国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄労働組合史 142

2011-04-19 23:51:03 | 国鉄労働組合史

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第三章 分割・民営化攻撃の本格化と国労闘争

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第二節 分割・民営化推進体制の確立
           ―内閣. 運輸省. 国鉄―
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├○ 二 政府の分割・民営化推進体制 │
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 「国鉄改革のための基本的方針」の閣議決定監理委員会の最終答申をうけた政府は、85年7月30日の閣議で答申を「最大限尊重する」と決定し、「国鉄改革に関する関係閣僚会議」を設置した。8月7日、政府は「国鉄余剰人員雇用対策木部」の設置を閣議決定し、労働省にこれを置き、国鉄当局は、「雇用対策室」を新設した( 前述) 。10月11日、政府は国鉄改革関係閣僚会議と閣議で、最終答申をひきうつした国鉄を六分割・民営化する「国鉄改革のための基本的方針」を決定した。そして、答申どおり分割・民営化の時期を87年4月1日とし、そのための所要の法案を次期国会に提出する方針を打ち出した。

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├○ 三 政府の分割・民営化推進体制 │
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 「国鉄改革のための基本的方針」の閣議決定 監理委員会の最終答申をうけた政府は、85年7月30日の閣議で答申を「最大限尊重する」と決定し、「国鉄改革に関する関係閣僚会議」を設置した。8月7日、政府は「国鉄余剰人員雇用対策本部」の設置を閣議決定し、労働省にこれを置き、国鉄当局は、「雇用対策室」を新設した。10月11日、政府は国鉄改革関係閣僚会議と閣議で、最終答申をひきうつした国鉄を六分割・民営化する「国鉄改革のための基本的方針」を決定した。そして、答申どおり分割・民営化の時期を87年4月1日とし、そのための所要の法案を次期国会に提出する方針を打ち出した。
 中曽根総理大臣は国鉄改革関係閣僚会議の席上、「国鉄再建は、行政改革に残された最も重要かつ緊急な課題だ。この方針に基づいて通常国会に改革法案が提出できるよう、運輸大臣を中心に担当省庁で努力してもらいたい。私も全力を挙げてこの改革の実現に取り組む」と決意を述べた。

 《基本方針の骨子》
  ① 旅客鉄道部門を北海道、四国、九州と本州(東日本、東海、西日本)の六つに分割する、
  ② いずれも国鉄出資の特殊会社として87年4月1日に発足するが、経営基盤が整いしだい株式を  放出し、早期に純民間会社とする、
  ③ 貨物部門は単一会社とし、国鉄バスは分割し、それぞれ独立させる。
  ④ 新幹線はその資産をリース会社が一括保有し、本州の三社が借りて運営する。
  ⑤ 長期債務など37兆円の負債は6兆円を国鉄用地売却で処理、14兆円を新事業体が引き継ぎ、残りの17兆円を国民負担で処理する。
  ⑥ 特定地方交通線は切り捨て、他の地方交通線も「地域の実情に即した運営」「徹底した合理化」に努める。
  ⑦ 新事業体の要員規模は合理化によって18万3000人とし、これによって生じる9万3000人の余剰人員は、新事業体と旧国鉄に振り分け、旧国鉄に所属する余剰人員の転職は、特別立法などにより政府が強力に支援する。
 この決定によって関連法案の準備にはいるが、その前に長期債務を処理する新たな財源対策及び余剰人員の再雇用対策などを具体的に示す必要があるため、そのあと政府は、国鉄、運輸省、大蔵省、労働省などを中心に、基本的方針に沿って詰めを急がせた。
関連法案の次期通常国会への提出は、86年2月ごろをめどとした。
 国労は、政府が「国鉄改革のための基本的方針」を決定したことに対し、同日要旨次のような声明を発表した。
  「政府の閣議決定は、答申直後の「対処方針」に引き続くものだが、「基本的方針」は最終答申の「趣旨に沿って」政府の態度として決定したものにすぎない。答申については、専門家をはじめ各界から批判や疑問が相次いでいる。世論調査でも大部分の国民が疑問を持っている。こうした批判や疑問にこたえることなく、分割・民営化を強行しようとする閣議決定は、きわめて遺憾だ。「基本的方針」は分割・民営化に対する基本的な論点、 技術上の諸問題、新事業体の収支見通しなど、政府がどのような検討を加えたかは不明のままであり、また長期債務の財源、余剰人員問題についても対処策は明らかにされていない。われわれは答申以降、5000万署名をはじめとする分割・民営化反対の闘いをくりひろげてきたが、分割・民営化の内容が明らかになるに従って反対運動は盛り上がりつつある。われわれは社会党を中心とする野党と連携を密にし、次期国会で徹底した論戦をくりひろげるとともに、引き続き総評に結集する仲間とともに、利用者・国民の支援・協力のもとに強力に闘いを推し進める。」
 社会党の小柳勇国鉄再建対策委員長は、政府の「基本的方針」の決定に対し、「密室審議の中でまとめた分割・民営化を柱とした内容に沿ったものだ。国鉄を危機に追い込んだ政府自身の反省がなく、地方交通線を切り捨て、後始末を国民と国鉄関係労働者の犠牲で行おうというもので、許し難い」との抗議談話を発表した。
 共産党もこの閣議決定に対し、「国鉄解体を実施する基本方針を閣議決定したことは、国民と国鉄労働者の批判を無視した暴挙であり、断じて許すことができない。この決定は国鉄の経営危機を作り出した政府・自民党、財界の責任を免罪したうえ、膨大な債務の解決方針を示すことなく、国民と国鉄労働者に犠牲を転嫁するものであり、ローカル線廃止、運賃値上げ、国鉄労働者の大量首切りなど百害あって一利なしだ。」との談話を発表した。
 
続く


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