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日本が誇る人気特撮シリーズ「ウルトラマン」。
シリーズ化されて長い人気を保ち続け、今でも新たなウルトラ戦士が主人公のドラマが制作されているのは、ご存知の通り。
ウルトラマンシリーズの原点になったのは「ウルトラQ」だったが、ウルトラQは正義の巨大ヒーローは登場しなかった。
怪獣は多数出てきたが、基本的に人間が解決していた。
その後ウルトラマンが登場すると、次々と巨大ウルトラヒーローが登場するようになり、現在に至る。
私も幼少の頃ウルトラシリーズは大好きで、リアルタイムで見て熱中していた。
私がウルトラシリーズをリアルタイムで見続けたのは「帰ってきたウルトラマン(以下「新マン」)」の途中まで。
あ、新マンは、その後「ウルトラマンジャック」という名で識別されるようになったが、本放送の時は「ジャック」という名前は出て来なかった気がするので、あえてここでは「新マン」で書くことにする。
それ以前の「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」は全て見ていた。
厳密にはウルトラQは、親が裏番組のクイズ番組を見ており、家にテレビがまだ1台しかなかった私は、ウルトラQは再放送で全話見たのだと思う。
だが、ウルトラマン以後は、すべて見れるようになった。その理由は定かではないが、多分親が・・・というか父親が帰ってくる時間が、ウルトラQの頃に比べると遅い時間になったからだったかもしれない。
あるいは・・セブンの頃には、家にテレビが2台になったからかもしれない。
その場合、父が新品のテレビを見て、それまで見ていた古いテレビを「おさがり」で私に与えてくれたからかもしれない。
まあ、ともかく、セブンまでは熱中し、その後数年のブランクの後にウルトラシリーズの新作であった「新マン」が始まった時には、ワクワクした。
当時の私は、ウルトラシリーズはセブンで完結し、もう新作は作られないのかもしれないと思っていたから、なおさら。
当時は、ウルトラ兄弟などという概念や設定など、なかったからね。
強いてあげれば、ウルトラマンの最終回にゾフィが出てきたことで、ウルトラマンにも上司らしきものがいるんだな・・・というぐらいの認識でしかなかった。
まあ、考えてみれば、ウルトラマンも故郷の星はあるわけで、故郷の星には仲間はいるんだろう・・・ぐらいは思ったが、後年それらが続々と地球に来ることになるなんて想像もしていなかった。
で、数年のブランクの後に、ウルトラマンシリーズの最新作「新マン」が始まった時は、その後もウルトラシリーズは続行されると思ったし、ウルトラシリーズの第2幕が始まったような気がしたので、嬉々として「新マン」をリアルタイムで毎週見るようになった。
「新マン」を見続けていたら、ある回の次回予告で、次回にウルトラセブンがゲスト登場することがわかった時、私は胸を躍らせた覚えがある。
セブンがゲスト登場する次回が楽しみで楽しみで仕方なかった。
確か私の記憶では・・「新マン」でセブンがゲスト登場する回の放送日は、私は旅先で迎えることになった。ちょうどその日、私は旅行に出ている日だったのだ。
確か・・旅先は那須だったと思う。
旅先だといつもの自分の生活サイクルとは違うので、へたしたらその日の「新マン」は見のがす可能性もあったが、そこはそれ。
その回の放送だけは私は見逃すわけにはいかないと思っていたので、宿で必死に「新マン」の放送時間に間に合うように風呂に入り、部屋にテレビがあったこともあり、放送時間に合わせテレビの前に陣取った。
で、その日の「新マン」の放送が始まった。
その回では、確かにセブンは出てきた。まだその頃はウルトラ兄弟の設定はなかったので、セブンと新マンの共演は、まさに「夢の共演」だった。
その回で、セブンは新マンに武器をさずけた。
それこそ、ウルトラブレスレットというアイテムであった。
ウルトラマンに新たな武器が加わったわけで、その時はそのシリーズのその後が更に楽しみになったのを私は覚えている。
