(Mon)
毎日jp(2018年7月22日こころの天気図)より引用です
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【 暑さが招く精神不調=東京大教授、精神科医 佐々木司 】
いつもなら「運動しましょう、歩きましょう」と勧めている患者さんにも、
今は「この暑さですから無理をしないで」としか言いようがない。
暑さによる脱水を心配して尋ねてみると、皆さん、水分補給は心掛けているのだが、
塩分補給は忘れている人が多い。
中には「血圧が高めなので塩分摂取は控えている」と答えた人もいたが、
暑い夏は汗で塩分が大量に失われるので、水分だけでなく塩分補給も必要だ。
「でも、この話って『メンタル』とは無関係では?」と思ったら、大間違いだ。
汗で塩分を失ったのに塩分補給せず水分だけ取っていると、血液の塩分濃度が低下する。
これは「低ナトリウム血症」と呼ばれる状態で、吐き気、頭痛のほか、
倦怠感や無気力などメンタル面の症状も表れる。
私の外来でも、暑さが本格化した先週は、だるさや無気力と吐き気を訴える患者さんが
多かった。
気候と関係があったのかもしれない。
なお、重度の低ナトリウム血症では、意識が混乱し錯乱状態になることもある。
研修医の頃、そういう患者さんを受け持ったことがある。
「メンタルの症状だから心が原因」と早合点してはいけない。
体の不調が原因の場合もある。暑い夏には低ナトリウム血症のほか、
やはり水分とともに失われがちなビタミンB1など水溶性ビタミン不足も起こりやすい。
熱中症にも要注意だ。どれも無気力や倦怠感がよくみられる。
水分・塩分は飲酒でも失われる。アルコールは利尿作用が強いからだ。
夏は冷たいアルコール飲料の消費が増すが、大量に摂取すると、
暑さを吹き飛ばすどころか、かえって倦怠感が強くなる。
メンタルの症状が体の問題で起こるのは、夏に限らない。
例えば、だるさや意欲の低下は、貧血や甲状腺機能障害などでもよく表れる。
低ナトリウム血症もそうだが、
これらは血液検査などで比較的簡単に見つけることができる。
最近では、食生活の偏りによるビタミン不足も問題となっている。
暑くて食欲がなくなり、面倒だからと主食だけだったり
カップラーメンばかりだったりの食事をしていると、
神経も弱ってしまう。
もちろん、不規則な生活や睡眠不足の影響も大きい。
この夏は、サッカー・ワールドカップ観戦での夜更かしと猛暑が重なり、
ダブルパンチとなった人も多いだろう。
生活に十分注意して夏を乗り切ってほしい。
※毎日jpより
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水分補給と共に塩分補給が大切なのですね
薄味料理に気をつけていたけれど、
こういう時期は「料理に塩分を」の心掛けも必要な様子