Any day now by ronnie milsap
私がまだ若い社会人だった頃、車であちこちを駆けずり回っていた。
会社の車にはカーステはなかったので、運転中はいつもラジオを聞いていた。
FENもよく聞いていた。
当時FENの音楽番組でよく流れていたのが、この曲だった。
なにせいきなりかかるから、歌っているシンガーの名前も、曲のタイトルも聞き逃していた。
だが、歌の中に「エニーデイナウ」という言葉がよく出てきていたので、多分歌のタイトルは「エニーデイナウ」なんだろうなとは思った。
エニーデイナウという言葉が私の中で印象的に思えたのは、私が敬愛するボブ・ディランの曲に「アイシャルビーリリーズト」という曲があったから。
「アイシャルビーリリースト」と言えば、ディランの曲の中でも有名な曲で、色んなシンガーがカバーしている名曲。
で、「アイシャルビーリリースト」という歌の中に、何度も何度も「エニーデイナウ」という言葉が出てきていた。サビの終わりの「歌の締め」に毎回出てきていたので、印象的な言葉であった。
なので、エニーデイナウという言葉は私の中で親近感のある言葉だった。
もともとそんなバックボーンが私の中にあったので、歌いだしがいきなり「エニーデイナウ」という言葉で始まるこの歌を聞いて、「ディランの歌にも、この歌詞は出てきてたなあ」などと思いながら車を私は運転していた。
ただ、ディランの「アイシャルビーリリースト」という曲と、この「エニーデイナウ」で始まる歌は全くの別物。
前述の通り、当時この曲はFENでよくかかっていたので、何度も聞くうちに、すっかりこの曲を私は気に入ってしまった。
やがて、この曲を自分で持っていたい・・・と思うようになった。
とりあえず、たぶんタイトルは「エニーデイナウ」なんだろうと思い、輸入盤レコード店に入って、この曲を探してみた。
中々見つからなかった。
おかしいな・・FENでしょっちゅう流れているから、現在ヒット中だと思うんだけどなあ・・などと思いながら、なおもしつこく探したのだが・・見つからなかった。
もしかしたら、ロックやポップスのジャンルのコーナーで探しているから見つからないのかな、だとしたら他のジャンルで探してみよう、あるとしたらカントリーのジャンルかもしれない。
そう思い、ロックやポップスのコーナーをはずれ、カントリーのコーナーに行ってみたら、あっけなく見つかった。
歌っている歌手は、それまで私が知らなかったシンガーで、ロニー・ミルサップというシンガーだった。曲のタイトルはやはり「エニーデイナウ」であった。
ロニーは今でも日本では本国ほどの知名度はないのではないだろうか。
だが、本国アメリカでは相当な実績のある大物シンガーだ。
ヒットの実績、受賞した賞の数などが、それを証明している。
ただ、カントリージャンルのシンガーなので、日本では本国ほどには知られていないのだろう。
こうした例は案外あるもので、例えばウィーリー・ネルソンなどもそうだろう。
それでもウィーリーは、日本でもそれなりに知名度はあるが、本国での人気や知名度に比べたら、差がある感は否めない。
アメリカでは国民的歌手的な存在らしいし。
ともあれ、輸入盤レコードショップで、当時ヒットしていた「エニーデイナウ」はロニーのバージョンであることがわかり、その場で私はその曲が入っていたロニーのアルバムを購入した覚えがある。
その後はしばらく、私がカセットで作る「オリジナルベストヒット集」には、この曲は定番になった。
私がポップスバンドを組んでた頃、私がそのバンドに初めて持ち込んだ自作曲は、この曲の中盤部分からインスパイアされた箇所もあったぐらい、私の心に染み込んでいた。この曲の持つ親しみやすさが、好きだった。
また、私が中学卒業の頃に作った自作曲の中で、この「エニーデイナウ」の出だしとメロディがほぼ同じのものもあった(もちろん、完成形は「エニーデイナウ」の足元にも及ばない)。もちろんその頃はまだ「エニーデイナウ」という曲は知らなかったので、たまたまだった。
ともあれ、そんないきさつもあったので「エニーデイナウ」のメロディは私にとって身近に思えたのは確かだった。
