撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

トリエステの街と教会

2018-01-07 12:04:27 | 海外生活

サン・ジュスト城より、梢の間から垣間見たトリエステ海岸寄りの市街地。

                                                                                     訪問日 01-Jan.-2018 

サン・ジュスト城にいたる長い階段上から眺めたゴルドーニ交差点付近の市街地

トリエステの街って、

 1.隣国(スロヴェニア)の領土に、細長く海岸沿いに食い込んだ複雑な国境形状は、

   ハンガリーのショプロンの街を彷彿させられる。 共に第一次世界大戦後の母国

   への帰属意識から隣国と争い、母国復帰を果たし今の町づくりをしてきた。

 2.古くはアドリア海いちの商港として栄え、オーストリア=ハンガリー帝国の治世

   時代には軍港、アドリア海のウィーンと呼ばれ絶頂期を謳歌した。

 3.この地をヴェネツィア・ジュリアと呼び続けイタリアへの帰属意識に燃え、東欧

   の玄関口として重要な拠点であったが、今はイタリアの単なる東端の歴史ある古

   いだけの港湾都市の一つになってしまったジレンマ。

といった歴史的背景と生き様に少なからずの興味を抱いてしまう街である。

 

<ロケーション>

ハンガリーからトリエステに入るには、通常4通りのルートが思い浮かぶ。

 ① オーストリアルート ② リュブリャナルート ③ クロアチアのリエカを上がるルート

 ④ クロアチアのアドリア海沿いを通るルート  

いずれのルートも美しい風景と整備された高速道路で快適なドライヴになることは間違いない。

 

<街の見どころ;壮麗なウィーン的な建造物>

● トリエステ中央駅(鉄道)

       この近辺に駐車場がいっぱいあるため、クルマならばこの辺がお薦め。

 

● カルチョッテイ宮殿 (Palazzo Carciotti);

   1805年に建てられたネオクラシック様式の建築。現在はオフィスや家屋として使用。

 

● 商工会議所;ショッピングの中心ボルサ広場にあり、1806年ネオクラシック様式の建築。

 

● イタリア統一広場 (ウニタ・ティタリア広場);

 左手前が、ゴヴェルノ宮殿(県庁舎):1905年の建築

 右手前が、ロイド・トリエスティーノ宮殿 ;おそらく1900年初期

 正面が、市庁舎 : 1875年の建築

 

<見どころ;イタリア統一広場からのアドリア海>

● モニュメント「4大陸の噴水」(1754年建設)を通した海岸風景;

     当日は曇天につき、美しい街の印象を損なわない為に晴天時の写真を使った。以下3枚 (撮影 18-Aug-2009) 

 ● イタリア国旗を縫う「トリエステの少女」像(1964年建築)を通した海岸風景;


● オーディセ桟橋(長さ246m)から母国イタリア方向を望む海岸風景;


<見どころ;歴史的、宗教的建造物>

● サン・ジュスト大聖堂 (Cattedrale di San Giusto);

  かつてのローマ神殿のあった場所で6世紀には既に存在し、9~11世紀にかけて2つのバジリカ

 が建設された。 一つは被昇天の聖母へ、もう一つは聖ユストウスへの献堂であったが、14世紀に

 ひとつに合併されて現在に至る。 よって大聖堂は二つを合体した構造になっている。


      正門の柱に飾った聖徒たちの石像

   


 内部祭壇


  天井に飾った黄金のモザイク


 隣にあるサン・ジュスト城


● サンタ・マリア・マッジョーレ教会とサン・シルヴェストロ教会;

 共に市庁舎とサン・ジュスト大聖堂との間付近に、お互いが隣接している。

 左;サンタ・マリア・マッジョーレ教会 (Santa Maria Maggiore)

         1620年にイエズス会によってバロック様式で建立された。

   


 右;サン・シルヴェストロ教会 (Basilica di San Silvestro)

        福音教会とも呼ばれ、トリエステで最も古い教会でオリジナルは12世紀に造られた

   と云われ、現在の物は1927年の地震の後に復元されたものである。

        


● サンタントニオ教会と聖スピリドン・セルビア正教聖堂;

正面;サンタントニオ・ヌオーヴォ教会 (Sant'Antonio nuovo)

