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もう薔薇のシーズンは終わりました。今は花柄切をしています。返り咲きをする薔薇が1輪2輪咲いていますが、花はほとんどありません。葉っぱは緑が濃くなり、ぐんぐん力強く成長しています。
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病気のため、あまり薔薇に手をかけなかった年が続きました。でも、妹が2年位前から、薔薇を咲かせようよと言ってくれ、肥料や剪定や誘引の手伝いをしてくれます。そのおかげか、今年は、ずいぶん花が咲きました。
弱った株が、もう枯れるだろうと思っていたのに、新しいシュートが伸びて、元気いっぱいになったものもあります。花の命、木の命、とても不思議で私たちが思うように生きているわけではありません。
今残っている薔薇を、できるだけ世話をして、毎年咲かせたいと思います。
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私は、薔薇を育て始めて、25年くらいになります。ずいぶん夢中になって育てた10年、そのあとは、体力的に難しくなり、薔薇を減らし庭を作ってきた7年位、そして、夫が倒れ、私が病気になって、薔薇を放っておいた6年くらい、そして、今また薔薇をできるだけでいいから、育ててみようと思っている2年ほど。
薔薇に対する思いもいろいろと変化したと思います。今、私が薔薇を作ってきた中で、今もまだ強く感じていることを書いてみたいと思います。
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薔薇は風景をつくる、と教えてもらった村田晴夫さん、薔薇は薔薇1輪ではなく、1株でもなく、庭という風景をつくるものだと教えてもらいました。私の薔薇は、風景をつくる薔薇として存在しています。
だから、つる薔薇が多いです。シュラブもつる薔薇として、使ってきました。上のほうに花が咲いている庭は、とても華やかで美しいと思います。
そして、つる薔薇の下を通る時に、香りが豊かにこぼれ落ちるのが好きです。アーチやパーゴラや支柱にはわせた薔薇の生き生きと花咲き、ふんわりと香る世界は、別の世界のように思えます。
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薔薇の仕事は、剪定が大切だと思います。水やりも肥料やりも大切ですが、それは誰もがやっていることです。でも、剪定は、なかなかできないようで、だんだん大きくなって、そのうち、株が小さくなり、枯れてしまいます。剪定をしっかりすると、薔薇の形も美しくなり、英気も養われます。それは風景をつくるためにも必要なことです。
そして、薔薇を育てているときには、その薔薇の庭が、最初に息づき始める2月頃から、ずっと育っていく様子が見られることです。芽がでて、枝になり、葉っぱが開き、蕾ができて、花が咲き、そして、枯れていき、散っていく、その時間をずっと一緒に生きていかれます。それは、本当に美しく、映画を観ているようです。
そして、夕暮れの薔薇の庭の美しさも、言葉には表せません。初めて、その夕暮れの薔薇を見て、ああきれいと思った時のことを今もしっかり覚えています。日差しが陰った少し暗くなった庭に、薔薇の株がくっきりと浮き出し、その中に花が浮かび上がるのです。
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薔薇を作ることは、作る人にしかわからないような、とても豊かな経験をさせてくれることを、この頃思うようになりました。大変な仕事ではありますが、自分にしかわからない、素敵な時間をたくさんもらえるのです。
もう最後の写真なので、あまりきれいではありませんが、少し写真を載せてみます。上から夕方の庭(写真が下手なので、夕方の素晴らしい美しさは出ていません)、イングリッシュ・ローズのザ・ピルグリム、イングリッシュ・ローズのジェーン・オースティン、シュラブ・ローズのアンジェラ、シュラブ・ローズのロウ・ブリッター、つる薔薇のボルティモア・ベルです。