まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「人形記」佐々木幹郎

2014-06-18 21:13:05 | 読書のすすめ
今日は涼しかったんだろうが、図書館は暑かった。
どうしてこんなに蒸しているんだろう。
燻製になる日も近い。TT


さて 佐々木幹郎の「人形記」を読みました。

人形記―日本人の遠い夢
佐々木 幹郎
淡交社


古来、人形は「ヒトガタ」と呼ばれていた。

その響きの通り、人が病気になったり災難に遭いそうなとき
身代わりとなってきた。

例えば、太古、古墳に埋められた土偶や埴輪。
彼らは壊れている。
古いし、土の中に埋もれていたから欠けたんだろうと思っていたが
実は作られ埋められる前に、壊される運命だったらしく・・・
そんな理由で完全体で見つかることはほとんどないらしい。
(周知の事実だったら、済みません。)

つまり、埴輪までもが、人の身代りに欠けてくれていたのである。

人のために生まれるのに、壊されたり流されたり、ひどくないか。

子供のころ、ピアノの上に置いてあるフランス人形や
箪笥の上にある日本人形が何故だか怖かった。

何かで「夜中に髪が伸びる日本人形」の話を読んで
もう半端なく怖かった。
電気付けた瞬間に、びゅびゅっと髪が縮んだらどうしよう!
うっかり流し眼に合っちゃったらどうしよう!
と怖がっていた。

今でも正直言ってやや怖い。(怖がりです。)
そんな風に畏れを抱くのは、ほぼ信仰と言っていい。

日本人は何にでも魂が宿っている(かもしれない)と自然に思っている。
もちろん人形にも。
勿論、大人同士ではもはや話題にもならない。
しかし、おそらく怖がりの私だけじゃなく
多くの人は人形を愛でると同時に、
なんとなく畏敬の念を抱いていると思う。

それは、私たちが太古から身代わりになってくれてきた人形に
抱いている罪悪感のせいなのか?
それとも、人型を模し、つい洋服を着せたくなってしまうあのフォルムに
親近感をいだくからなのか?

埴輪や土偶から、浄瑠璃の人形、有名な人形師の人形、
お土産になりそうなものやアニメのフィギュアまで。
人形と一口に言っても、これだけ種類があるのかと改めて感心した。
これだけのものを取材し、文章にした佐々木氏はさすがだ。

中でも「生人形」のリアルさと桐塑人形の美しさには脱帽。

生人形ですよ。
見たくないですか?

写真を担当した大西氏が、あとがきで、
カメラのファインダーでのぞいていると
「フィギュアがどんどん小さく遠ざかっていくのに
 土偶はというと、ぐんぐん迫ってくるということだ。」
と語っている。

五千年の時を超えたドップラー効果?^^;

是非ご体感ください。
あ・・・髪が伸びそうなアレも出ています。

いがぐりおは 人形怖くない?^^;
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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