寝ているの、バカね」と言う言葉で守は目を覚ました。
母親のその言葉に何とも言えないいやなものを感じ、守は額のこぶを見せないようし、
二階へあがっていった。自分の部屋に入ると、ベッドにもぐった。そのとき、また、めま
いがし、また気を失ってしまった。
「いつまで寝ているんだ、飯にしなさい」久しぶりに定時で帰ってきた父親が言った。
ゆすぶっても起きない守るを見、父親は不審に思いオデコの赤くなっている所を触って
みた。こぶが出来、かなり熱を持っていた。
「まずい、どっかで強く打ったんだ!」父親は、下に降りてゆき、母親に言った、「守が
怪我をしているじゃないか、どうしたんだ!」
「あ、それは昨日上級生に殴られて出来たものでしょう」
「何を言ってるんだ、額のこぶを見なかったのか、昨日の所じゃない」
「ええ!」母親は顔色を変え、二階へ上がって行った。そしてすぐに降りてきた。
「大変、救急車よばなくちゃ!」
「まったく、母親ならすぐに気付けよ!」そういいながら、父親は電話した。
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