そのウルトラブレスレットがどんな武器なのか、どんな技を繰り出すのかが楽しみで、その後は更に熱中して見続けた。
確かにその武器は様々な使い方があり、新たな必殺技が新マンに増えた。
最初は・・・それが楽しかった。
だが・・。
毎回見続けていたら、私の心の中に、少し複雑な思いが去来するようになっていった。
というのは・・
ウルトラブレスレットを入手してからというもの、新マンはやたらとその武器に頼るようになった。
その技が、新マン自身が身につけている技ならいいのだが、どちらかというとその技はブレスレットにセットされてる技のように思えた。
その様を、その感じ方をどう説明すればいいのだろう。
それまでは新マンが元々身につけている超能力で戦っていたのに、ブレスレットを使うようになってからは、まるでブレスレットの超能力で戦っているように思えていった。
あえてたとえるなら、それまで自らの力で戦っていた素手のヒーローが、ある日突然ライフルを持ち、そのライフルで敵を倒すようになった・・・そんな印象に近かったかもしれない。
こうなると、新マンが強いのではなく、ブレスレットが強いのだ・・・そう私は感じるようになっていったのだ。
まあ、ある意味、様々な機能を持つウルトラブレスレットを、新マンは使いこなしていた・・・という見方もできるのだが、観ていると、新マンが凄いのではなく、ブレスレットが凄く、ヒーローは新マンではなく、ブレスレットの方に見えていった。
新マンは楽して勝っているようにも思えた。
また、少々「ずるい」とも思うようになり、こうなると新マンに対する興味や憧れは薄れていった。
素手の相手に武器を持って戦っているようで。
まあ、武器ということになると、それぞれの怪獣やウルトラ戦士が繰り出す技も十分に武器なのであるが、ブレスレットの場合は、生まれつき持っていた身体武器ではなく、あとからセブンから「貰った」武器だった。なので、もともと新マンが身につけていた身体武器ではなかった。
だから「ずるい」と思ってしまうようになったのだった。
ブレスレットを入手後、新マンは戦いの際にブレスレットに頼りすぎているように思えるようになった。
ブレスレットというのはそれほど凄い武器だったのだろうが、ブレスレットの凄さに、新マンの戦士としての能力がかすんで見えるようになった。
こうなると、心が離れていき、やがて私はだんだん新マンは見なくなっていった。
ヒーローとして、つまらなくなったというか、物足りなくなったのだ。
で
私はウルトラシリーズからは離れてしまった・・・というわけだ。
最初はワクワクしたのだが・・。
あくまでブレスレットは補助という戦い方をしてくれてれば、私は離れなかったかもしれない。メインは新マンの身体能力で戦い、たまに補助でブレスレットを使う・・・せめてそういう戦い方をしてくれてれば・・。
昔のマンやセブンは、ブレスレットの助けなど借りずに、自らの力で戦っていたのだから。
とまあ、そんなわけで、ウルトラブレスレットは、私の心をウルトラシリーズから離れさせたアイテムだった・・・と言える。
やはりウルトラヒーローは、自らの身体能力で戦ってほしかった。
話によると、新マンは、ウルトラ兄弟の中でも弱いほう・・・そんなイメージを持っている人もいたらしい。
それは、あのブレスレットの功罪じゃなかったかなあ。
もっとも、設定上の新マンの身体能力は、他のウルトラ兄弟に比べて、そんな弱い方じゃなかったらしいが。
ただ、ブレスレットが戦いのメインになりすぎて、その分新マンの存在感や本来の身体能力がかすんでしまったのではなかっただろうか。
もしかしたらスタッフたちの「新マン」という番組への「テコ入れ」で登場してきたのがウルトラブレスレットだったのかもしれないが、それは私にとっては「諸刃の剣」になってしまった。
ウルトラマンたちが、最初の登場の頃からそういう武器を持っていたのなら、そうはならなかったかもしれない。
