以前、「北斗の拳」のスピンオフ作品について日記を書いたことがあった。
今回もまたスピンオフ作品について書いてみたい。
私はかねてから、この作品を軸にしたらたくさんの充実したスピンオフ作品が作れるだろう・・と思っている作品がある。
その「この作品」とは、白土三平先生の「カムイ伝」である。
もっとも、すでに「カムイ外伝」という作品があって、それはカムイに視点を集めたスピンオフ作品といえるだろう。
カムイは元々主役なのだから、カムイを主人公として描いた作品ならそれはスピンオフとはいえないだろう・・というツッコミが入りそうだが、「カムイ伝」を読んだことがある人なら分かってもらえると思うが「カムイ伝」にはたくさんのキャラが登場し、それぞれにかなり視点を定めて描かれている。
なので、たまたまタイトルは「カムイ伝」ではあるが、実際には何人もの重要人物の生きざまを描いた作品になっており、そこがこの作品のスケールの大きいところでもあり、深さでもある。
必ずしもカムイ中心に物語が進んでいるわけではなかったりするし、読んでいると主役がその都度入れ替わる感じで話が進んでいる。
なので、この「カムイ伝」を軸にしてスピンオフ作品は何人分もの作品が作れるのではないだろうか。
正助、白いオオカミ、草加竜之進、苔丸、サエサ、夢屋、赤目、水無月右近、橘一馬、他、ちょっと考えただけでも、すぐにこれぐらいの人物が浮かぶ。
これらの人物など、どれも主役にして描けそうだし、どれも見応えのある「主役作品」に出来ると思う。
渋いところでは「カラミの手風(てぶり)」という忍者なんかも、主役にしてみたら面白いかもしれない(笑)。
正助などは、カムイ伝の第一部では、主役であるはずのカムイ以上の存在感で描かれたりしているので 十分にスペクタクルドラマの主役が務まること間違いなしだ。
正助自身はまじめなキャラなので、ストーリーに奥行きを持たせるために脇役の大活躍も見込める。
特に、苔丸や権(ゴン)の大活躍は、間違いなし。
白い狼に関しては、その後どうなったのだろう。白い狼のストーリーは 確か途中で中断されたままだったような気がするから なおさら。
草加竜之進の波乱万丈の人生もまた、主役となるにふさわしい。
個人的に思い入れのあるキャラでもあるので、竜之進と笹一角がコンビで主役をはった作品なら、私は飛びつきそうだ。大河ドラマ風にも描けそうな逸材。
苔丸もまた主役をはれそうなキャラだが、彼は「正助伝」での超重要人物として、権(ゴン)と共に大活躍するだろう。
サエサは貴重な「女性主役」候補。
彼女のカムイへの恋慕ゆえの情熱的な生き方は、異彩を放つ「カムイ伝のスピンオフ作品」になるだろう。
「夢屋」の商人としての一代記もスピンオフ作品としては面白い。
終盤、相棒の赤目との人間関係が微妙になっていったりしたように思うが、その後彼がどうなったかもまた興味ある。
赤目は夢屋の相棒として活躍するが、もとは抜け忍で、しかも、カムイの師匠という大事な側面を持つ。
彼がまだ抜け忍じゃなかったころのカムイとの出会い、そしてカムイと共に過ごした修練の日々なども読んでみたいし、彼がなぜ忍者の世界に入ったかを描くために子供時代から描いても、読み応えありそうだ。
水無月右近は、私にとっては草加竜之進と並んで「お気に入り」のキャラ。
右近が主役のスピンオフ作品というのは、はっきり言って私の趣味です(笑)。ごめんなさい。
橘一馬もまた、波乱万丈の生き方をする人物。悪役にピッタリなキャラでもあるが、どこか憎めない要素もあるし、案外「反・カムイ」「反・草加竜之進」的にドラマを進めていけば主役になるし、また、竜之進が主役の作品ではかなり重要な脇役にもなる。
そのほか、林崎甚介というキャラも出てきた。
歴史上、同姓同名の剣豪・・確か居合ではなかっただろうか・・・がいるが、剣豪史に出てくる林崎甚介とカムイ伝の林崎甚介が同一人物なのかどうかは分からないが、もしも同一人物であるなら、「歴史もの」「剣豪もの」としてスピンオフ作品として読んでみたい。
更に言えば、クシロというキャラも、主役をはれそうなキャラだと思う。
このように、ちょっと考えただけでも、これほどの「主役候補」がいる。
これらの「主役をはれそうなキャラ」が、一つの作品に登場していたのだ。
それぞれが波乱万丈の生涯を送っていて、どの人物もその生きざまが存在感たっぷりで描かれていた。
キャラや生き方に魅力があるから、それぞれが主役になれば、更に細かく描いて「膨らませがいのある」スピンオフ作品になるだろう。
これらのキャラのドラマを支流とするなら、いくつもの支流が合流し、一つの大河となって流れた、集大成的ドラマ。それがカムイ伝だ。
つくづくカムイ伝という作品の凄さ、奥深さを感じる。
カムイ外伝はこれまでに映像化されてきてるが、カムイ伝という本流作品が映像化されないのは不思議な気もする。
それは、作品の根底にある「差別への問題提起」が、ネックになっているのかもしれない。
また、それ以外の要因としては、「主役をはれるキャラ」が多数登場し、それぞれが波乱万丈の生き方をして、本ストーリーにからんできて、全体的に空前のスケール感があるから映像化が難しいのかもしれない。
へたしたら、物語の枝分かれが多方面に進み、バラけてしまい、ちょっとやそっとの長さの映像作品では一つにまとめるのが難しくて、収拾がつけられなくなる恐れもある。
だが、こうして、主要キャラのスピンオフ作品として描いていけば、ある程度は映像化も可能なのではないだろうか。
・・・とまあ、カムイ伝の昔からの大ファンとして、無理を承知で今回の日記を書いてみた。
「カムイ外伝」もいいけれど、「カムイ伝」を・・いつか映像作品として見れないものだろうか。
差別表現とされている表現や設定の問題をどうクリアするかは一考を要するだろうが・・。
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