川の流れを見つめて・・・・という邦題をつけられた、ディランの曲があったが、今回「初の自主制作アルバム」である「空を見ていた。」のジャケットでは、川が風景のポイントのひとつ。
表ジャケットは、ズバリ、多摩川である。
裏ジャケットは、表ジャケットの写真よりもやや川に寄ったアングルで、セピアで撮った写真。
私は旅好きなので、初の自主制作アルバムのジャケには自然風景を活かした写真を使うことは、物心ついた時から決めていた。
旅に出ると、毎回様々な自然風景にリアルで出会えるのは最高の楽しみの一つだし。
だが、真っ先に使用したかったのは、地元・東京の自然風景だった。
私が住んでるのは東京なので、東京都内で自然風景を探すとなると、奥多摩方面あたりを選ぶ選択もあったかもしれない。
実際、奥多摩方面にはこれまでに何度も行っているし、私にとっては割とお馴染みの場所ではある。
だが、多摩川の風景は、奥多摩以上に私にとっては身近でお馴染み。
多摩川には、私は子供時代に友達同士だけで行ったりもしてたし、一人で行ったこともあった。
奥多摩となると、子供時代には一人で行ったことはない。
なので、私にとっての身近さという意味では、やはり奥多摩より多摩川に軍配があがる。
なにより、23区内にも、こんなにきれいな自然風景が東京にはある・・という意味合いも大きかった。
で、「空を見ていた。」のジャケットに話を戻せば、ブックレットの最終ページにも川が写った写真を使用。
ブックレットの最終ページは、どちらかというと、川よりも土手がメインになっている。
表ジャケットが川を遠景で見たもので、ブックレット最終ページは「川べり」の写真。
見比べてみると、表ジャケットの川と、ブックレット最終ページの川は、同じ川だと思う方が多いのではないだろうか。
だが、それは正解ではないのだ。
なぜなら・・・ブックレット最終ページの川は、東京を遠く離れた、信濃川だからだ。
そう、ブックレット最終ページは、信濃川の土手の上で撮った写真である。
多摩川と信濃川。
どちらも私には思い入れの深い川。
なので、どちらの川もジャケットに使用したかった。
で、こういうジャケット構成になった・・・というわけだ。
この信濃川の写真を撮った場所の近くには、昔・・・祖母の家があった。
かつて、「あの町を流れた信濃川」という自作曲を作ったことがあるが、まさにその歌の舞台となった場所の一つ。
となると、今回のアルバムに「あの町を流れた信濃川」という曲も収録してもよさそうなものだが(?)、まあ、この曲は今後もCDに収録されることはないであろうし、ライブで歌う機会もほとんどない。
言わば、「あの町を流れた信濃川」という曲が、その歌の舞台となった場所のうちの一か所の写真を使って、このアルバムに参加した・・・という意味合いだ(笑)。
まあ、聴いて下さる方にはどうでもいいようなことだが(笑)、作者である私の個人的なこだわり・・・ということなのだ。
ちなみに・・・この信濃川の土手には、私が幼い時には朝市が来てた・・気がする。
中には、大きな荷物を背負った行商のおばちゃんが、土手に立ち並んだ古い木造の家々・・・それこそ江戸時代からあるような家・・・の玄関から入り、「よっこらせ・・」とばかりに、重たい荷物を背中から板の間におろして、商談をもちかけてたように覚えている。
あの朝市は・・・・今もあるのだろうか。
私の今回のアルバム「空を見ていた」を聴いて下さる皆さん、そのへんの「どうでもいいような秘話」を知った上でブックレットを見ながら聴いてくださると、アルバムがより実体的になる・・・かもしれないのです(爆)。
なお、写真は、ブックレットに不採用になった信濃川の写真。
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