最近では、ウルトラマンシリーズに出てきた怪獣や宇宙人たちは、作品に出てきた時の本来の「悪さ」「強さ」「凶暴さ」の持ち味よりも、愛嬌のある愛すべきキャラクターとして、CMなどに出てくることが多くなった。
時には、可愛くデフォルメされて、可愛い存在として扱われていたりもする。
そうなると、どこかアイドル的な存在にもなっていたりする場合もある。
それらのウルトラ怪獣や宇宙人を見ていて、ふと思うことがある。
CMで愛すべき存在として扱われたり、イラストなどでアイドルのようになっているウルトラ怪獣や宇宙人は、圧倒的に「ウルトラQ」や「初代ウルトラマン」に出てきた怪獣や宇宙人が多いということ。
たまにウルトラセブンのメトロン星人なんかもそういう扱いを受けることがあるが、メインは「ウルトラQ」や「初代ウルトラマン」に出てきた怪獣・宇宙人たちである。
具体的に名前を書くと・・
カネゴン(ウルトラQ)
ガラモン(ウルトラQ)←ただし、初代ウルトラマンに出てきたピグモンの場合も。
バルタン星人(初代ウルトラマン)
ダダ(初代ウルトラマン)
このへんはちょくちょく見かける。
カネゴンなどは、本来の物語でも風刺的・教訓的な存在で、怖い存在という扱われ方ではなかった。お金にがめつい人間が、あまりに強欲なために変身してしまった、ユーモラスな姿であり、そこには風刺がこめられていた。
ガラモンの着ぐるみは、初代ウルトラマンで人間の味方的な存在のピグモンとしても登場したので、これまた怖いイメージはなく、むしろ愛すべき存在だった。
だからカネゴンやガラモン(ピグモン)が、愛嬌のある存在として扱われるのは、まあ分かる。
ただ、バルタン星人やダダは、人間にとって「敵」として登場した存在だ。人間にとって本来「悪」であったのだが、いつのまにかCMなどで愛すべき存在になっているのは、バルタン星人はウルトラシリーズに何度も登場してきた、お馴染みの存在だからかもしれない。また、そのルックス(デザイン)の元々の秀逸さもあるだろう。
一方ダダは?決してそのルックスは可愛いとは思えないし、いい奴そうでもないし、ましてや人間の敵であったのに。ダダの場合は、まずその名前も面白いし、見ようによってはコミカルなルックスでもあった。たらこ唇だし(笑)。また、ああいう顔に似た人間も実際にいそうだし(笑)。そんな点が買われたのかもしれない。
メトロン星人は、モロボシダンと日本の狭いアパートの中で対面したこともあったが、そんな庶民的な(?)要素に、親近感を持たれたのであろう。
こうして見ると、「ウルトラQ」や「初代ウルトラマン」に出ていた怪獣や宇宙人が多い。
「帰ってきたウルトラマン」以後のウルトラシリーズに出てきた怪獣や宇宙人をあまり見かけない。
それはなぜだろう。
それだけ、ウルトラQや初代ウルトラマンに出てきた怪獣や宇宙人のデザインが秀逸だったということなのだろうか。
ウルトラシリーズは、もう何十年も続く不滅のシリーズになっているし、そのシリーズに出てきた怪獣や宇宙人の種類や数は、もう膨大な数になるだろう。
でも、デフォルメ化されたりして、愛すべきキャラクターとして復活し、定着している怪獣や宇宙人の数は・・そんなに多くはないような気がする。
やはり・・シリーズの最初の頃に出てきたキャラというのは、印象度が高いのかもしれない。
私がウルトラシリーズを毎週楽しみに見ていたのは「帰ってきたウルトラマン」ぐらいまで。
それ以後は、私の年齢が上がるにつれ、見る機会は減っていった。
チャンネルをつけたらたまたま最新ウルトラシリーズが放送されてて、それを何気に見ることがあったぐらい。
なので、私にとっても、ウルトラ怪獣・宇宙人は、初期のキャラのほうが馴染みが深い。
なので、初期怪獣や宇宙人がデフォルメ化されて、親しみのあるキャラとして復活してくれるのは楽しいことではある。馴染みがあるから、なおさら。
でも、その一方で、バルタンやカネゴンたちと肩を並べる怪獣・宇宙人が登場してこないのは、ちょっと寂しい気がする。
というか・・・バルタン、カネゴン、ピグモン、ダダたちが、それだけ魅力があった・・ということなのかな。
少なくても、インパクトは相当なものだった。子供たちがマネしたくなるような愛嬌もあった。
子供たちがマネしたくなったり、マネしやすかった・・という点は、何気に大きいと思う。
幼い頃にモノマネした怪獣や宇宙人は、心に深くインプットされたと思うし。
もちろん、それは正義のヒーローにも言えるわけで。
そういうのがあったからこそ、彼らに魅力や愛情を感じるファンがやがて子供から大人になって、次世代に受け継がれているのかもしれない。
もし、最近や今後のウルトラシリーズに出てくる怪獣や宇宙人で、今後も長く愛されていくキャラを生みだすなら、子供たちがマネしたくなったり、マネしやすかったりするキャラの怪獣や宇宙人を登場させるのが大事なのかもしれない。
かつてカネゴン、バルタン星人、ガラモン(ピグモン)、ダダなどがそうであったように。
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