まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「東の海神西の滄海」小野不由美

2013-11-25 21:26:27 | 読書のすすめ
21時現在 久々の雨です。
連勤の疲れで つい惰眠をむさぼってしまいました。反省。

さて 小野不由美の「東の海神西の滄海」を読みました。

東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社文庫)
小野 不由美
講談社


先日ご紹介した十二国記シリーズの第4巻です。

今回は 延王 尚隆(しょうりゅう)と 延麒 六太の物語です。

十二国記は 神獣である麒麟が天啓により王を選ぶ十二国によって成り立つ世界。
雁(えん)の国の麒麟である六太は 蓬莱(私たちのこの世)で育った。
焦土と化した国で 食うに困った両親に口減らしのために置き去りにされ 
死にかけているところを救われ 蓬山(麒麟が本来育つところ)に連れて行かれる。

そこでは麒麟として下にも置かれない贅沢な暮しが待っていたが
六太は 「天啓により王を選べ」と言われても 
自分の国を焦土と化した『王』の存在意義に疑問をもっており 雁の国では天啓を得られず 蓬莱に流れ着く。
そして 蓬莱(私たちから見ればこの世)で 延王となる尚隆と出逢う。

天啓を受けた後も迷いながら尚隆のそばにいるが 結局六太は尚隆を延王とする。

そして 隙あらば公務をさぼって 外に繰り出そうとする尚隆。
なんとか捕まえて公務をさせようとする側近たちの間に立ち
天啓があったので尚隆が王であることは間違いないが 
なんでこんな尚隆が王なんだろうという疑問を抱いている。

そんなある日 六太は雁の属州である元州に連れ去られる。
神聖な麒麟の誘拐は 明らかに謀叛であり 元州からの脅迫ともいえる使いに
尚隆の側近たちは色めき立つが・・・


麒麟は 神獣であるためか 血を嫌う。
血のにおいを嗅ぐと 倒れて寝込んでしまうほどである。

麒麟は天啓(天帝の意思)によって王を選ぶが
王が正道を外れると 麒麟は病み死んでしまう。
王になったことで不老不死を得る王自身も 麒麟が死ぬと王の資格を失い死ぬことになる。
つまり お互いまったく望んでいなくとも 麒麟と王は一蓮托生なのである。

雁の前王は 国を焦土とし たくさんの民を殺している。
そのあとをついだ尚隆は国民から高い期待を寄せられている。
尚隆はまずは 焦土に緑を取り戻すことから始めるが
雁には多くの問題が山積みになっており 不満をもつものもいる。
天啓を受けたはずの前王があんなだったんだから 
今回の王にも期待できないと思っている者も少なからずいる。

そんな背景で この物語は展開する。

読んでみて・・・

やっぱり 尚隆 好きだわ。
もろに タイプ! ストライクゾーンだわ。

私は 普段ちゃらんぽらんだったりやる気なく見えるほど物事に動じないけれど 
やる時はやるという男性が好きなのです。
また 人の上に立つものなら 戦いはなるべく回避する努力をすべし。
どうしても戦わざるを得ない場合は 人の後ろに隠れていないで 自分が先頭に出て戦え!とも 思っている。
銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーしかり。
銀魂の坂田銀時しかり。

そして まさに尚隆もまたその両方を兼ね備えたタイプ。

いつも側近に罵倒されている尚隆とはある意味真逆な元州の斡由(あつゆ)。
斡由は 臣民の信頼が厚く理想も高く完ぺきな為政者に近い。

斡由の臣で 妖魔を操れる人妖であるゆえに暗殺者である更夜が 六太に
六太の王だって同じだろう。決してないとは言えないだろう!
と言ったことに対し 尚隆が
「そんなことはせんよ。」
「俺は六太に人殺しなどさせない。こいつにさせるより、俺がやったほうが早いからな。」
と割り込む。

しびれます。

…って 別に私が尚隆ファンだから勧めているわけじゃないですよ。
この「東の海神西の滄海」 面白いです。
完ぺきなはずの斡由の化けの皮が剥がれていくところなんて ちょっとありえそうで背筋がぞっとします。

ぜひ ご一読を!
四巻は読み返したいわあ。
買っちゃおうかなあ。
と 考えているくらいお勧めです。

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