福岡義登議員〈日本社会党)その後三次市長を4期務めて引退、平成13年に77歳で死去しておりますが、中々鋭いツッコミといいますか、よく勉強されているなぁというのが正直な気持ちです。
まぁ、元国鉄職員さんですから当然といえば当然ですね。
政治家人名事典から引用
福岡 義登
フクオカ ヨシト
肩書 三次市長,元・衆院議員(社会党)
生年月日 大正12年5月18日
出身地 広島県三次市
学歴 十日市高小卒 国鉄技能者養成所〔昭和15年〕卒
経歴 旧国鉄に入り、昭和22年国労広島支部執行委員長、36年広島県労組会議事務局長を経て、42年衆院議員に広島3区で当選。58年まで4期13年間、代議士として建設、運輸各常任委員会理事や国土総合開発審議会、中国地方開発審議会委員などを歴任。61年11月から三次市長に4選。
受賞 勲二等瑞宝章〔平成11年〕
以下簡単に、コメントと言うか解説を入れさせていただきます。
> 新幹線が一番大きい投資でしょう。それから、政治路線と言われる、後でも議論しますけれども、どっちみち開通をしてももうけにならぬ、赤字がはっきりしておる、そういうローカルの新線建設というものを中心に投資をしてきたわけであります。戦時中や戦後に酷使をした在来線の機能回復というものは十分なされていないのであります。
これは、正論であり、政治家に翻弄された国鉄、特に昭和38年頃から国鉄としては建設しても儲からない路線は引き受けたくないので極力建設していなかったのですが、それを嫌ったのが田中角栄でした。
田中角栄という人は結構鉄道好き?だったらしくて、国鉄が線路を建設しないのであればということで、昭和39年3月23日に国と国鉄の出資で誕生した組織であり、国鉄の希望とは別にローカル線が建設される元凶となりました。
ここで問題なのは、赤字路線であるローカル線を国鉄の意志に関係なく建設して、出来上がったら無理やり押し付ける・・・そんな手法でしたね。
いわば、ドラえもんに出てくる、ジャイアンがのび太に、自分の要らなくなったものを無理やり押し付けるみたいなものですね。
その反面、湖西線や京葉線など儲かる路線の場合は有償譲渡なので、こちらは使用料を30年年賦で貸し付けるわけです。先の地方ローカルの場合は無償譲渡なので、見かけはいいのですが、全線高架だったりして、保守に費用がかかる方式を採用しているためという難儀なものでしjた。
> 在来線の機能回復というものは十分なされていないのであります。たとえば線路に例をとりますと、まだ軽量軌道、三十五キロクラスの軌道が物すごくある。貨物列車がときどき競合脱線をする。やはり線路の状態がよくないからである。それから、大臣は案外ローカル線にはお乗りになっていないかもしれませんが、線路が悪いために、あるいは車両が十分でないために時速三十キロ前後の運転しかできない。しかも、都市圏輸送で言えば、通勤輸送の需要は高いけれども一、もう国鉄の能力は限界に来ておる。
この辺もそうですが、本来であれば在来線の保守が優先されるべきところに直接必要ないであろうローカル線を建設してそちらに費用を取られている悪循環を指摘しているのですが、実際当時は労使関係の悪化もあり線路の保守も最低限しか行われていなかったという事実も見落としては行けないと思います。
少し長文になりますが、一気に引用します。
> 裏側から言えば、今後国鉄の再建をやる一つは、機能低下をしておるものを向上させる、こういうことが必要だと思うのであります。あわせて、先ほどちょっと言いましたけれども、今日まで国鉄がいろいろな意味で合理化をしてきた。増収対策よりも、業務の切り捨て、サービスの低下と運賃値上げでつじつまを合わそうとされてきた。合理化によってサービスが低下している。たとえば駅の無人化がそうであります。利用度が少ないからといって列車ダイヤを削減をするということもそうです。あるいは車両の改造をやればもう少しよくなるのに、経費を節約をするという理由から手心を加えられておる。私もある程度車両はわかるのでありますけれども、ときどき乗ってみまして、ここにちよっと手を加えれば、この車両は乗り心地がよくなるのになと思うことが再三再四であります。さっき言いましたように、スピードがダウンしておるわけで、職員をどんどん減らすわけでありますからサービスも低下する。例の夜行寝台などは、私どももよく利用さしていただくわけでありますが、一ころのサービスに比べると格段の差であります。前はボーイが乗ってきちっと寝床も延べて、朝は新聞を配って、いろいろサービスをしていた。このごろは最初からだれもいない。こういうように今日まで、一口で言いますと無理な合理化をやってサービスを低下させて、国鉄からお客を追い出しておる。
結局最後の言葉に集約されていると思うのですが、「サービスを低下させて、国鉄からお客を追い出しておる。」この辺りは、現在のJR各社にも言えることかもしれませんね。
