ここ数年のコミックの中で、特に私のお気に入りなのが「ブルージャイアント」。
ますます目が離せない展開になっている。
主人公の大が最初に組んだグループ「ジャス」のメンバーの1人で鍵盤奏者のユキノリの顛末には、当初私はあっけにとられたし、なにやら作者に「ユキノリに、なんてことをするんですか?!」「他の展開はなかったのですか?」「そりゃないよ・・」と言いたくもなった。
あくまでも主人公は大であり、その大を先に進ませるための展開だったのだろうけど、衝撃的ではあった。
そう、あまりにもショックな展開ではあった。
ただ、その後、欧州に舞台を移した大の活動もまた面白くて、目が離せないし、なにやらワクワクもする。
それはそれでこの先が楽しみ。
でも、この先どういう展開になって、それが面白いものであったとしても、私はユキノリには将来的に、なんらかの形で復活、再登場してもらいたい。
というか、そうなりそうな気はしてるのだけど。
この作品をここまで読んできて、ユキノリに感情移入したファンも多いはずだから。
こういう音楽ものというのは、以前にもこのブログで書いたとは思うが、映像化は難しいと思う。
現実の「音」が作品中で大きくからんでくるからだ。
映像作品を作る場合、大たちの演奏や曲を、実際に音にして再現しなくてはならない。
荒唐無稽な魔球や、現実離れしたアクションなどならCGで作れる。
音楽も、単なる音楽だけならデジタルで作ることもできる。
だが、生きざま・感情・人間性から発せられる音は、デジタルでは表現しきれないと思う。
大の出してる音は、おそらくそういう音のはずだ。
なので非常に難しいことだとは思うが、この作品を映像化した作品が、無性に見てみたい。
大の出す音、演奏は、リアルに表現・・というか再現するとなると、どういう音になるのだろう。
コミックだと実際に音が出るわけではないから、読者1人1人がそれぞれのイメージで演奏を想像するのは楽しい。
それを映像化の時に、その演奏のイメージを固定してしまわないほうがいいのかもしれない。
だが、音以上に、この作品のストーリーそのものが魅力ある。
大のキャラクターも好きだ。
その物語性の面白さゆえに、映像化したものを見てみたい。
で、進行する物語には、大の音が大きく関わってくるのだが。
もしもドラマでやるとなると、大を演じる役者さんは大変だろうな・・とは思うけど。
ちなみに、コミック内での大の出す音は、「力強く、太い音」ということになっている。
これまで音楽コミックでは、音楽ジャンルとしてはロックが多かった。
だが、この作品では、あえてロックではなく、ジャズであるというのは新鮮。
この作品がきっかけで、ジャズに興味を持つ人もけっこういるのじゃないだろうか。
私が最も好きなギタリストがジプシージャズのジャンゴ・ラインハルトであるということもあり、私はジャズは元々決して嫌いではない。
ジャズのアルバムも少しは持っているし、ライブにも行ったことはある。
一時は、ジャズアルバムばかり聴いてた時期もあった。
だが、所有アルバムや知識が、ロックやポップスに比べると、少ないのも確か。
それだけに、この「ブルージャイアント」が余計面白いし、新鮮。
ほんと、作品を読んでいると、絵から音が聴こえてくるようだ。そんな作品。
これからも主人公・大の熱い物語を追っていきたい。
この作品を読んだことがない人が、もし音楽が好きならぜひ読んでもらいたい。
圧巻の音楽コミックだから。
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