国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

衆-運輸委員会-11号 昭和58年05月18日 第10話

2014-09-28 09:05:28 | 国鉄関連_国会審議
みなさま、こんにちは。
硬い内容に関わりませず、ご意見いただけること深く感謝致します。
鉄道を趣味的視点だけから見ると楽しいのでしょうが、それでは本当の意味で鉄道を理解することは出来ません。
過去からの経緯そうしたものを知ることで見えてくるものがあると思っています。
私の場合、いささか独自研究的なところもございますし、当然専門的に大学で学んだものではございませんので専門家の方からすればいささか物足りないとは思いますが、あらゆるご批判をいただければと思います。
さて、今回の質問では前半部分で、国鉄監理委員会が動き出し、分割民営化に向けて動き出すわけですが、組合の協力、職場規律の確立などが問題視されておりこの時期を境に当局側もより強く出るようになってきたと思います。
郵政の場合はそうした波は5年ほど遅れており、私が郵政事務官(郵便局勤務)を始めた頃はまだ全逓による職場管理的な雰囲気が普通局の集配職員を中心にありましたから、そういった意味では国鉄の職場管理のプロセスは郵政でも参考になりました。(残念ながら、私が直接郵政で管理部門に出ることはありませんでしたが、学術的な視点で見ることが出来たのは幸いです。)

そして、後半では車両基地における「し尿処理」について質問されています。
新幹線に関しては100%トイレ付きでしたが、昭和58年ころでもトイレの一部は垂れ流しであり、特に旧型客車などに乗るとトイレの下に線路が見えル、そんな状況でした。

実際に、保線業務携わる人にとって、黄害は深刻な問題でした。
ちなみに、食堂車が戦後早々と冷房化されたのは、豪華さを出すとかではなくて、黄害防止が一番の目的だったようです。話が脱線しそうなので、この話はまた別の機会にアップさせていただきます。


     ────◇─────
    午後一時三十二分開議

中略

○西中委員 次に、国鉄監理委員会の問題についてちょっと伺っておきたいと思います。
 法案も成立をいたしましたことでございますが、一番のかぎを握っておるのは、監理委員会の人選ということがこの成否について大きな影響を及ぼすと思います。その点で、運輸省としてもその人選に御努力をいただいているようでありますけれども、今日までのこの委員会の人選作業はどういうようになっておるのか、伺っておきたいと思います。

○林(淳)政府委員 委員の人選につきましては、現在関係先への打診も含めまして、鋭意その選考、検討を進めておる段階でございます。

○西中委員 努力をいただいておると思いますけれども、なかなかむずかしい問題もあるようでございますが、新聞報道では臨調第三部会長の亀井さんが候補に挙がっており、交渉もされておるということでございますが、その後進展はございましたでしょうか、伺っておきたいと思います。

○長谷川国務大臣 西中さんが挙げられたその御本人にきのう私お目にかかりましたが、それは何さま大事業中の大事業ですから、熱意はあってもいざとなるとなかなか大変だというふうな御心配があるようでございまして、どういう形でか御理解を得たい、こう考えております。

○西中委員 せいぜいの御努力を要望いたしておきます。
 そこで、話は若干変わりますけれども、こうしていよいよ再建に向かって本格的に第一歩をしるしていくわけでありますけれども、再建の第一条件というのは、当事者である国鉄の労使が一体となって努力を重ねていくということが非常に重要な問題だろうと思います。この点については委員会でも何回も指摘をされておるところでありますし、また、当局もそれなりに御努力をいただいておると思います。しかし、現状はなかなかしっくりいっておらないというのが実情ではないだろうかというように私たちは考えておるわけでございます。
 一つの例でありますけれども、職員の合理化計画等につきまして、当局側からいろいろ決定される以前に労働組合側に提示をし、そして十分説明をする、こういうような手順がどうももう一つ徹底しておらないというか、行き届いた形にはなっておらないというようなことを聞いておるわけでございます。これは一方的な言い分かもしれませんけれども、組合側の言い方によると、こうした合理化案について当初いろいろ折衝を始める、その段階においてはとかく話が抽象的で、具体的な中身については知らされない、そういう段階で新聞報道では具体的な数字が出てくるというようなことが、これはいろいろ行き違いもあるのだろうと思いますけれども、新聞報道で初めて内容を知らされるというようなケースもあるというように言っておるわけなんです。こういう点で、これはどちらも国鉄という一つの企業の中での身内の問題でございますから、疑心暗鬼であるとか意思の疎通が十分でない、こういう状況であっては相ならぬと思うわけです。したがって、労使ともにいままでの行きがかり等を捨てて、どこまでも歩み寄るという姿勢で協調性を求めていくということが非常に重要な問題だろうと私は思います。その点について、どうももう一つしっくりしない点が、誤解も含めてあるのだろうと思いますけれども、残っておるようでございますので、こういった点はいままで以上に一層緊密な話し合い、協力関係というものをつくっていく努力が必要だと思いますので、今後の対応をどういうようにしていかれるか、国鉄の方にお伺いをしておきたいと思います。

