まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「丕緒の鳥」小野不由美

2019-09-06 16:19:03 | 読書のすすめ
今日の会津は 見事な晴れ。
会津がこんなに安定して晴れるのは珍しい。
最高気温は34度。暑いけれど。

さて 小野不由美の「丕緒の鳥」を読みました。

丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫)
山田 章博
新潮社


自分の中では 十二国記 第8巻なんだけれど
5巻表記?何故?

4話の中編が載っています。

表題の「丕緒の鳥」
「落照の獄」
「青条の蘭」
「風」

どれも十二国の王が倒れた後
世が災厄や跋扈する妖魔によって荒れ果てている時代が
描かれています。

これが出版されたのが平成25年。
今から6年前ですね。

読むのは3回目かと思いますが
なんだか とても感銘を受けました。

今年も様々な災害や人災によって
多くの方が傷つき 苦しんでおられる現状。
今年だけではなく これまでの災害によって
つらい思いが続く方々も
たくさんいらっしゃる状況ではないかと思います。

様々な災害を受けたと聞いた時
多くの人は
大変だな。なんか自分に出来ることはないかな?
と考えるはずです。

でも それじゃあ直接被害にあっていない私達に何が出来るかというと
ボランティア?
募金?お祈り?

こんな事を言うとバチがあたりそうですが
ただただ 無事でいることによる罪悪感が
溜まっていく感じです。

では 私たちは 無力なのか?

災害が起こった後 様々な所から集まったお金により
いろいろな人が対応策を
こうじるわけです。
これらの対策は 同じような災害が起こった時
対策の結果 無事だった場合は
あまりマスコミで取り上げられないし
論議もされないでしょう。

逆に被害が出た時は
非難が集中します。

被害に遭われた方々は もちろん
何も悪くない。

必要なのは 同じことを繰り返さないようにする
仕組み作りだと思うのです。

とはいえ 最近の災害は桁外れで
どうすればいいの?と思うことも多いです。

この物語のなかでは
登場人物(無辜の人たち)が
災厄や妖魔に苦しむ人々を
なんとか助けられないかと
奮闘します。
主役じゃないから
都合良く解決しません。

でも多分 十二国記の民がそうであるように
一見抗う術がなさそうに思えることも
主役じゃない私達の思いが通じることもあるかもしれない。
そう思わせてくれる作品です。

この本で示されているのは
決して明るい未来そのものではない。
でも 真っ暗な道を照らす
ほのかな灯り。
ともし火や道しるべです。

心の中にやり切れない思いを抱く
多くの方に読んでいただきたい。
そんな名作です。

ぜひご一読下さい。

いがぐりおは みんなのともし火だね!
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