さて、そんなことはさておき本日も国会審議議事録から抜粋したものをお届けしたいと思います。
今回は、昭和42年6月の参議院 第55回運輸委員会方お伝えしたいと思います。
議題は、昭和42年6月18日山陽電鉄塩屋駅構内で発生した、爆発事故【この事故で乗客2名が死亡、17名が負傷】の件が議題に上がり議論されています。
当時は学生紛争が多発し、暴力革命をめざす過激派による爆弾事件が多発していた時期でもありました。
そのような時代背景も含めて読んでいただけると幸いです。
こちらも参考にしてくださいね。
第055回国会 運輸委員会 第12号
昭和四十二年六月二十日(火曜日)
午後一時十八分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 天坊 裕彦君
理 事
岡本 悟君
谷口 慶吉君
岡 三郎君
小酒井義男君
委 員
江藤 智君
金丸 冨夫君
木村 睦男君
平島 敏夫君
前田佳都男君
森田 タマ君
大倉 精一君
木村美智男君
吉田忠三郎君
岩間 正男君
国務大臣
運 輸 大 臣 大橋 武夫君
政府委員
警察庁刑事局長 内海 倫君
運輸政務次官 金丸 信君
運輸省海運局長 堀 武夫君
運輸省船員局長 河毛 一郎君
運輸省鉄道監督
局長 増川 遼三君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道副
総裁 磯崎 叡君
日本国有鉄道常
務理事 井上 邦之君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○船員災害防止協会等に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
(山陽電鉄の電車内における爆発事件に関する
件)
(日本国有鉄道の運営に関する件)
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○委員長(天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
船員災害防止協会等に関する法律案を議題といたします。
まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。金丸運輸政務次官。
省略
○委員長(天坊裕彦君) 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
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○委員長(天坊裕彦君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
去る十八日の山陽電鉄電車内における爆発事件について、運輸省当局から発言を求められておりますので、これを許します。増川鉄道監督局長。
○政府委員(増川遼三君) お手元にお配りいたしました資料によって御説明を申し上げます。
六月の十八日十四時五分に、山陽電鉄の塩屋駅構内におきまして下り普通列車の中におきまして爆発物によります事故が起こったわけでございます。
この状況を申し上げますと、本列車には乗客が約百名乗っておったのでございますが、塩屋駅に入駅いたしましてホームに停車する寸前におきまして、後部車両の第三とびら付近で突然大音響が起こりまして白煙が生じたわけでございます。車掌が直ちに開扉いたしまして第二とびら付近にかけつけましたところ、その床上に婦人が二名倒れておられたわけでございます。かけつけました運転士と駅務掛及び乗客が協力いたしまして負傷者を救助した次第でございます。
この原因といたしましては、現在警察当局に詳細をお願いいたしておるわけでございますが、旅客の持ち込みによります時限爆発物の爆発であろうというふうに推定をされております。
関係者といたしましては、運転士は経験七・四年でございまして三十五歳でございます。車掌は三十四歳、経験年数六・一一年でございます。
その他、爆発物につきましては、鉄製円筒――十センチに二十センチという円筒の中に塩素酸カリ、黄燐、工業用雷管、目ざまし時計、電池を組み込んだもののようでございまして、網だなの上に置かれていたと推定されるのでございます。
この事故によります本線支障時間は十七分でございます。
かようなことが、過去にも類似のものがございまして、またつい最近におきましては、新幹線のひかり号の中に爆発物が置かれておったということもございますし、また東京駅の八重洲口で爆発物が爆発したというようなこともございまして、自来、運輸当局並びに鉄道事業者といたしましては、非常にこの点に留意いたしまして監視の目を張り、あるいは警乗を強化してきたところでございますが、今回またしてもこういうような事件が山陽電鉄におきまして起こったということはまことに遺憾に存ずる次第でございます。要は、このような類似の事件が発生しませんように警察、検察当局の御努力をお願いしたい気持ちで一ぱいでございますが、なお今後ともわれわれもできる限りの手を尽くしまして列車とか、あるいは駅等におけるこの種の事件というものが発生いたしませんように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
以上、簡単でございますが、山陽電鉄における列車爆発事故に関する御報告を終わります。
○委員長(天坊裕彦君) ただいまの報告に対して質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○吉田忠三郎君 ただいま事故の報告がございましたが、事故があるたびに、まことに遺憾に存じます、どこかの歌の文句にあったような答弁ばかり、報告しているのですが、問題は、東京駅にああいう問題が起きて、さらに国際的にもたいへん注目されているこの新幹線ひかり号においてもそういう事件がございましたね。いままた三たび目の事件でございますけれども、一体これに対して運輸省として防備の体制を、対策をどうこれはとられておるかということがやはり国民の側から見れば非常に心配をせざるを得ない点がある。同時に、警察は一体こうした問題に対する――警察の方はおそらく来ていると思いますが、対策をどう考えているかということですが、ただ単なる駅の構内における爆発事件だけで私は見るべきものじゃないのじゃないかと思うのですよ。たいへんこれは国民の側から見ますと心配の多い事件ですから、この関係の対策を一体どう――前回にすでに二件も事件があるわけですから、同じような事件がございますから具体的にどういう対策をとったか報告をしなければ、ただ単に、まことに遺憾に存じますと言っても、これは国民がなかなか納得しないのじゃないか、こう思うのです。
○委員長(天坊裕彦君) きょう警察の人は来ておりませんが。……
○吉田忠三郎君 大体こういう大事件が起きて、警察がこういうところに来ないというのは大体おかしい。
○岩間正男君 運輸大臣来ないですか。これはもう少し政治的に究明しないと、ただ政務次官、だけではしようがないな。運輸大臣をちょっと呼んでもらって、閣議なんかで問題にするのかしないのか、この前のはどうなっているのか、経過も聞いてみないと、そんなに長くなくていい。いまから緊急に運輸大臣呼んでもらったらどうですか。
○委員長(天坊裕彦君) 速記やめて。
〔速記中止〕
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