画像 Wikipediから引用
すみません、3週間以上も空けてしまいました。
内容が内容だけに、読んでいて面白くないだろうなぁと思いつつも、こうしたこともきちんとやはり検証していくことも大切かと思っています。
この審議録は昭和55年ですから実は30年以上前に議論された話なのですが、こうした議論が今も同じことを繰り返しているのはどうしたことかと怒りを感じるとともに、現在の技術をもってすれば解決できる課題もあるもしくは、ヒントがあるのかな、なんて思っています。
昭和55年当時でも、「交通機関のエネルギー消費量は国内の輸送機関につきましては全体のエネルギー消費の一四%、ただし石油だけで見ると二六%というような比較的大きなシェアになってまいります。」と言うように、言われていますが、現状でもさほどこのシェアは変わっていないような気がします。」
さらに、現状では原子力発電が停止していることによる石油消費の増大もあり、本格的にトラック輸送等で消費されるエネルギー消費をいかに抑えるか、総合交通体系というものを道路も含めて如何に考えていくかと言う曲がり角に来ているわけです。
そこで、「交通機関のエネルギー使用量というのをいかにして減らすか。それは先生先ほどからお話ございますような、鉄道のようなきわめてエネルギー効率のよろしいところに転換をしていくということが第一番目の要件かと思います。」
というお話になっていく訳です。
そのためには、「できるだけ公共交通機関の整備、またそれを利用していただきやすいようなサービスの向上というようなものを第一義的な政策として今後とも強化していかなきゃならぬ。」
と言われているわけで、その辺は全くその通りだと言えるのですが、現状はどうでしょうか?
道路は道路で整備、鉄道はといえば鉄道で整備するけれど並行在来線は切り離しと言うことで問題が大きくなっていると言う現状があります。
この辺は、むしろ当時よりもさらに後退していると言えましょう。
また、この指摘も注目に値すると思うのですが。
総合交通体系と言いながら、実際には、船・飛行機・鉄道 と 道路(車)ということで自動車を含めた総合交通体系を目指すべきなのに、それがなされていないと言う指摘がされています。
> 総合交通政策を検討していただいておると言いますけれども、私が一番、これは全般的に言えることでございますが、この運輸委員会でもいろいろ議論されておりますけれども、交通と運輸、総合交通といいましても、ここで議論されるのは鉄道、航空あるいは海上というふうなことの議論でありまして、道路が抜けておる。道路の方は建設委員会の方でいろいろまた議論がある。いろいろ会合に出ていましても、総合交通といっても、いまじゃ一番大きいウエートを占めておる道路がいつも外にあって、そして予算その他においても道路は道路財源の確保でもう大変だ。これは絶対に不可欠のものだと言って、いろいろなところで気勢を上げておられるということでありますから、総合交通体系で道路を外した総合交通の検討ということは意味がない、のじゃないかという感じがいたしますけれども、現実的にはいろいろな会合に出席しても、わりあいに道路は道路ということで独立をしておるということであります。
結局当時もそうですが、高速道路の建設が利権となってしまってその取り分に必死になっている、それがために本来総合的に議論すべき総合交通体系(自動車輸送を含めた)と言う議論が全くできていないことを指摘しています。
さらに、質問では、「トラックの輸送がふくそうしておる。それで、もういまの東名道路がパンクするから、第二東名が必要なのだということであります。
ところが、一方を見ますと、東海道線の方は、貨物はまだまだ余裕があるじゃないかと思うわけです。一方ががらがら、そしてしかもその投資がしてあるということならば、同じ投資をするなら、その第二東名のものの分を東海道の貨物の辺にも注ぎ込んで、そしてお客も便利なように、乗りやすい、あるいは確実に荷物が低コストで運べるように投資するということが本当の総合交通体系じゃないかと思うのでありますが、どうも私が見ておりますと、建設省関係の道路関係の方がどんどん先に進んでいるような関係がある。」
この辺の指摘は非常に注目すべきことだと思うのですが、実際現在第二東名が建設されており、160km/h走行可能な道路として建設されている。
また、鉄道に対しては嫌がらせかと思うほど地方都市などでも高速道路が鉄道に沿うように延伸されていくと言う現実、結果的に鉄道利用が減って利用しづらくなる。
