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誰も知らなかったビートルズとストーンズ  by 中山康樹

2015年11月07日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

ビートルズとローリングストーンズの60年代での関係性について書かれた1冊。

 

ビートルズとストーンズは、60年代において、ロックバンドして人気を2分したライバルだった・・・・そんな捉えられ方が割と浸透している。

ともすればそのふたつのバンドは反目しあっていた・・・と捉える人も多いようだ。

だが、実際の当時のビートルズとストーンズは、だんだんライバルになっていったのは確かであっても、犬猿の仲というわけでもなかったようだ。

むしろ、仲は決して悪くなかった。

彼ら自身の言葉を借りれば、対抗心はあったけど、仲間でもあった。

この本では、そのへんのことにスポットを当てている。 

そのへんのことは、当時の断片的な記事や写真やインタビューで、ある程度は私も漠然とした知識としては知っていた。

 でも、あらためて、そういう記事を集められたこの本を読むことで、漠然と知っていたことが、よりハッキリと伝わってきた。

 

後年、伝説化して語られている、そのふたつのバンドのライバル関係。 当時ビートルズが先頭を走っていたことは間違いないが、それに次ぐ存在としては、当初はストーンズよりも他のグループだったりした。

 だが、サティスファクションというビッグヒットを飛ばして以後は、ストーンズがビートルズに次ぐ存在として力をつけ、並走するようになっていった。

それ以来は、今に伝わる2大ロックバンドとして伝説化して語られている通りになっていったのだろう。

 

ビートルズで洋楽にハマった私。やがて、ビートルズ以外にも色んなミュージシャンの曲を聴いてみたくなり、ディラン、S&Gやクリーム、ツェッペリン、など色んなミュージシャンのレコードを聴き始めたが、ビートルズの次に聴いたのがディランとストーンズであった。

ストーンズは、当時から「ビートルズと並ぶ2大バンド」と言われていたので、ビートルズの次に聴く「ロックバンド」としては一番身近だった。

で、ベストアルバムを買ってきて聴いたのだが、最高だった。

ディランはソロのフォークシンガーとして聴き始めたし、S&Gはフォークデュオだった。

だがストーンズは、ビートルズと同様にロックバンドだったので、極めて自然に入りこめたのを覚えている。

むしろ、ディランなどは、当初はあの初期の弾き語り時代の音源はとっつきにくく感じたぐらいだ(笑)。

そして、ストーンズのアルバムも買い始めた。

「メインストリートのならず者」、「レットイットブリード」、「山羊の頭のスープ」など。

特に「メインストリートのならず者」は大好きだった。毎日聴いていた。

あのままいたら、私はストーンズのアルバムも全部集めてしまったかもしれない。だが、そうはならなかったのだ。

それは・・・あるアルバムを聴いてしまったからだった。

「アフターマス」か「サタニックマジェスティーズ」のどちらを買うかで迷い、私は「サタニックマジェスティーズ」を選んだのだった。

この時、素直に「ベガーズバンケット」とか「スティッキーフィンガーズ」あたりを買っていたら、私のストーンズ熱狂時代は更に深化していっただろう。

だが私が選んだのが「サタニック~~」だった。これが私にとって・・・いけなかった。

「サタニック」も、買った当時随分聴いた。少ないお小遣いを工面して買ったのだから、なんとか好きになろうと思って聴き続けたのだが・・・・。

このアルバムは・・・私にとって、ビートルズの「サージェントペパーズ」の二番煎じにしか思えなかったのだ。

ジャケットも、内容も・・。

この本の中でも、このアルバムはストーンズの混迷作として捉えられている。

このアルバムで、私はストーンズに対して挫折してしまったのだ。

ディラン、ツェッペリン、ほか多数の洋楽、そして拓郎や陽水をはじめとする邦楽・・など、聴きたいアルバムはたくさんあったので、その時点で私のストーンズフォローはストップしてしまい、お小遣いはストーンズにまわさず、他のレコードにまわすようになった。

特にディランとストーンズは同時進行だったので、ストーンズに使うお金はディランにまわった。

おかげでディランのアルバムは早く集まることになった(笑)。

そこでいったん私のストーンズ熱は落ち着いてしまったが、ベストアルバムを聴き直すと・・やはりいいんだよねえ。最高。

やはり、ビートルズもストーンズも素晴らしいし、60年代のイギリスを代表するバンドであることは間違いない。

だから、そんな2大バンドのメンバー同士が仲が悪くなかったというのは、なにやら嬉しいことでもある。

もちろん、対抗心はあったはずだし、競っていたのも間違いないし、それによって対抗心がモロにでてしまう局面もあったようだ。

だが、それによって互いの関係が険悪だったということはなかったようだ。

私が昔持ってた本では、ミックとレノンが互いの顔を近づけて仲よさそうに笑ってる写真もあったし、互いが互いのレコーディングに参加したこともあった。

互いの企画にそれぞれ参加したこともあった。ストーンズの「ロックンロールサーカス」には、レノンがヨーコと共に参加している。

キースはジョンのことが大好きだったと言ってるし、ジョージとブライアン・ジョーンズは互いのグループ内の立場に共通点を感じ、大の仲良しだったようだ。

ポールは、「(ビートルズとストーンズは)ライバルでもあったが、仲間でもあった」と語っていた。

また、不名誉な評判のアラン・クレインに関わったという点では、両バンドとも同じ。

 

この本に綴られている事実は、すでにファンの間では知れ渡っていることも多い。

また、テーマがテーマだけに、もっとたくさんの証言や資料が羅列・比較されていたら、もっと圧倒的な内容になったとは思う。

でも、この本の狙いやテーマは私は好きだ。

だから一気に読み干してしまった。

 

ビートルズとストーンズのリアルタイム関係を、後の世にふくらんでいった伝説でしか知らない人には、特にお勧めしたい。

それがもし、音楽をやっている人なら、彼らの関係が羨ましくもあり、あこがれにもなるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 


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