乗らないから、合理化で辻褄を合わせる・・・お役所体質といえるかもしれませんがそれが残念ながら国鉄にはかなりの割合で蔓延していましたね。
以下、国会審議の内容になります。***********************************************
○福岡委員 国鉄は明治の時代からもう百年以上経過したことは事実なんです。道路は最近になってからだ、こうおっしゃる、その意味もわからぬわけじゃない。ところが、国鉄の実態というのは、戦時中あるいは戦後、あれだけ酷使しておる。戦後の国鉄に対する投資というのは、新幹線が一番大きい投資でしょう。それから、政治路線と言われる、後でも議論しますけれども、どっちみち開通をしてももうけにならぬ、赤字がはっきりしておる、そういうローカルの新線建設というものを中心に投資をしてきたわけであります。戦時中や戦後に酷使をした在来線の機能回復というものは十分なされていないのであります。たとえば線路に例をとりますと、まだ軽量軌道、三十五キロクラスの軌道が物すごくある。貨物列車がときどき競合脱線をする。やはり線路の状態がよくないからである。それから、大臣は案外ローカル線にはお乗りになっていないかもしれませんが、線路が悪いために、あるいは車両が十分でないために時速三十キロ前後の運転しかできない。しかも、都市圏輸送で言えば、通勤輸送の需要は高いけれども一、もう国鉄の能力は限界に来ておる。
申し上げれば際限がございませんが、いままでの公共投資が非常に偏在をしておる。国鉄の機能を低下させるような公共投資しかしていなかった。裏側から言えば、今後国鉄の再建をやる一つは、機能低下をしておるものを向上させる、こういうことが必要だと思うのであります。あわせて、先ほどちょっと言いましたけれども、今日まで国鉄がいろいろな意味で合理化をしてきた。増収対策よりも、業務の切り捨て、サービスの低下と運賃値上げでつじつまを合わそうとされてきた。合理化によってサービスが低下している。たとえば駅の無人化がそうであります。利用度が少ないからといって列車ダイヤを削減をするということもそうです。あるいは車両の改造をやればもう少しよくなるのに、経費を節約をするという理由から手心を加えられておる。私もある程度車両はわかるのでありますけれども、ときどき乗ってみまして、ここにちよっと手を加えれば、この車両は乗り心地がよくなるのになと思うことが再三再四であります。さっき言いましたように、スピードがダウンしておるわけで、職員をどんどん減らすわけでありますからサービスも低下する。例の夜行寝台などは、私どももよく利用さしていただくわけでありますが、一ころのサービスに比べると格段の差であります。前はボーイが乗ってきちっと寝床も延べて、朝は新聞を配って、いろいろサービスをしていた。このごろは最初からだれもいない。こういうように今日まで、一口で言いますと無理な合理化をやってサービスを低下させて、国鉄からお客を追い出しておる。
私鉄と国鉄の乗り心地ですね。新幹線は、これは別格でございますけれども、その他の一般列車の車両で比較をしますと、やはり私鉄の方が乗り心地がいい。それはもう狭軌である、国鉄のレールの幅は狭い、そういうこともあるでしょうが、しかし車両を改造したり、あるいは古くなったものは置きかえるとか、線路が弱っておればそれを取りかえるとか、そういうことをやっていけば私鉄と同じくらいの乗り心地にはなるはずであります。
さっき何回も申し上げておりますように、増収の基本ば利用者をふやすということであるのに、その対策を忘れてサービスを低下させて、逆に利用者を追い出しておる、これが国鉄再建ができなかった第三の理由だと思うのです。
どうお考えでしょうか。根本的に再建への角度が、方向が間違っておるということを私はお尋ねしたいのであります。
○塩川国務大臣 サービスの低下と機能の低下は、私は相関連しておるものと思います。
確かに、おっしゃるように、私も先日東北線に乗ってまいりましたが、東北線の大宮に至るまでの間、北の方から上野へ帰る途中でございましたが、大変な揺れでございまして、技術屋として経験しておられる先生方から見ると、特に福岡先生から見たら、これは大変な傷みであろうということがおわかりになる。私ら自身でも減耗しておることが直接わかるような状態でございます。そういうところに投資をいたしたい。私は、国鉄が再建をする一つの再建努力目標の中に、そういう一番利用していただいておるお客さんに対する、そういう物の面から、いわゆる設備の面からするところのサービスの提供ということ、これは大いに努めていかなければならないと思うております。それと同時に、国鉄の労使双方が一体となりまして、利用されるお客さんに気持ちのいい国鉄としてのサービスの提供、私はこれも一つの大きい再建の要因になってくるのではないかと思うております。
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