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宇宙戦艦ヤマトといえば、今の日本アニメの隆盛に大きく貢献した作品であろう。
「これが最後」を繰り返して話題を集めては、その後にまた復活を繰り返してきたことで、少し苦言を呈されることはあったにしても。
もちろんそれまでにも、多数の名作アニメはあったし、中には世代を超越して支持された作品もあった。
だがヤマトは、アニメ関係の専門誌を生みだすことにもつながったり、それ以後のアニメにも社会的に大きく影響を与えた作品だと思う。
私など、アニメは「ヤマト前」と「ヤマト以後」という分け方で捉えることもあったりするぐらいだ。
ヤマトは最初の本放送の時は、さほどブレイクはしなかった。
だが、再放送された時に大ブレークしたのだった。
本放送が流れている頃は、私はアニメへの関心が薄れてた頃で、音楽の方にひたすら関心がいっていた。ただ、別の部屋で弟が毎週ヤマトを見ており、音声だけは私の耳にも届いていた。
番組の中で流れていた「地球滅亡まであと○○日」・・・というくだりは強く耳に残ったし、それなりに人をひきこむ臨場感を感じてはいた。
やがて、私は音声だけで聴いていたヤマトを、実際に見るようになった。
実際に見るようになったのは、ナレーションや、絵柄や物語や設定もさることながら、それ以上に私を引きつける要素が作品中にあったからだった。
それは・・ズバリ。
ナレーションのバックに流れる、女性のスキャットによるBGMであった。
このBGMが抜群によかった。
このBGMとナレーションのマッチングが、単なる音声だけで聴いてた私をこの作品に引きこんだのだった。
そのBGMはゆったりとした曲で、どこか寂しい短調の旋律で、なにより「広がり」感が素晴らしかった。
ほんと、宇宙に悲しみや哀愁が広がっていくかのようであった。宇宙の彼方に誘われるような。
印象では、毎回本編の冒頭に、ナレーションと共に流れていた印象がある。
その曲がナレーションと共に流れると、もうそれだけで気分は宇宙にトリップするような気がした。一気に作品の世界観の中に引っ張り込まれた。それも、奥のほうまで。
やはりあれは相当力を持ったBGMだったと思う。
その後多数のアニメが世に生み出されてきているし、中には主題歌が名曲だった例は多い。
だが、BGMがこれ以上に力を持っていた例は・・・私には思いつかない。
この曲の存在感は、主題歌以上の存在感があったと私は思っている。
むしろ、この曲がメインテーマだったようにも思えるほどの曲だった。
もちろん、ヤマトは正式なオープニング曲も、エンディング曲も良かった。
だが、そのBGMはオープニング曲やエンディング曲に勝るとも劣らぬ名曲だったと私は思っている。
同じように感じていた人はけっこういたみたいで、今でもヤマトのこのBGMはテレビでたまに使われることがあるし、中にはこの曲を模したような曲がCMで使われたりもしている。
このあたり、この曲を印象深く感じていた人が多かったという、良い証明ではないか。
単なるBGMという枠を飛び越えてしまうぐらいの「メイン曲」だったようにも思え、個人的にはあの曲こそヤマトそのものだったような感がある。
ヤマトが後に大ブレイクしたのには、あのBGMは大きく貢献しているような気はしている。
ヤマトを思い出す時、最初に頭に浮かぶ曲があの曲だし。
主題歌をアニメソングコンサートなどで耳にできる機会はあっても、ああいうBGMをコンサートなどで生で聴ける機会は、そう無いと思う。
それだけに、ああいうBGMの名曲も、生で聴ける機会があれば、喜ぶ人はけっこういると思う。
できれば、それだけのためにライブ会場に行くのもナンだし(?)、テレビの音楽番組などでやってくれれば、個人的に嬉しい。
単にアニメソングを歌う番組ならたまにあるけど、こういうBGMや挿入歌を歌う番組はあまり見かけないし。
https://www.youtube.com/watch?v=j3lJIiNpEZA
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