ちなみに、その曲・・・私が中学卒業の頃に作った自作曲のタイトルは「帰ってきておくれ」というもので、失恋の歌だった。
この「エニーデイナウ」の歌詞もまた、失恋の歌。
そんなこともあり、ますます「エニーデイナウ」に私は親近感を持った。
当時、私はこの曲はロニーのオリジナルヒットかと思っていた。
だが、あとからわかったことだが、「エニーデイナウ」は、あの巨匠・バート・バカラックが作った曲で、エルビスも歌っていたほどの曲。
バカラックの曲はビートルズをはじめ色んな人がカバーしているが、こと「エニ-デイナウ」は、誰のバージョンが一番有名なんだろう・・と思って調べてみたら、けっこう色んな人がカバーしているようで、中では1960年代前半にチャック・ジャクソンがヒットさせたのが有名みたいだ。
私が昔、エルビスメインのパブに行ってた頃、その店では色んな人がエルビスの色んな曲をカラオケや生演奏で歌っていた。
だが、「エニーデイナウ」を選ぶ人は・・・私の記憶ではひとりもいなかった記憶がある。
私が店にいない時に誰か歌ったことはあったかもしれないが、少なくても私が店に行った時には、「エニーデイナウ」を選ぶ人はいなかった。
「今夜はひとりかい」「好きにならずにいられない」「アメリカの祈り」「冷たくしないで」「スイートキャロライン」「この胸のときめきを」などを選ぶ人は多かったが。
ということは、エルビスのレパートリーの中では「エニーデイナウ」はさほどメインではなかったのかな・・・。
とりあえず、私の中では「エニーデイナウ」は、ロニー・ミルサップのバージョンがメインイメージではある。
FENで「エニーデイナウ」がかかるのは、確か・・午後4時台が多かった気がする。
だから、ロニーの「エニーデイナウ」を聞くと、今でも私は午後4時台の町の風景が頭に蘇ってくる。
会社の近くの町、取引先に続く県道、そしてそれらを包んでいた黄昏の空・・・などなど。
ちなみにロニー・ミルサップとはどういう人かというと。
1944年生まれ。生まれつきの全盲だが、音楽的才能に恵まれ、カントリーシンガーとして数々のヒット曲を持ち、ピアニストとしても活躍。
アメリカでは、国民的カントリーシンガーとして人気・実力・実績を誇っている。
メンフィスでは、エルビスの曲「ドント・クライ・ダディ」「ケンタッキーレイン」を制作するプロジェクトに参加したらしい。
もしかしたら演奏面で・・だったかもしれないが、詳しいことは私には分からない。
ロニーは、1990年代まで毎年10位以内にチャートインしていたそうな。
1975年以後、ベストカントリー男性ボーカリストとして、グラミー賞を5回も受賞しているというから、国民的カントリー歌手という表現に偽りなしであろう。
いやはや、すごい人なのだ。
以下、聴き比べてみると面白い。↓
ロニー・ミルサップのバージョン ↓
https://www.youtube.com/watch?v=WBu2sBArxts
チャック・ジャクソンのバージョン ↓
https://www.youtube.com/watch?v=9_OS04Sn1Oo
エルビス・プレスリーのバージョン ↓
この歌、聴いたことあります。
私の場合、ご存知の通り、エルヴィス・プレスリーにて♪
68年、『エルヴィス・プレスリー復活アルバム』に収録されています。
パワフルな歌声に痺れて、何度もリピートしていましたよ(笑)
原曲は、今回初めて聴きました。
私が最も愛する楽曲は、50′s洋楽ロックンロールですが、「エニー・デイ・ナウ」のようなカントリー&ウェスタンは第2位を占めますね。
エルビスのレパートリーでもありましたから。
68年というと、ビートルズがライブ活動をやめてスタジオレコーディングに専念してたころですね。
ということは、初期のビートルズの熱狂的なブームが落ち着いてた頃でしょう。
この曲のエルビスバージョンのアレンジは、エルビスらしい出来映えになってますね。
チャックやエルビスのバージョンは熱唱型、ロニーのバージョンは、親しみやすい印象があります。
どれも良いですね。