今回も一応は小松左京先生の小説を原作としているものの、主人公は違うし結末もまったく違いました。確かに40年以上経って時代背景は変わってるし、今はパソコンもネットもスマホもAIもある時代ですので、そもそも同じようにはできないでしょう。
私は原作を読んでから、映像化する際には地震や噴火や津波のパニックシーンを強調することには抵抗があり、もっと「国とは」「国土とは」「国民とは」「日本が沈没しても日本国民は存在できるのか」というようなことを考える作品なのではないかと思ってました。
果たして今回のドラマは、そういうパニックシーンはかなり少なく、日本が沈没することの国民への周知や、移民の対応を考える官僚を主役にしたことはかなり評価できます。さらに、政治家の思惑とか外交交渉におけるアメリカや中国の駆け引きとか、実際ありそうな話を織り交ぜたのは感心しました。
あとは、移民の受付が始まっても急いで申し込まない人が多いというのも、なんか実際にありそう。「いや、私らはもういいです。」とかいう人はいそうですものね。
そういう意味で、今回の企画は評価します。製作陣には称賛を送りたいと思います。ただ、今一つ贅沢をいうと映画のラストにあった総理と田所博士のやりとりのような感じも欲しかったと思ったり。
世間一般の評価はどうだったかわかりませんが、視聴率はそこそこ良かったようには思います。まぁ私が思ってたようなところに思いをはせてくれた人がいるかどうかというのは、欲張りすぎかもしれませんね。