かの野村克也氏が、桑田真澄投手を評して言った言葉がある。
「・・・投球の『ツボ』を知っている投手なら、プロ野球にごまんといる。でも、桑田投手のように、投球の『コツ』を掴んでいる投手はほとんどいない」
う~ん・・・この言葉を聞いたとき、思わずうなってしまった。
もちろん桑田投手がその言葉に相応しい投手であることは知っていたが、それ以上に、この言葉が持っている力は、普通の会社においても、社会生活においても、そして、音楽の世界にだって十分に通用すると思ったからだ。
ノウハウ本はもういらない!? ビジネス書の新潮流(プレジデントオンライン) - goo ニュース
↑ちょっとこんなニュースに触れてみた。
おらっちは平日はサラリーマン。
たまにはビジネス書だって読む。
でも、昔から「ノウハウ本」と呼ばれるものの類は好きじゃなかった。
「お金持ちがやっている100の習慣」だとか「デキる上司の接し方」だとか、そういったものは一切読む気が起きなかった。
だってさ、その習慣を自分がやったって、同じようにお金持ちに成れるとは限らないし、そういう接し方を自分が部下・後輩にしたところで、デキるかどうかなんて一概には言えないし・・・つまり、誰かが通ってきた道を他人が真似したって、その地位に行けるかどうかなんて誰にも分からないんだからね。
で、プレジデントオンラインのこの記事によれば、ようやくノウハウ本から客足が遠のいたようだ・・・まあ、おらっちの意見とは全く違う理由からだけどね。
結局、大切なのは「過程」だというのは当然なことだが、誰かが辿ってきた「過程」を通っていけばいいというものじゃなくて、「過程」そのものが十人十色であって、それこそがオリジナリティに繋がっていくと僕は考えている。
前出の桑田投手の話に戻ろう。
桑田投手のようなピッチャーになりたい子供がいるとしよう。
あなたがその子の親だったり、何かしら野球のアドバイスできる立場だったらどうする?
「桑田投手がやっている100の習慣」を教える?
そんなことしないでしょ。
そりゃあ、一つや二つは真似させてみるかもしれないけど、結局はその子供に合ったやり方を見つけ出そうとするでしょ。
音楽だってそう。
音楽を長くやっていると、「昔、○○はこういう(変わった)やり方でボイトレしていて音域が広がったって聞いたから、自分も同じやり方をやっている」とか、「○○は路上(ライブ)を年間100本以上やってて、たまたま通りかかったスカウトの目に止まったんだって。だから自分もできるだけ路上やることにした」とか、そういうことを言う人によくお目にかかるのだが、皆さんどう思う?
僕は大体、「へぇ~」って言って終わり。
「だから何?」と続けたいところだけど、それは言わない。
そのやり方で音域が広がったのはそのアーティストでしょ。
そのやり方でスカウトの目に止まったのは、路上を100本やってたからじゃなくて、光る何かを持っていたからでしょ。
光るものが何もなければ、365日路上に立って、スカウトが頻繁に通りかかったって素通りだよ。
「ツボ」を知るのは簡単。
でも、「コツ」を体得できるのは、知識を活かして自分だけの過程を前を向いて進んできた人だけ。
そんなことを考えていた土曜日のおらっちなのだった・・・。
Mizuki Ashida
■■ライブ告知♪■■
〔Monthly Best-2012.3.-〕
【日時】2012年6月30日(土) open/18:00 start/18:20
【会場】東高円寺LIVEHOUSE kaztou(Access Map:
http://www.kaztou.com/0_0000_00_map.html)
【出演】�イチオシの若手ホープ : けいた
�復活!歌姫 : 白鳥麻子
�3/11震災チャリティーの圧巻ライブ : 片山所長
�爽やか春一番night代表 : Mizuki Ashida
�Kazuna selectionより音の現代美術館 : lyra
【チケット】¥1,500+1drink
■公式ホームページ■
Be With Love ~Welcome to Mizuki's home~