「経済は世界史から学べ!」
茂木誠著、ダイヤモンド社、2013年11月
学生時代の歴史の授業では、
誰と誰が戦ったとか、どこを支配したとかに関心があり、
経済関係の史実への関心は薄く、テストのために年代と単語を丸暗記する程度でした。
株式等への投資活動を行い、経済への関心が高いいま本書を読むと、
当時丸暗記した単語が重要で、現代に繋がっているなあと感じます。
東インド会社は学生時代に名前くらいは覚えましたが、
株式会社の起源で、いま解説を読むと実感が沸きます。
17世紀のオランダではチューリップ・バブルが起きています。
後世から見れば何でチューリップの球根を高値で買うんだっていう話ですが、
渦中にいると高いとは思わず、むしろみんな買ってるから買わなきゃって
思っちゃうんでしょうね。
現代における株や不動産の取引と同じです。
本書が出版された2013年は日本銀行黒田総裁誕生の年です。
黒田総裁になってから日銀は金融緩和を続けていますが、
歴史では貨幣の金・銀の純度を下げて流通量を大量に増やすと、
貨幣価値が下がってインフレが起こり、
インフレを抑えるために貨幣の金・銀の純度を上げて流通量を減らすと、
貨幣価値が上がってデフレになり、行き過ぎると景気が悪化する、
ということを繰り返しています。
現在の金融緩和の結果と、次の政策はどうなるでしょうか。
著者の茂木氏は駿台予備校の世界史講師で著書も多く、本書も読みやすいです。
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