「サトルですか？」②

…するとぉ、Sが座っている運転席の右側の窓が

コンコン！コンコン！

誰かが窓叩く音がした…
….で、見ると雨で濡れた窓越しに女の人がいましてね

窓を少しだけ開けると
虚ろな顔で、こう聞くんですよ…


「…サトルですか？」


…意味のわからない質問ですよね？

その女はサトルと言う人の顔を知らない事になる…
顔もわからない男を探してどうするのかなぁ…

そう不思議に思ったんですよ。

で、Sは意味の分からない質問を尋ねられたからか
おたおたとして、答えない…

…でもその間もずぅっと聞いてくるんだ

「サトルですか？…サトルですか？…」

何だか気味の悪い女だなぁと思ったんで…

「違う違う！サトルじゃないよ！」

おたおたしてなかなか答えないSに代わって、
私がそう答えたんですよ…

そうしたら女は
「………そうですか…」
って言ってね

車の前を通り過ぎて助手席に座っている私の左側に背を向ける感じで
フラフラと歩いて去っていった…

何となくその後ろ姿を見たら…
ギョッとしましたねぇ…

小雨がサッー…と降る夜にですよ
傘もささずにずぶ濡れな挙句…
靴も履いてないんだ…

靴下だけ履いて、小雨が降る夜の街を一人で歩いている…

サトルという男を探しながらね……



……あの女は…もしかしたら…
…人間じゃなかったんじゃないかって……

どうもね……
…そんな気が、するんですよねぇ…

………ドーンッ‼︎

「サトルですか？」①

…これもかなり昔の話なんですがねぇ
友人のSと夜にドライブをしていた時の事でしてね…


Sは免許も取って車を買ってから、よく私をドライブに誘ったんですよ。

私も当時、ヒマな男でしたからねぇ
当ても無いドライブによくついて行ったんだ…

で、その日は生憎の雨でしてね
小雨がサッーと降る夜でしたよ…
Sがあてもなく車を走らせて夜の道を進んで行った…

とまぁ、なんやかんやでK市に来てましてね…
色んな脇道に入ったりして、探検気分でドライブしていたんですよ。

街灯もまともに無いような田んぼ道とか、狭い住宅路とかね

グルグルと車を走らせていた…

…でぇ、気がつくとよく知ってる県道に出た。

脇道から歩道を跨いで、車通りもそこそこある県道が目の前にある…

「じゃあもう、ここまで来たなら戻ろうか」
そんな感じでね、本線に合流しようと車が途切れるのを待っていたんですよ…

Hトンネル ②

…でぇ、暗いトンネルも物の数秒で通り過ぎた…

このトンネルなんですが、近辺では確かに有名な心霊スポットで凄く怖いと評判があったものでね…

それが、あまりに呆気なく通り過ぎてしまったもんだから…
少々拍子抜けだったんだ、

Sも…「こんな、もんなのか」
とか言ってたと思うんですよ…

私もね、昼間で外が明るかったってのもあって

「なんだ…大して怖いとこじゃないなぁ…」

そう言ったんですよ…
そしたらね、そう言った矢先

…「なんだ…お前ら」

車内のスピーカーから、そう聴こえた…

おやぁ？と思いましてねぇ
明らかに今聴いてる歌手の声と違うんだ…

で、気になったもんでね
今流れてる曲を頭出しして、聴き直した…

でも、そんな声は入ってなかったんですよ….

Sにその事を聞いても、そんな声は入ってないと言う…

…………昔ね、若い頃に…
………………そんな経験を….…
…したんですよねぇ…


……ドーンッ‼︎

Hトンネル ①

…若いうちっていうのは、運転免許を取ると、あっちこっちにドライブに行ったりするもんですよねぇ…

私も18～9歳でぇ、免許を取ったんですが
私より一足先に免許を取って車も買った友人が居ましてね。

で、まぁその友人のSなんですが…
当時、よく私のうちに遊びに来ましてねぇ…
夜通しでゲームをしたり、ドライブに行ったりと…よく遊んだんだ

…ええ、時にはケンカもしたりもしたんだけどもぉ
….なぜかよく遊んでた

でぇ、そんなある日に
Sとドライブをしていたんですよ、昼間にね…

隣町の田舎道を当ても無く車を走らせていましてね、そしたらSがね

「ここら辺にあまり使われていないトンネルで、心霊スポットがあるから行ってみよう」

そう言うんですよ、
トンネルってのは心霊スポットの場所によくなる場所ですからねぇ…

特に何もなくても…
廃トンネルや、人気のないトンネルになると色々な噂が立つもんなんですよ…

…で、私もあんまり乗り気では無かったんだけども
昼間で明るいってのもあってぇ…

行ってしまったんですよねぇ…

なんやかんや話しながらドライブしていると…
目的のトンネルに着いた…

確かに人気があまりなくて、寂しい雰囲気なんだけども…
昼間ともあってあまり怖くはなかったんだ…

照明もまともについてない、トンネルに車が入っていく…
トンネルってのは音が響きますからねぇ…

Sが運転する車の音と、車内で聴いてる有名バンドのCDの曲だけが聴こえてくる…

ウィンドブレーカーとダブルストック

いや～買ってしまった、10％OFFって事でね♪


ダブルストックは嫁さまと山に行く時に使ってもらうとして
自分一人で行く時なんか貸してもらおうとねw
共同使用という事で購入を許可してもらいました‼︎

お金がスゥ…と消えるんだよね
山の道具はw

だけど後悔したものは無く、有効活用するから高価でもついつい手を出してしまうのですわ。