たとえば、ウルトラセブンの武器「アイスラッガー」は、それ自体「武器」ではあったが、最初から出てきていたし、なによりセブンの体の一部として出てきていたからね。だから、最初から身体に備わっていた武器・・・というより、セブンの必殺技として見ることができていたし。
それは全く違和感なかった。
ともかく、ウルトラマンには、他の人にもらった武器ではなく、身体能力そのもので戦ってほしかった。それが「新マン」でウルトラから離れた理由であった。
「新マン」に熱中していた方には、あのブレスレットをどのように見ていたのだろう。
新マンはブレスレットに頼りすぎ・・・そんな思いは持たなかっただろうか。
もっとも、新マンは、さまざまな能力を持ったブレスレットを、「使いこなしていた」とか、「能力を引き出していた」・・・という見方もできるけどね。
ある意味、人類への警鐘でもありました。
ヤマトは、これが最後…と言いながら何回も復活させたせいで、かえって求心力を低下させていった印象がありました。
第2作までで終わらせておいたほうがよかったのに…。
ルパンはお茶の間では御法度でしたものね。
ふじ子のバストトップ出し~の(もちろんB地区は描画されず)みたいのありでしたから。
ヤマトはあんなにすばらしいのにその後の内輪もめが残念です。
確か、ルパン三世やヤマトも再放送でブレイクしたはずです。
夕方の再放送枠で、人気が沸騰したはず。
そのことを考えると、裏番組に何が放送されてるかは重要ですね。
ただ近年は、夕方のアニメ再放送枠というのがないので、再放送でブレイクするという現象はあまりなくなってる気がしてます。
今やアニメは深夜枠が多いですからね。
しかも最初の段階で。
スタッフやキャストには、お気の毒様としか…。
そう、確かに画面全体が暗めです。
そのせいか、視聴者にとっては少し地味に見えたのかも。
ミラーマンには完敗だったんですか?
私は、ミラーマンが優位だったくらいかなと思ってました。
裏番組関係についてですが。家庭用VTRもなく本当に大変な時代でしたよね。勢い、再放送で再評価というパターンが確立してしまって、製作者サイドには気の毒としか言えません。ヤマトVSガッチャマン セブンVS秘密のあっこちゃん(記憶あいまい)などなど。
不慮の死を遂げた金城さんの今日では評価の高い名作「ノンマルトル~」も地味な展開だったので母や妹の視線が辛かったとかいう話もあったかと。
今思い出したんですが、まだ全然撮り終えていない時点で敵役の着ぐるみに火が移りすぐに消火したものの半焼状態でまともな明かりのもとでは見せられない酷い状態になったため、苦肉の策で初めの暗い場面が生まれ、戦闘場面も暗めになったはずです。ジャイアントになってからなんですが、これ意外とクオリティが高いんですよ。けっこういい役者さん揃いだったのにミラーに完敗したことでいろいろメンツもあって放映を切り上げてしまったんでしょうか。
dvdも出ていて、しっかり復刻はされてるんですね。
シルバー仮面が後半には巨大化したというのは知ってました。
裏番組のミラーマンへの対抗でもあったのでしょうね。
視聴率的にはミラーマンの方が優勢だったみたいですから、対抗したくなる気持ちはわかります。
着ぐるみを全焼させるなんて、そんな事件があったとは知りませんでした。
スタッフ、大変だったでしょうね。
帰マンの視聴経過まさしく一致してます。
シルバー仮面ですが、一応ご参考までに私はDMMでDVD6枚レンタルしました。後半はジャイアントシルバーとなり、ちょっとなんだかな~って感じです。
有名なエピソードで第一話で怪獣の着ぐるみをほぼ全焼させてしまったということで始まりからみそがついたみたいですね。
その気持ちはわかります。
帰マン、ブレスレットが出てくる前までは毎回見てました。いや、ブレスレットが出てきてからもしばらくは見てました。
でも、ブレスレットに頼りすぎるようになると、自分の熱も冷めていった感じです。
スーツといえば、初代マンの初期のスーツは、ややゴツゴツしてた気がします。特に顔が。
後半になると、スッキリしたルックスのスーツになったように思います。
まあ、なんにせよ熱中はしてました。
