心の休憩室 パート2

何度か中断していますが、書きたいことがでてくると復帰しています。

般若心経その6 (訳と解説1)

2023-03-16 17:57:31 | 般若心経

【般若心経その5】

 

***訳と解説その1****

では、今回から訳と解説を示します。

 

*****(1)

観自在菩薩 かんじざいぼさつ

行深般若波羅蜜多時 ぎょうじんはんにゃはらみたじ

照見五蘊皆空 しょうけんごうんかいくう

度一切苦厄 どいっさいくやく

 

【訳】

聖なる観自在菩薩が、深遠な般若波羅蜜多(智慧の

完成)の行を行じながら観察なさった。

 

五蘊があり、そしてそれらの本質が空であると

見たのである。

そして一切の苦しみや厄いを超えたのである。

 

【解説】

・観自在菩薩は観音様のことである

・観音様は、菩薩の一尊

・釈迦が考え出した「五蘊」(=色、受、想、 行、敷)を

 「実体のないもの」(空、くう)だと主張している。

 (釈迦の考えを否定している)

 

*****(2)

舎利子 しゃりし

色不異空 空不異色 しきふいくう くうふいしき

色即是空 空即是色 しきそくぜくう くうそくぜしき

受想行識 亦復如是 じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ

 

【訳】

舎利子よ、

「物質要素」(色)は「実体がないという状態」(空性)と

別ものではなく、「実体がないという状態」は

「物質要素」とは別ものではない。

 

「物質要素」(色)が「実体がないという状態」(空性)なのであり、

「実体がないという状態」が「物質要素」なのである。

 

[五蘊のその他の要素である]「感受作用」(受)、

「構想作用」(想)、「意思作用およびその他の

様々な心の作用」(行)、「認識作用」(識)についても、

「物質要素」(色) と全く同じことが言える。

 

【解説】

・五蘊の「色、受、想、行、識」は全て「空」と

 同じだと言っている。

・「色」は五根(眼耳鼻舌身)と五境(色声香味触)の

 全てを意味する。

 

*****(3)

舎利子 しゃりし 

是諸法空相 ぜしょほうくうそう 

不生不滅 不垢不浄 不増不減 ふしょうふめつ ふくふじょう ふぞうふげん

 

【訳】

 

舎利子よ、

この世のすべての基本的存在要素(法)の特性は、

「実体がないという状態」である。

 

それらは起こってくることもなく、消滅することもない。

汚れることもなく、清らかになることもない。

減ることもなく、一杯になることもない。

 

【解説】

・「意」(六根の一つ)によって認識される

 「法」(六境の一つ)には実体がないと言っている。

・実体がないので、それらが生まれたり消えたり、

 汚れたりきれいになったり、増えたり減ったり

 している(ようにみえる)のも、すべて錯覚である。

・「意(心)」によって思い浮かべられるものが

 「法」である。(例えば、昨日の出来事を

  思い出すとか)

*****

 

(その7に続く)