TBSで金曜10時から放送されていた「不適切にもほどがある」が終了しました。宮藤官九郎脚本のオリジナルストーリーであることから注目され、SNS界隈でもかなり話題になってました。
ただ、私はどうも評価が難しいというのが正直なところ。面白いシーンは多々あったのは間違いないですが、どうも人間関係と時系列がわかりにくいところや、突然ミュージカルシーンが出てきて面食らうというあたり、かなり好き嫌いが分かれたのではないでしょうか。私はわかりにくい点と、話題作りを狙いすぎという感じでドラマとしては没入できませんでした。
開始前は「1980年代からタイムスリップしてきた教師が現在では不適切といえる言動で暴れまくり、コンプライアンスが厳しくなった世の中に物申すというドタバタのコメディ」を想像してました。
が、実際はタイムマシンにより過去と現在の人々が入り混じり、自分の孫や娘の結婚相手にも遭遇してしまい、自分や娘の寿命まで知ってしまうという単にコメディとはいえない要素も多々。人間関係やキャラクターの深くまで見てた人は、このややこしさが快感ともなったことでしょう。
実際には1986年には誰も「チョメチョメ」なんて言ってなかったし、70年代のものと思われるものも1986年の風俗として描かれるなど細かい事をいうとキリがないですが、そこもクドカン先生の狙いだったのでしょうね。
最後のミュージカルシーンでのメッセージを阿部サダヲが真面目にセリフで訴えたら名作と言われたかもしれませんが、その辺も怪作、奇作たるゆえんでしょう。絶賛する人は声を大にして評価し、嫌いな人は沈黙するという感じだったかもしれません。批判すると「わかってない」と言われそうな感じで。
それはそうと、とにかくミュージカルシーンを含め手間暇かけて本当にバカな事をやるという点は楽しませていただきました。ま、たまにはこういうのがあってもよかろうと。