高速道路を作ったことで結果的に町が疲弊したと言う笑えない現実。
実際それが現実ですよね。
少なくとも現在の問題はすでに30年前に問題提起されているわけですから、逆に言えばそこに答えというかヒントが隠されているような気がします。
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****************以下は、本文になります。***********************
○政府委員(石月昭二君) 御指摘のごとく、交通機関のエネルギー消費量は国内の輸送機関につきましては全体のエネルギー消費の一四%、それから国際輸送機関を含めまして一六%ということでございます。しかし石油の消費量ということについて見ました場合には、これは二六%というような比較的大きなシェアになってまいります。また先生ただいまお話ございましたように、やはり交通機関は移動するものでございますので、ほかの燃料転換ということが非常にむずかしいという問題で、エネルギーの確保ということについてはきわめて細心な注意を払っていかなきゃならぬ問題だと思っております。
したがいまして、私ども先ほど申し上げましたような形で将来のエネルギーの予測というものを精密にいたしているわけでございますけれども、まあ、これも予測でございますので、ただいまのイラン・イラク戦争のような突発的な問題もございますし、細心の上にも細心の注意を重ねて予測をしなけりゃいかぬと考えております。
同時に、交通機関のエネルギー使用量というのをいかにして減らすか。それは先生先ほどからお話ございますような、鉄道のようなきわめてエネルギー効率のよろしいところに転換をしていくということが第一番目の要件かと思います。したがいまして、できるだけ公共交通機関の整備、またそれを利用していただきやすいようなサービスの向上というようなものを第一義的な政策として今後とも強化していかなきゃならぬ。
それから第二番目といたしましては、現在使われております公共交通機関のエネルギー効率をより高めるという形での、たとえばトラックでございましたら、むだな交錯輸送を避けるための共同輸送であるとか、そのための帰り荷のあっせんであるとかいうようなソフトの政策も強化していかなきゃならぬ。さらには将来に備えまして、非常にむずかしい問題ではございますけれども、エネルギー源の転換もしくは現在のエネルギー消費を減らすような新技術の開発というような問題を進めていくというようなハード、ソフトの両面にわたりましたエネルギー政策につきまして、目下真剣に検討しているというのが実情でございます。
○江島淳君 早くそういうことなどを検討していただきたいと思うものでございます。
それから、いま総合交通政策を検討していただいておると言いますけれども、私が一番、これは全般的に言えることでございますが、この運輸委員会でもいろいろ議論されておりますけれども、交通と運輸、総合交通といいましても、ここで議論されるのは鉄道、航空あるいは海上というふうなことの議論でありまして、道路が抜けておる。道路の方は建設委員会の方でいろいろまた議論がある。いろいろ会合に出ていましても、総合交通といっても、いまじゃ一番大きいウエートを占めておる道路がいつも外にあって、そして予算その他においても道路は道路財源の確保でもう大変だ。これは絶対に不可欠のものだと言って、いろいろなところで気勢を上げておられるということでありますから、総合交通体系で道路を外した総合交通の検討ということは意味がないんじゃないかという感じがいたしますけれども、現実的にはいろいろな会合に出席しても、わりあいに道路は道路ということで独立をしておるということであります。
この八〇年というのは、いままでのような非常に景気のいい時代と違って、投資についてもプライオリティーをつけなきゃならぬ時代だどいうふうなことをよく言われておりますけれども、まず道路との総合交通体系で、たとえば投資をするときも、どちらが先行するかというふうなことの議論が一番大切なんじゃないかと思うわけです。
たとえば、いろいろちまたに聞きますと、東京-名古屋間で、たとえば第二東名高速道路が必要だということが道路関係ではよく言われております。これは主に東名間の貨物が、非常にトラックの輸送がふくそうしておる。それで、もういまの東名道路がパンクするから、第二東名が必要なんだということであります。
