ブダペスト市内を循環するバスには今、どのようなメーカーと車種が運行されているのか、
俄然興味が湧き市内を散策してみることにした。 よってこの情報は2019年3月時点のもので、
掲載した写真も特記した以外は3月2~3日に撮影したものである。
下記に列記する順番は、概ねBKV(ブダペスト交通局)のメジャーなメーカー順になるかと推定。
1.メルセデスベンツ (Mercedes-Benz)
● オーブダ (Ó-buda) を走る “シタロ (CITARO)-G”
2016年より導入された3軸の連節バスで、座席42人+立ち46人乗り、
Mercedes OM407(10.7L)265kw出力 エンジン搭載
● アルパード橋 (Árpád hid) 沿いを走る “シタロ (CITARO)”
2012年より導入された2軸のソロバス、座席28人+立ち40人乗り、
Mercedes OM906(6.4L)205kw 出力エンジン搭載
● バッチャーニ広場 (Batthyany tér) で出発を待つ “シタロ (CITARO)”
● ゲッレールトの丘 (Gellért-hegy) 下を走る “シタロ (CITARO)-G”
● デアーク広場 (Deák tér) で出発を待つ “コネクト (CONECT)-G”
2015年より導入された空港行き直通バス100E、3軸連節バス、148人乗り、
Mercedes OM470(10.6L) 265kw出力 エンジン搭載
2.ボルボ (Volvo)
● 空港行きバス100Eのもう一つの車種 “Volvo 7700A”
3軸連節バス、104人乗り、Volvo D9B (9.4L) 265kw出力 エンジン搭載
● ゲッレールト広場 (Gellért tér) 前を走る “Volvo 7700A”
● オーブダのセントリーレク広場 (Szentlélek tér) に待機する “Volvo 7000”
2015年より導入された、2軸ソロバス、座席30人+立ち57人乗り、D7C(7.2L) 199kw
● バッチャーニ広場 (Batthyany tér) の “Volvo 7000”
3.MAN(マン)
ドイツ(ミュンヘン)が本拠のトラック、バス、建機等の大型車両メーカー
● オーブダのセントリーレク広場 (Szentlélek tér) の “MAN ライオンシティ”
2018年より導入されている低床、低エントリー2軸ソロバス、座席37人+立ち47人乗り、
MAN D1556 (9L) 205kw 出力 エンジン搭載
4.ヴァンフール (Van Hool)... ベルギーのバスメーカー
● アンドラーシ通り (Andrássy-út) を走る “Van Hool AG300”
2009年より導入されている3軸連節バス、103人乗り、MAN D2866(12L) 228kwエンジン
5.カルス社(トルコのバスメーカー)
くさり橋~王宮を巡る観光客に人気の通称城バス(#16)に使われている中型バス
● The Ritz Carlton Hotel 前に待機する “カルサン・アタック (Karsan Atak)”
2015年からの導入、2軸ソロバス、座席23人+立ち18人乗り、Fiat NEF4(4.5L) 137kw
● Four Seasons Hotel 前を抜け、くさり橋を目指す “カルサン・アタック”
6.ネオプラン・ポーランド (Neoplan Poliska)社
● ウルシュ・ヴェゼール広場 (Örs vezér tere) の “Solaris Urbino 10”
2014年からの2軸ソロバス、座席25人+立ち34人乗り、IVECO F4AE(5.9L) 177kw
Feb. 17 2019
7.Evopro Modulo Medio Electric社(ハンガリー)
ハンガリーで開発された電気バスをBKVが、2016年春より20台購入しブダペスト
市内路線で実用供試中。
● くさり橋を渡る “Evopro Modulo Medio ”
● バッチャーニ広場で出発を待つ “Evopro Mudulo Medio”
8.トロリーバス
トロリーバスは、ペシュト側の道路上空に架線の設置された所のみの運行である。
2006年頃までは、イカルス製バスを多く見かけたが、現在はそれに替わる次の2車種が大半。
● Solaris-Skoda Trollino-12
Solaris とはポーランドのバスメーカーで、前出のNeoplan Poliska社製のバス名である。
Skodaはチェコの乗用車メーカーでドライヴモータ(160kw出力)を提供している。
2軸ソロバス、69人乗り Feb. 17 2019
東駅 (Keleti pályaudvar)で出発を待つ “Trollino-12”
● Solaris-Skoda Trollino-18
3軸の連節バス、139人乗り、Skodaドライヴモータ 250kw出力 Feb. 17 2019
ウルシュ・ヴェゼール広場 (Örs vezér tere) で東駅まで折り返す “Trollino-18”
● イカルス (IKARUS)・バス ....まだ残っているかも知れないが未確認
3軸連接バス Ikarus-GVM280T 2軸ソロバス Ikarus 412T
Net wikipediaより写真拝借
<補足>
ハンガリー国内には、イカルスというバスを製造していた老舗メーカーがあり、東側共産圏の
国々にも数多くバスを提供していた。 地方に行けば、まだ生きていると思うが、残念ながら
ブダペストではその雄姿を見ることは出来なかった。
1895年に鍛冶屋のワークショップから、Imre Uhry が創設し、2度の世界大戦を乗り越え、
共産社会で繁栄してきた話はハンガリーの立身出世伝としてよく知られている。
実を言うと、もう20年以上前になるが、イカルスの工場 (Székesfehérvár)の社員食堂を
3ケ月ほど使わせて戴いたことより、一宿一飯の恩義もあって、その後のアイリスバス(仏)
による1999年の買収、2003年の工場閉鎖ニュースには、我が身のことのように心が痛んだ。
そこでイカルス・バスを探しに、かつての本拠地であったSzékesfehérvárに行ってみた。
セーケシュフェヘルヴァールは、 Alba Volan社がバス運行の業務をやっており、2軸のソロ
バスの殆どがイカルス・バスでしっかり活躍していることにポッコリした気持ちになった。
Ikarus C56.42V2 という車両で、座席44人+立ち32人乗り、 デトロイトディーゼル
DDC-S50 (8.5L) 205kw出力エンジン搭載。
これにて「ブダペストのバスたち」は、お終いです。
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