○三坂説明員 お答えいたします。
 先生おっしゃるとおり、国鉄再建のためには労働組合の協力を得ることが最も大事であることは申すまでもないことでありまして、職場規律の改善、合理化等につきまして、できるだけ労使が心を合わせてやってまいりたいというふうに考えております。以前には、たとえば国労との間におきましても再建問題を協議する場がございまして、
その合理化数に同意は得られないにしましても、三十五万人体制を達していく場合には、年次ごとに各年次何万何千人の合理化数をわれわれは考えておるというふうなことを、数字でもって説明をする場があったわけでございますが、先生おっしゃいますように、若干のあつれきがございまして、現在再建懇が持たれておらぬ状況でございます。しかしながら、われわれはできるだけ事前協議の場を持ちまして、たとえば来年二月の貨物ダイヤ改正についてはこのような考え方を持っておる、また、その際に予定される要員合理化数はほぼ二万人強と考えておるという程度の説明をいたしまして、できるだけ理解を求めるように努めておる所存でございます。しかしながら、やはりプレスが方々で取材をいたしまして、自分たちの取材した成果あるいは憶測をも加えまして相当な数字を明確に打ち出す場合が間々ございます。私どもはやはりその考え方を述べて、しかる後にそれぞれの管理局におきまして具体的な輸送量、貨物ダイヤ等を詳細に調べまして、それによってそれぞれの管理局の駅で幾ら、機関区で幾ら、そして乗務員が幾ら浮いてくるかというものをつかんだ上で、改めて労働組合に、団体交渉の場に提示をいたすわけであります。その間におきまして、どうしても新聞等の数字の方が早く出るという御不満はあろうかと思いますが、これらの点は、やはり確実な数字を労働組合に御説明せざるを得ない立場もありますので、御理解をいただきたいと思います。しかし、いずれにしましても、おっしゃるように労使が心を合わせてやっていくということが非常に大事でございますので、あらゆる機会をつかまえてそのように努めてまいりたいと思っております。

○西中委員 マスコミがそういう動きをすることは当然あり得ることですから無理のない面もありますが、十分そのことも頭に入れて今後の運営を図っていただきたいと思います。
 それから、監理委員会がこれから種々検討作業を進められるわけでありますけれども、当然各方面の意見の聴取等も行われると思います。そこで国鉄の意見も当然いろいろ聞かれると思いますし、その場合には労使にわたって意見を聞くということもやはり大事ではなかろうかと思うのです。当事者たる国鉄職員は当然いろいろな意見があると思うのです。そういう点では、組合側の意見、要望等も十分聞いてあげるという姿勢は、やはり監理委員会にも望ましい方向ではなかろうかと私は思っておるわけであります。いま国鉄の労使の間でもなかなかうまくいってない状況で、その辺のところは困難は伴うと思いますけれども、監理委員会としてもやはりそういった点では十分配慮をしていただくことが大事だと私は思っておりますが、その点についてのお考えを伺っておきたいと思います。

○林(淳)政府委員 ただいま御質問の件につきましては、基本的には監理委員会がスタートをいたしまして、監理委員会の運営の問題として決められることではございますけれども、おっしゃるように、国鉄問題というのは非常に重要な問題でございますし、その再建というのはやり方次第で関係方面に非常に大きな影響も与える問題であるという認識から見ますれば、監理委員会におきましては、当事者はもちろんのこと、当事者の中には当局も含まれましょうし、それから関係の組合も含まれましょうし、そういう当事者はもちろんのこと、関係する方面の御意見というものをできるだけ幅広く承りながら審議を進めていくということになるだろう、このように考えております。

○西中委員 十分な意見も聞かずに、一方的にこうこうしかじかの案ができ上がったということであれば、幾ら案ができ上がっても、経営形態をどう変えるかは別として、将来の経営、運営という点については大きな阻害が起こってくるわけでありますから、どうかひとつその点は十分留意をいただきたい、このように要望しておきます。
 次に、国鉄の列車屎尿の処理問題について伺っておきたいと思います。
 そこで、この問題が何年か予算をつけていただいてそれなりの実績を示してこられたと思うのですけれども、これまで、過去どのような予算で、具体的にはどのような実績が上がってきたのか、お伺いをしておきたいと思います。

○半谷説明員 この列車便所の処理の問題でございますが、これは四十四年以来工事にかかっておりますが、最近の五十三年度以降の数字を申し上げますと、これは車両についております便所から汚物を抜きまして、それを処理して下水道あるいは河川に放流するためにつくる、主として基地の中に設けます地上設備の工事費でございますが、五十三年度予算では四十億七千万、これに対しまして決算は三十五億七千万。五十四年度で申し上げますと、三十五億に対しまして三十三億一千万。五十五年度も予算上は三十五億でございます。決算が二十九億四千万。五十六年度、同じく三十五億の予算で三十四億七千万。五十七年度予算は三十五億でございますが、決算は大体予算に近いもので終わると思いますが、まだ正確につかんでおりませんので、正確な数字はもうしばらくお待ちいただきたいと思います。五十八年度の予算上は二十六億二千万というものを見ているわけでございます。このほかに車両を改造する金があるわけでございますが、これは五十三年以降十四億、十一億、あるいはそれ以降実態に合わせまして数億の金を使ってきております。
 以上でございます。

○西中委員 この屎尿処理の基地でございますけれども、今日まで使用されておる基地、それから現在計画中の基地、これはどういう状況になっておりますか、伺っておきたいと思います。

○半谷説明員 現在、基地として稼働しておりますところは、新幹線用の車両基地としては十三基地ございます。それから、在来線の車両用として二十三基地ございます。これらの基地で現在汚物の処理をいたしているわけでございますが、これは国鉄の全車両から発生いたします汚物の量の約七七%を処理している状況でございます。それで、現在工事中あるいは近く工事にかかるという計画が、いま進められている基地が約九基地ございまして、これができ上がりますと、全体として八四%ということになる見込みでございます。あと残りますものは、優等としては大部分処理ができるわけでございますが、いわゆるローカル列車といいますか、一般の列車、電車等についております便所の処理がこの段階でまだ残るわけでございます。そのような状況でございます。

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