ところが、一方を見ますと、東海道線の方は、貨物はまだまだ余裕があるじゃないかと思うわけです。一方ががらがら、そしてしかもその投資がしてあるということならば、同じ投資をするなら、その第二東名のものの分を東海道の貨物の辺にも注ぎ込んで、そしてお客も便利なように、乗りやすい、あるいは確実に荷物が低コストで運べるように投資するということが本当の総合交通体系じゃないかと思うんでありますが、どうも私が見ておりますと、建設省関係の道路関係の方がどんどん先に進んでいるような関係がある。
たとえば、いま整備五新幹線のこともいろいろ地方から言われておりますけれども、これに対して国土庁の方でも資料が出ておる。私もいつか拝見したのでありますけれども、そういうふうな資料を見ますと、非常に道路の方がいいというふうな印象を与えるような資料が非公式的にもできておるというふうなことでありますから、そういうものがいろいろなところでばらまかれますと、いまの総合交通体系で、来年に運政審の結論が出るという前に、すでにもう偏ったそういったような意見が非常に進んでおるという感じがするわけであります。したがいまして、本当に国民経済的に、何に投資したら一番正しいのか、国民経済としても、先ほど石月さんが言われたように、そういうふうな最もミニマムになるかということの検討をやる前に、そういうふうな道路は道路、ほかの機関は機関というふうなことがあるというのを非常に憂えるわけであります。
したがいまして、これはぜひ運輸大臣にも閣議なんかでその辺のことを総合的にみんなで検討するというふうなことを特に強調していただきたいと思うんでありますが、そういう点に関しまして、いかがでございましょうか。
○政府委員(石月昭二君) 先生御指摘のように、現在の交通行政は、運輸省、建設省、警察庁というような各省に所管がまたがっております。したがいまして、総合性に欠けるという問題につきましては、そういう点もあろうかと思います。しかしながら、私どもこれから運輸政策審議会で議論いたします場合には、単に運輸省所管の交通施設だけではございませんで、道路も含めまして、たとえばその道路のコスト、それからエネルギー消費、それから要すれば需要量と道路コストというような関係も含めまして、各交通機関にわたりまして、施設整備のあり方、それから優先性、優劣というようなものについても議論をしていくつもりでございます。そういう意味におきまして、道路の問題もこの際十分に議論していきたいと思っておるわけでございます。
それから、第二東名のことにつきましては、私も新聞で承知しておるところでございますが、一つには、やはり道路投資の方が進んで、鉄道の整備がおくれるという先生の御指摘かと思いますけれども、この点につきましては、道路の方の財源調達システムというものが非常にうまくできておると申しますか、鉄道の方で、そういう資金の調達システムというものが、非常に調達が困難になっておるというような事情が一つあろうかと思います。この点につきましては、そういう問題も踏まえまして、私ども過去に資金調達のための特会というようなものも要求してまいったわけでございますが、諸般の事情でこれが実現できなかったということは先生御承知のところだと思います。
また、道路と鉄道の優劣の問題でございますけれども、これにつきましては、やはり鉄道の場合には、端末でどうしても自動車輸送を必要とする、小運送を必要とするというような問題もあり、それから現在の輸送機関選択の場合の荷主の選択基準というものが、トータルコストで物を考える。やはり幹線上の輸送コストだけでなくて、たとえばその端末輸送、さらには保管に要する費用というようなことも踏まえて輸送機関を選択する。したがって、幹線輸送が安くとも、大量に鉄道で輸送される場合には、それを保管する必要がある。
そういうような場合には、やはり若干高くともトラック輸送を使った方がトータルコストで安いというような、いろいろ荷主サイドの事情というものもあろうかと思いますので、この点につきましては、鉄道の輸送がそういう荷主の需要に対応するような、たとえばコンテナ輸送であるとか、機動性に富み、なおかつ小ロットの輸送が可能であるような輸送であるとか、そういう形で、鉄道の側でサービスの改善その他の努力をしていかなければならないと考えておりますし、そのような努力が現に行われているというように理解しているところでございます。
