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毎日新聞/三重版(2020/5/4)より引用です
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【土がなくても育つエアプランツ】#おうち時間@三重
御浜の南紀グリーンハウス代表・芝崎裕也さん
~花や緑で癒やされて~
鉢植えのように土がなくても育つ不思議な植物がある。
葉の表面から空気中の水分を取り込んで育つエアプランツだ。
御浜町上野の南紀グリーンハウスは、エアプランツを
100種類以上、栽培・加工している。
代表の芝崎裕也さん(58)は
「植物にはストレスを軽減する効果も期待される。
土が要らないのでガラス容器に入れたり、
壁に掛けたりして、部屋に飾ってみては」と提案する。
芝崎さんは商社マンとして10年余、海外や国内の園芸生産や
流通現場を渡り歩いた。
1995年に帰郷し、96年に同社を設立。
エアプランツの取り扱いを始めた。
エアプランツは夜に気孔を開いて空気中の水分を吸収する。
朝夕に風を伴って霧が発生するこの地は栽培に適しており、
品質は全国の取引先から評価されている。
同社は中米グアテマラのパートナー農場で
10年ほど育てたものを輸入し、主に首都圏や関西の仲買業者や
生花店、雑貨店などに卸してきた。
事態が一変したのが新型コロナウイルスの感染拡大だった。
各地で卒業式や結婚式などのイベントが軒並み中止や延期となり、
花の生産者には注文キャンセルが相次いだ。
同社も出荷先の休業が相次ぎ、出荷量は激減した。
予定されていた全国の展示会や園芸教室、講演会も全て中止になった。
「園芸業界の危機」と感じる芝崎さんが期待を寄せるものがある。
花の生産・流通の関係団体が提案しているキャンペーンで、
今年は5月の1カ月間を「母の月」にして、
分散して花を贈ろうというものだ。
毎年、「母の日」の直前に花の出荷、配送が集中するが、
混雑は感染拡大につながりかねない。
これを逆手に取り、「1カ月間かけて長く花を楽しんで」と
業界全体で呼びかけている。
機運が高まりつつある今、同社が提案するのは
エアプランツを雑貨と組み合わせた新アレンジや商品開発。
最近ではフェイスブックに母の日用にアレンジした木製壁掛けをアップした。
エアプランツと雑貨を接着剤でくっつけるだけなので、
子供でも簡単にでき、自宅で過ごす新たな時間の使い方になりそうだ。
芝崎さんは「新型コロナウイルスの終息後も業界が頑張れるよう、
今こそ家の中を花や緑で彩って」と呼びかけている。
おすすめのエアプランツと育て方
初心者向きなのはイオナンタ。
名前は「すみれ色の花」という意味。
丈夫で育てやすく、花もきれいで人気がある。
ホームセンターではSサイズで500円弱で販売されていた。
芝崎さんのおすすめは
「エアプランツの王様」とも呼ばれるキセログラフィカ。
葉が大きくカールし、存在感もある。
この季節は葉がほんのり紅葉する。
価格はホームセンターでは小さいサイズで3000円程度。
直射日光の当たらない明るい場所に置くとよい。
適温は15~25度。エアコンやヒーターの風が当たる場所は、
乾燥しすぎるので向いていない。
水やりは夜に行う。霧吹きなどを使って、週に2、3回が目安だ。
南紀グリーンハウス
同社
ホームページでは
エアプランツの種類や育て方、魅力を発信している。
卸売り専業で直売はしていない。
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グリーンは心の癒しとなってくれます