ドナウ河は小生のこれまで生きて来た人生の中で非常に馴染みの深い川であった。
その袂で何年も働いてきたし、川の匂いが吸えるほどの傍らにも住んでいたこともあった。
当然、幾つかドナウ河に近接する街にも旅してきたものである。
旅の終りにドナウ河の源流から黒海に注ぎ込むまでの道のりを辿ってみたいとは兼ねがねの思い
であった。 棺桶に片足を突っ込んだ歳になって踏破できるかは甚だ、自信のないところだが、
無理せず何回にも分けてチャレンジするならば可能かも知れない。
初回はドナウ河の源流から始めるが、ドイツの黒い森からルーマニアの黒海までの全長2840 km
は、ヴォルガ河に次ぐヨーロッパ大陸第2位、必ずしも上流から順番通りいかないことはご容赦
願おう。
さてドナウ河の源流のある所というのは2カ所あって、どちらが正しいのか明確になっていない。
1.源流その1: フルートワンゲン (Furtwangen) 地域の黒い森の中
森の中に佇む小さな教会 (Martin kirche)の脇を通り、通り抜け出来ない方の道を進む。
突き当たった所にあるKolmenhof Hotel の下がドナウの源流である。
石像(なんという人物かは不明)の下より湧き出る水が源流と云われている。
これがブレク (Breg) 川の源流でもあり、ドナウ河の源流とも云われている。
ブレク川がドナウ・エシンゲン (Dunaueshingen) まで流れ下り、ブリガッハ (Brigach) 川
と合流した地点をドナウ河の起点とする。(源流と言うより起点と言った方が適している)
2.源流その2:ドナウ・エシンゲン (Danaueshingen) の庭園内にある泉
街中のフェルステンベルグ宮殿の庭園内
ここからドナウ河は 2840km を流れると表示されている。
上記のドナウの泉がブリガッハ川に注ぎこむ箇所
ドナウ河という名前になるのはここからであり、起点と云えるだろう。
向かって左側からブリガッハ川、右側からブレク川が合流する。 まだ小川の広さである。
<ロケーション>
ドナウ・エシンゲン地図
日本の詩人斉藤茂吉が1924年4年19日にここを訪れた。彼の生まれ故郷蔵王山の麓の町
上山市とは姉妹都市になっている。
3.聖ヨハン教会 (St. Johann kirche)
ドナウの泉の隣なりにあるローマカトリック教会で1724~1747年にバロック様式で
建てられ、現存の物は2007~2009年に改修された。
これにて「ドナウ河岸歩き(1)源流」は、お終いです。
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