すみません、3週間以上も空けてしまいました。
内容が内容だけに、読んでいて面白くないだろうなぁと思いつつも、こうしたこともきちんとやはり検証していくことも大切かと思っています。
この審議録は昭和55年ですから実は30年以上前に議論された話なのですが、こうした議論が今も同じことを繰り返しているのはどうしたことかと怒りを感じるとともに、現在の技術をもってすれば解決できる課題もあるもしくは、ヒントがあるのかな、なんて思っています。
昭和55年当時でも、「交通機関のエネルギー消費量は国内の輸送機関につきましては全体のエネルギー消費の一四%、ただし石油だけで見ると二六%というような比較的大きなシェアになってまいります。」と言うように、言われていますが、現状でもさほどこのシェアは変わっていないような気がします。」
さらに、現状では原子力発電が停止していることによる石油消費の増大もあり、本格的にトラック輸送等で消費されるエネルギー消費をいかに抑えるか、総合交通体系というものを道路も含めて如何に考えていくかと言う曲がり角に来ているわけです。
そこで、「交通機関のエネルギー使用量というのをいかにして減らすか。それは先生先ほどからお話ございますような、鉄道のようなきわめてエネルギー効率のよろしいところに転換をしていくということが第一番目の要件かと思います。」
というお話になっていく訳です。
そのためには、「できるだけ公共交通機関の整備、またそれを利用していただきやすいようなサービスの向上というようなものを第一義的な政策として今後とも強化していかなきゃならぬ。」
と言われているわけで、その辺は全くその通りだと言えるのですが、現状はどうでしょうか?
道路は道路で整備、鉄道はといえば鉄道で整備するけれど並行在来線は切り離しと言うことで問題が大きくなっていると言う現状があります。
この辺は、むしろ当時よりもさらに後退していると言えましょう。
また、この指摘も注目に値すると思うのですが。
総合交通体系と言いながら、実際には、船・飛行機・鉄道 と 道路(車)ということで自動車を含めた総合交通体系を目指すべきなのに、それがなされていないと言う指摘がされています。
> 総合交通政策を検討していただいておると言いますけれども、私が一番、これは全般的に言えることでございますが、この運輸委員会でもいろいろ議論されておりますけれども、交通と運輸、総合交通といいましても、ここで議論されるのは鉄道、航空あるいは海上というふうなことの議論でありまして、道路が抜けておる。道路の方は建設委員会の方でいろいろまた議論がある。いろいろ会合に出ていましても、総合交通といっても、いまじゃ一番大きいウエートを占めておる道路がいつも外にあって、そして予算その他においても道路は道路財源の確保でもう大変だ。これは絶対に不可欠のものだと言って、いろいろなところで気勢を上げておられるということでありますから、総合交通体系で道路を外した総合交通の検討ということは意味がない、のじゃないかという感じがいたしますけれども、現実的にはいろいろな会合に出席しても、わりあいに道路は道路ということで独立をしておるということであります。
結局当時もそうですが、高速道路の建設が利権となってしまってその取り分に必死になっている、それがために本来総合的に議論すべき総合交通体系(自動車輸送を含めた)と言う議論が全くできていないことを指摘しています。
さらに、質問では、「トラックの輸送がふくそうしておる。それで、もういまの東名道路がパンクするから、第二東名が必要なのだということであります。
ところが、一方を見ますと、東海道線の方は、貨物はまだまだ余裕があるじゃないかと思うわけです。一方ががらがら、そしてしかもその投資がしてあるということならば、同じ投資をするなら、その第二東名のものの分を東海道の貨物の辺にも注ぎ込んで、そしてお客も便利なように、乗りやすい、あるいは確実に荷物が低コストで運べるように投資するということが本当の総合交通体系じゃないかと思うのでありますが、どうも私が見ておりますと、建設省関係の道路関係の方がどんどん先に進んでいるような関係がある。」
この辺の指摘は非常に注目すべきことだと思うのですが、実際現在第二東名が建設されており、160km/h走行可能な道路として建設されている。
また、鉄道に対しては嫌がらせかと思うほど地方都市などでも高速道路が鉄道に沿うように延伸されていくと言う現実、結果的に鉄道利用が減って利用しづらくなる。
