俺は素面でそれが見られるか心配だ
しっかりと目を合わせられか、自信はまるでない
朝の8時半、ホテルのロビーで
俺は素面で、何気ない振りで
心臓と言うか魂が萎えているのが分かる
が、しかしガッツを振り絞る
どうしてって、
それは彼女のもっとも栄光に映えた姿だからだ
娘と一心同体になって
すでに俺には届かない光の中から
なんと笑って手招きをし、俺にその子に触れろと腹を突き出す
その目を見つめていたら
忘れていたものがいくつも呼びだされ
危うく膝をつきそうなほど
ガッツは萎えていた
それでも俺は詩の朗読の為に
バッジを受け取り、胸にネームを貼り付け
堂々と踵を返す、
振りをする。
どいつもこいつもの聴衆の為に
俺は来たくもない海辺にいるが、
気付けばかがんだ俺の隣には
眩しいあの女が同じ姿勢で微笑んでいた。
不覚にも俺は泣いていた
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