レコードも持ってましたし、怪獣のソフビも持ってました。
シルバー仮面とミラーマンは、私の地域では放送時間帯がかぶってたので、両方見ることはできませんでした。
私はミラーマンを見てましたので、シルバー仮面は見れませんでした。
その点、残念でした…。
またご丁寧にコメントをお返しいただきありがとうございます。
だんぞうさまのご返信に気づく前に実は帰マンをディスってしまったことの後味の悪さを感じていました。投稿も誤字だらけで・・。帰マンにリスペクトも欠け申し訳なかったです。
実は、帰マン当時は大好きだったんです。
初代放映時ほんとにちびっこだったので、またマンが見られるなんてと大興奮、大歓迎したことを覚えています。むしろマンのスーツデザインより菊池さんの帰マンのデザインの方が近代的で大好きでした。いろいろな所作も初代マンより印象深いです。
もう一つ、当時の制作側の在り様というのが、無論後世に評価を託すなんてこととはまるで対極というか、翌週の視聴率を上げることが使命だったこと。ミラーマンなどの煌びやかな攻撃スタイル、帰マンより現代ドラマ路線だった初期のシルバー仮面、もりもり博士を殉職させてまでマンネリを嫌ったマジンガーZなどを見れば明らかですよね。加えてセブンも含め以降の製作費が本当にかつかつだったこと。とのことでまとめますと、帰マンは良かった。ちょっとブレスレットを持ってからは残念でした。
と、全然まとまらず、堂々巡りですね(笑)
ウルトラマンが刀剣を持つというのは、どうも違和感あります。
やはり、ウルトラなら光線技で敵をやっつけて欲しかったです。
ウルトラに刀剣は、似合わない気がしますよね。
精悍さに欠けるように見えたお気持ち、わかりますよ。
私も当時同じように見えてたと思います。
セブンと新マンの共演にはワクワクしたんですが、その後だんだん新マンはブレスレットに頼りすぎのように見えてました。
もしも新マンがセブンにブレスレットをもらわなかったら、実は結構弱いのではないかと思えてました。
まあ、あのドラマはもう何十年も見てないのて゜、見返したらまた違う印象を持つのかも知れませんが、リアルタイム試聴時のイメージはどうも私の中に刷り込まれているようで…。
あの武器は、ずるく思えてました。
もう一つあのブレスレットに触れて弾いて構えて腕をふるというなんとも敵に隙を与えまくっている緩慢なモーションに精かんさがなくていやでした。
今でも初代とセブンそれと天然色QはWOWOWを録画したりDVDやBDなどを購入・レンタル・収集したり、最近では自分用のリッピングをして家の中の複数個所で好きな時に視聴できるようにしたり、お風呂でも見れるようにしたりと一向に興味があせないのですが、新マンの方には一向に食指が動きません。サンダーバードも素晴らしい。ジャイアントロボも多少はあれですが、新マンよりも視聴に耐えます。
それと似た感覚です。
私はリアルタイムでみてたのは、「帰ってきたウルトラマン」の途中までと、後の「ウルトラマン80」を数回くらいですが、ブレスレットみたいな武器は、帰ってきたウルトラマンくらいしか使ってなかったような。
やはり、ファンは、ブレスレットみたいな武器に頼るのは複雑だったのでしょうね。
大変合理的な見方ですね。
私も、だんぞうさんと同じ見方に賛成です。
例えば、「ブルース・リーやジャッキー・チェンが、持ち前のカンフー術で、何十人もの敵をバタバタ倒す。
ボスに対しても、苦労しながらも、究極カンフー奥義で勝利する!」
という展開だからこそ、ファンは興奮し、歓喜して、さらにファンなるのでしょうね。
もし、「ブルース・リーやジャッキー・チェンが、カンフー術よりも、マシンガンで何十人もの敵を倒し、ボスに対しても意外とたやすく倒す」話なら、ファンは間違いなく幻滅しますね。
私は、再々放送で、『ウルトラマン』は、何話か観たことがあります。
ウルトラマンには、ウルトラブレスレットは、まだ登場しないことが幸いでしたね。
バルタン星人、レッドキング、ゴモラなど、苦労しながらも、やっと持ち前の必殺技スペシウム光線で撃破する場面は、爽快でした(笑)