高速道路を作ったことで結果的に町が疲弊したと言う笑えない現実。
実際それが現実ですよね。
少なくとも現在の問題はすでに30年前に問題提起されているわけですから、逆に言えばそこに答えというかヒントが隠されているような気がします。
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○政府委員(石月昭二君) 御指摘のごとく、交通機関のエネルギー消費量は国内の輸送機関につきましては全体のエネルギー消費の一四%、それから国際輸送機関を含めまして一六%ということでございます。しかし石油の消費量ということについて見ました場合には、これは二六%というような比較的大きなシェアになってまいります。また先生ただいまお話ございましたように、やはり交通機関は移動するものでございますので、ほかの燃料転換ということが非常にむずかしいという問題で、エネルギーの確保ということについてはきわめて細心な注意を払っていかなきゃならぬ問題だと思っております。
したがいまして、私ども先ほど申し上げましたような形で将来のエネルギーの予測というものを精密にいたしているわけでございますけれども、まあ、これも予測でございますので、ただいまのイラン・イラク戦争のような突発的な問題もございますし、細心の上にも細心の注意を重ねて予測をしなけりゃいかぬと考えております。
同時に、交通機関のエネルギー使用量というのをいかにして減らすか。それは先生先ほどからお話ございますような、鉄道のようなきわめてエネルギー効率のよろしいところに転換をしていくということが第一番目の要件かと思います。したがいまして、できるだけ公共交通機関の整備、またそれを利用していただきやすいようなサービスの向上というようなものを第一義的な政策として今後とも強化していかなきゃならぬ。
それから第二番目といたしましては、現在使われております公共交通機関のエネルギー効率をより高めるという形での、たとえばトラックでございましたら、むだな交錯輸送を避けるための共同輸送であるとか、そのための帰り荷のあっせんであるとかいうようなソフトの政策も強化していかなきゃならぬ。さらには将来に備えまして、非常にむずかしい問題ではございますけれども、エネルギー源の転換もしくは現在のエネルギー消費を減らすような新技術の開発というような問題を進めていくというようなハード、ソフトの両面にわたりましたエネルギー政策につきまして、目下真剣に検討しているというのが実情でございます。
○江島淳君 早くそういうことなどを検討していただきたいと思うものでございます。
それから、いま総合交通政策を検討していただいておると言いますけれども、私が一番、これは全般的に言えることでございますが、この運輸委員会でもいろいろ議論されておりますけれども、交通と運輸、総合交通といいましても、ここで議論されるのは鉄道、航空あるいは海上というふうなことの議論でありまして、道路が抜けておる。道路の方は建設委員会の方でいろいろまた議論がある。いろいろ会合に出ていましても、総合交通といっても、いまじゃ一番大きいウエートを占めておる道路がいつも外にあって、そして予算その他においても道路は道路財源の確保でもう大変だ。これは絶対に不可欠のものだと言って、いろいろなところで気勢を上げておられるということでありますから、総合交通体系で道路を外した総合交通の検討ということは意味がないんじゃないかという感じがいたしますけれども、現実的にはいろいろな会合に出席しても、わりあいに道路は道路ということで独立をしておるということであります。
この八〇年というのは、いままでのような非常に景気のいい時代と違って、投資についてもプライオリティーをつけなきゃならぬ時代だどいうふうなことをよく言われておりますけれども、まず道路との総合交通体系で、たとえば投資をするときも、どちらが先行するかというふうなことの議論が一番大切なんじゃないかと思うわけです。
たとえば、いろいろちまたに聞きますと、東京-名古屋間で、たとえば第二東名高速道路が必要だということが道路関係ではよく言われております。これは主に東名間の貨物が、非常にトラックの輸送がふくそうしておる。それで、もういまの東名道路がパンクするから、第二東名が必要なんだということであります。
