旅などをしてて、景色を見てると県境を越えることがある。
そんな時に、何気に「県境」って一体どういう基準で決められてるんだろう・・と漠然と思うことはよくあった。
かといって、自分にとってそれは極めて重大な問題というわけでもなく、何となくそう思うだけで、少し時間がたつとその件は頭から消えていたりもした。
でも、何かの拍子に、ふと思い出すことは多かった。潜在的にいつも心のどこかにあった疑問といえるだろう。
この本は、そんな長年の「何となく気になってた問題」にスポットを当てた本。
県境って、一体なんなのさ。誰が、どういう基準で決めたのさ。
本を読んでみて思ったのだが、県境を決める基準ってのは、一筋縄で行かなかったってことはよく分かった。
飛び地がある理由もある程度分かった。
日本地図の中には、「なんでこんな変な県境があるんだろう」なんて思う箇所もあったのだが、その謎もある程度分かった。
いやあ、中々面白い本だ。こんなテーマの本、実は「何気に探していた」のかもしれない。
大昔は、藩という単位の国があったのは周知の事実だが、今の県境は、維新の時の廃藩置県が大きく影響してるようだ。
また、今ではお目にかかれない県なども細かくあったんだね。
東京に暮らしてる者としては、23区以外の東京西部が昔は「多摩県」だったとは・・。
多摩県が東京に編入されることになったいきさつは、目からウロコ。政治闘争(?)がからむ・・という「呆れる」要素もあった。
川などがある場合、川の真ん中が県境になることが通例なのに、時々そうなっていない箇所があり、その理由もある程度分かった。「あ、そうか!なるほど」って感じ。
また、1つの小さな島の真ん中に県境がある場合もあって、それにはけっこう複雑な事情がからんでいるんだね。
小さな島なんて、1つの県に編入させてしまったほうがよさそうに思えるのだが、それができにくい事情も分かった。
ややこしいケースになると、短期間の間にめまぐるしく所属する県が変わった場合もあり、その事情を読んでると、人間が十人いれば十の損得があるんだなあ・・とため息。
そう、どれも利害がからんでるんだよね・・。それと、メンツも、ね。
で、誰もが、自分の都合ばかり主張する。まあ、それは国際的にもそうなんだけどね。
国際的な国境問題の原因になるものは、この日本国内の県境にもけっこう当てはまるんだね。
つくづく、人間ってのは、我がままなんだなあ・・と思う。個人の損得を守るために、集団化させたりもする。
かと思えば、見落としをする生物でもある。
きっとそれは、日本に限らず、地球上のどの国もそうなんだろうし、今も昔も変わらない。
ともあれ、面白い本なので、お勧め。
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