     大運河の終端に鎮座するトリエステで最も大きな教会で、1808年に6本柱のネオクラシック。


右;至聖三者聖スピリドン・セルビア正教会聖堂(正式名)

 オリジナルは1756年に建てられたが、信者の急増で1868年に現在の形に再建(ビザンチン様式)

● 聖ニコラス・ギリシャ正教会 (San Nicolo dei Greci); 

 オーディセ桟橋の大通りを挟んだ向かいに1787年に、左右対称のファサードは1821年に追加。


● ロマーノ劇場; サン・ジュスト城の麓に在り、碑石よりローマ帝国第13代皇帝トラヤヌス

      (在位98~117年)の時代のもので、1814年に発見、1930年までに現在の姿に復元。

     建設時期は1~2世紀の間と推定されている。


           これにて、「トリエステの街と教会」はお終いです。


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ザグレブの教会

2018-01-04 15:07:28 | 海外生活

ハンガリーからクロアチアの首都ザグレブへは、急ぐ旅でなければ、鉄道が一番だろう。

ブダペスト南駅からシオーフォク経由で、ICを使い、乗車前に買い込んでいけば

飲み鉄旅も十分満喫でき、酔ったら、うたた寝してもザグレブ中央駅は終点である。

毎日朝夕2便運行しており、所要時間は、ブダペスト南駅から6時間、シオーフォク駅

から4.5時間、何と言ってもMAVの数ある路線でも、1,2の風光明媚な自然の中を 

走ってくれる。  (訪問日 29-12-2017)

 

◆ 出発のシオーフォク (Siófok)駅

 Siófok 7:57発~Zagreb 12:38着(Budapest 南駅 6:35発)

 

◆ 到着ザグレブ中央駅構内

 

<市街地マップ>

  

 

◆ ザグレブ中央駅とトミスラヴ王広場(冬場はスケートリンクとして開放)

 

◆ プラスカ通りを走るトラム(クリスマス飾り車両はブダペストと同様な趣向)

 

ザグレブ・アイの16階屋上カフェからの眺め

 ● 北東の方角: 聖母被昇天大聖堂と聖マリア教会、聖フラーニョ教会

 

 ● 東真下には: イェラチッチ総督広場

 

 ● 北の方角:聖マルコ教会

 

 ● 南の方角:ザグレブ中央駅

 

<聖母被昇天大聖堂 (Katedrala Marijina Uznesenja)>

 

  

 

  門柱に飾った石像群は一見、ゴシック調(ネオゴシック)

  

 

 祭壇には、多くの美しいステンドグラスを使っている。

  

 

<聖マリア教会 (Sv. Marije)>

手前にあるのが、昔から庶民の胃袋を満たしてきた「青果市場」で教会入口と繋がっている。

ここには13世紀に建てられたシトー派の修道院があり、18世紀に聖マリア教会として再建。

 

<聖マルコ教会 (Crkva sv. Marka)>

  ケーブルカーでゴルニィ・グラードの丘(旧市街)に登ると行政官邸の間に鎮座する。

 13世紀にロマネスク様式で建てられ、14世紀には礼拝堂と鐘楼が追加された。

 1880年の大火災の後に、ネオゴシック様式で再建された際に、カラータイルの紋章が

 屋根に敷かれた。(クロアチア・ダルマチア王国とザグレブ市の紋章が並んでいる)

 

 聖徒達の石像を飾った一風変わった正門(これがネオゴシック?)

  

 

 教会内部には、ステンドグラスと大きなフレスコ画をあしらった祭壇。

 

ケーブルカーと見下ろす市街地

 

◆ 登りきった所にそびえるロトゥルシュチャク塔は、13世紀に建てられた見張り塔。

  

  

<聖カトリーヌ教会 (Sv. Katarina)>

 1632年にイエズス会によってバロック様式で建てられた。隣には修道院もある。

 

東隣なりの広場から眺めた最も高いビルがザグレブ・アイ。

 

<聖フラーニョ教会 (Sv. Franjo)>

 聖母被昇天大聖堂前の道路を北に歩くと左側にある教会で、現存のものは1880年の

 大火災の後に、ネオゴシック様式で再建されたものである。

  

 

     これにて、「ザグレブの教会」はお終いです。

 

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