ところが、一方を見ますと、東海道線の方は、貨物はまだまだ余裕があるじゃないかと思うわけです。一方ががらがら、そしてしかもその投資がしてあるということならば、同じ投資をするなら、その第二東名のものの分を東海道の貨物の辺にも注ぎ込んで、そしてお客も便利なように、乗りやすい、あるいは確実に荷物が低コストで運べるように投資するということが本当の総合交通体系じゃないかと思うんでありますが、どうも私が見ておりますと、建設省関係の道路関係の方がどんどん先に進んでいるような関係がある。
たとえば、いま整備五新幹線のこともいろいろ地方から言われておりますけれども、これに対して国土庁の方でも資料が出ておる。私もいつか拝見したのでありますけれども、そういうふうな資料を見ますと、非常に道路の方がいいというふうな印象を与えるような資料が非公式的にもできておるというふうなことでありますから、そういうものがいろいろなところでばらまかれますと、いまの総合交通体系で、来年に運政審の結論が出るという前に、すでにもう偏ったそういったような意見が非常に進んでおるという感じがするわけであります。したがいまして、本当に国民経済的に、何に投資したら一番正しいのか、国民経済としても、先ほど石月さんが言われたように、そういうふうな最もミニマムになるかということの検討をやる前に、そういうふうな道路は道路、ほかの機関は機関というふうなことがあるというのを非常に憂えるわけであります。
したがいまして、これはぜひ運輸大臣にも閣議なんかでその辺のことを総合的にみんなで検討するというふうなことを特に強調していただきたいと思うんでありますが、そういう点に関しまして、いかがでございましょうか。
○政府委員(石月昭二君) 先生御指摘のように、現在の交通行政は、運輸省、建設省、警察庁というような各省に所管がまたがっております。したがいまして、総合性に欠けるという問題につきましては、そういう点もあろうかと思います。しかしながら、私どもこれから運輸政策審議会で議論いたします場合には、単に運輸省所管の交通施設だけではございませんで、道路も含めまして、たとえばその道路のコスト、それからエネルギー消費、それから要すれば需要量と道路コストというような関係も含めまして、各交通機関にわたりまして、施設整備のあり方、それから優先性、優劣というようなものについても議論をしていくつもりでございます。そういう意味におきまして、道路の問題もこの際十分に議論していきたいと思っておるわけでございます。
それから、第二東名のことにつきましては、私も新聞で承知しておるところでございますが、一つには、やはり道路投資の方が進んで、鉄道の整備がおくれるという先生の御指摘かと思いますけれども、この点につきましては、道路の方の財源調達システムというものが非常にうまくできておると申しますか、鉄道の方で、そういう資金の調達システムというものが、非常に調達が困難になっておるというような事情が一つあろうかと思います。この点につきましては、そういう問題も踏まえまして、私ども過去に資金調達のための特会というようなものも要求してまいったわけでございますが、諸般の事情でこれが実現できなかったということは先生御承知のところだと思います。
また、道路と鉄道の優劣の問題でございますけれども、これにつきましては、やはり鉄道の場合には、端末でどうしても自動車輸送を必要とする、小運送を必要とするというような問題もあり、それから現在の輸送機関選択の場合の荷主の選択基準というものが、トータルコストで物を考える。やはり幹線上の輸送コストだけでなくて、たとえばその端末輸送、さらには保管に要する費用というようなことも踏まえて輸送機関を選択する。したがって、幹線輸送が安くとも、大量に鉄道で輸送される場合には、それを保管する必要がある。
そういうような場合には、やはり若干高くともトラック輸送を使った方がトータルコストで安いというような、いろいろ荷主サイドの事情というものもあろうかと思いますので、この点につきましては、鉄道の輸送がそういう荷主の需要に対応するような、たとえばコンテナ輸送であるとか、機動性に富み、なおかつ小ロットの輸送が可能であるような輸送であるとか、そういう形で、鉄道の側でサービスの改善その他の努力をしていかなければならないと考えておりますし、そのような努力が現に行われているというように理解しているところでございます。
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