「会社の品格」
小笹芳央著、幻冬舎新書、2007年9月
著者の小笹芳央氏はリクルートから独立し、
人事を中心としたコンサルティング会社、リンクアンドモチベーションを設立した方。
2007年に出版された本ですが、今読んでも共感できる箇所が多く、
世の中いろいろ変わったようでいて、本質はあまり変わってないのかなあと感じました。
あんまり具体的に感想を書くと、今いる会社の悪口になってしまいそうなので、
ほどほどにしておきますが。
以下、主に共感できたところ(→は自分のコメント)。
第一章 今、会社の品格が厳しく問われている
・会社は経済合理軸だけで動くため不祥事を起こしやすい
・2000年から2007年までの15社の不祥事
→ 当時世間を騒がせた事件の数々。
カネボウ、三菱自動車、雪印、ヒューザー、コムスンなどが挙げられています。
第二章 組織の品格
・たとえ社会からズレていたとしても、会社な空気に合致した行動に出ることのできる人間のほうが、会社では評価される
・組織の品格を脅かす症状
→ 「拡大モードの会社」「成熟モードの会社」それぞれ4つずつ挙げられていてます。
第三章 上司の品格
・自分の頭で考えない上司が意外に多い
・部下は上司を一日で見抜く
第四章 仕事の品格
・組織内でしか通用しないスキルを必死で覚えようとすることは、リスクになる
・会議の長い会社はモチベーション・クライシスが起こる
第五章 処遇の品格
・単一文化によって、偏った価値観が会社を支配してしまい、社会とズレてしまっているのではないか
・役職はあくまで役割の違いに過ぎないのに、上下の関係で見てしまう
・生産性と働く意味
→著者は「1000人の雇用で10億円の利益を上げている会社」と「100人の雇用で10億円の利益を上げている会社」では、
後者の方が生産性が高いと評価されるが、前者も雇用者の「働く意味」をきちんと創り出している会社である、
と述べています。
自分もその通りと思いますが、株式市場ではどうしても前者の方が評価されがちで、
雇用を生み出している会社をどう評価するかはこれからの課題と感じました。
第六章 経営者の品格、社員の品格
・独自の規範を持つ組織においては、出世競争に敗れた人ほど社会的品格を備えている傾向がある
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