時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

テレビ黎明期の頃の変身ヒーローの正体の不思議

2014年01月06日 | 漫画・アニメ、そして特撮

先日、ネットサーフィンしていて、何かの拍子に「七色仮面」という古い特撮ヒーロー番組を見る機会があった。

 

で、七色仮面を見ていて、ふと思ったことがある。

いや、その「思ったこと」は、「月光仮面」や「少年ジェット」などの古い特撮ヒーロー番組を以前復刻ビデオなどで見た時にも感じた疑問点だ。

七色仮面や月光仮面などは、一体正体は何者だったのだろう。

いや、仮面の中の人物像のことではなく、彼らの設定そのものへの単純な疑問点。

彼らは、普通の人間以上の能力を持っているようだが、彼らの正体は何だったのだろう。

ロボットではないだろうし、サイボーグらしき設定でもなさそうだ。

超能力者?宇宙人?ミュータント? それとも?

・・・まさか、ただの、「拳銃がうまい、運動神経のいいオジサン」?

 

例えば、エイトマンやアトムはロボットだ。

009や仮面ライダーはサイボーグ。

ウルトラマンやスーパーマンは宇宙人。

スパイダーマンやキャプテンアメリカはミュータント。ただし、見かけは常人と変わらないミュータント。

なので、彼らが常人とはかけ離れた能力を持っているのには、一応説明がつくし、理由もある。普通の人間ではないことが明らかにされているからだ。

 

ならば、月光仮面や七色仮面、少年ジェット、などは?

そこがどうにも謎。

月光仮面は「月よりの使者」というキャッチコピーもあったので、「月世界人」なのかもしれないが、はっきりしない。

七色仮面は、映像見るとテレポーテーション能力や変身能力があり、拳銃の弾も平気なので、常人とは思えない。

少年ジェットのミラクルボイスは、地震を引き起こす。そんなの普通の人間にはできない。

 

黎明期にはナショナルキッドなるヒーローもいたが、キッドは空も飛べたし、宇宙人なんだろうと思う。もしくは異次元人。

怪傑ハリマオは、運動神経がよい、拳銃のうまいオジサンだった。

だが、月光仮面、七色仮面、少年ジェットあたりは??

明らかに人間以上の能力が設定されてるし、ただの「運動神経がよく拳銃のうまいオジサン」というだけでは、あの能力は説明できない。

だが、作品中では、彼らの設定については明らかにされていない。

まあ、だから「謎の人」なんだろうけど・・。

そのへんが曖昧なままだった。

今なら、ああいう「人間以上の能力」を持っている場合は、その設定についての言及が作品中にあるだろう。

なぜ彼らがそういうことができるのか・・・についての妥当性である。

でも、月光仮面や七色仮面が活躍した時代には、ヒーローの設定について説明がないまま、単に「謎の人」というだけで通していた。

大らかな時代だったのだろう。

 

もしや・・「謎の人」・・・というのが正体だったのかな。

だとすると、なんでもできるやね(笑)。

なまじ設定についての説明があると、その設定にしばられてしまう物語進行も出てくるだろう。

だが、謎の人ということで押し通していけば、なんでもできる。

そういう意味では、作り手側としては便利。

 

ただ・・今の感覚で見てしまうと、どうしても・・・彼らの正体・・というか設定に「妥当性」がほしくもなってくる。

なぜ、そういう能力があるのか、なぜそういうことができるのか・・・といった。

宇宙人やサイボーグだから・・という設定があれば、まあ「だからできるのか」とも思えるし。

 

となると、あの当時は、宇宙人やサイボーグ、超能力者・・などといった「種族」の種類のひとつとして「謎の人」という種族があったのだろう。きっと(笑)。

 問答無用で、いざとなれば何でもできる、どうとでもできる、究極の種族・・・それが「謎の人」という種族なんだね。

それこそ、神にも匹敵する種族。説明や科学や、ストーリーのつじつまや必然性や矛盾をも超越する種族。

いわば、製作側にとって一番便利で、視聴者側にとっては最強の種族だ。

死んだのに生き返っても、「謎の人」なんだからしょうがない。

拳銃で撃たれてやられる時もあれば、やられない時もある。でもその矛盾も、「謎の人」なんだから仕方ない。

いくら至近距離で拳銃で撃たれても、弾があたらない。でも「謎の人」なんだから文句は言わせない(笑)。

歌を歌って現れる暇があるなら、歌を歌う時間を、すみやかな事件解決のために使えばいいのに、誰も文句を言わない。でも「謎の人」は気まぐれなのだ。常識をも凌駕してるのだ。なぜならなにせ、「謎の人」なのだ。

身近な人から見たら、すぐに覆面の中の正体をすぐに見破られてもおかしくないのに、見破られない。だって「謎の人」なんだもの、つべこべ言ってはいけない。見破られないのも「謎」だからこそ。

特に、放送初回などで、デモンストレーションのために、持ち技の大半を無駄に悪人に披露しても、その後の活躍において不利になることもない。なぜなら「謎の人」なのだから。

謎の人なら、いきなり人間らしき人が腕や目から光線を放射しても許される。

謎の人だから、どんな高いところから飛び降りても平気。引力すらかなわない。ということは、宇宙の定理すら通用しない。

「謎の人」たる者、細かいことは、いちいち気にさせない。

う~む、種族「謎の人」、恐るべし。誰もかなわない。宇宙も、天変地異も、悪人も、視聴者も、味方も、製作側スタッフも。

 

「謎の人」がかなわない相手は・・・スポンサーぐらいなものかもしれない。

 

 

だが、今は「謎の人」という設定の種族は・・・見かけなくなった。

それは

謎が謎でなくなってきてしまっているからかもしれない。

そういう意味では、ヒーローの種族の設定としては、「謎の人」は絶滅してしまった種族なのかもしれない。

かつては最強の種族だったのに・・。

結局、「謎の人」という種族は、謎のままどこかに消えたのだ。

なぜ消えたのか?

それも「謎」だからこそ。

 

 

 

 

 


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